本日のGetUpEnglishは現在訳出中の本のなかから気になった表現をいくつか紹介する。
Tookie was putting two (hundred million) and two (hundred million) together.
put two and two together (and make [get] four)は、「事実を考え合わせて結論に達する[推論する]」という言い方だが、ここではtwo (hundred million) and two (hundred million)とすることで、この絵が4億ドル(2億ドル+2億ドル)以上で売れたという事実を示そうとしている。以下のように訳すしかないだろう。
「トゥーキーはこの絵が四億ドル以上で売れたという事実を考えあわせて結論を出した」
‘Around a third of it was obviously covered with over-painting,’ he remembers. ‘But I could see from other parts which were not covered with over-paint that this was clearly a sixteenth-century panel. Immediately I thought, “It’s period, and we’re off to the races.”
“It’s period, and we’re off to the races.”がむずかしいかもしれない。
periodは定冠詞も不定冠詞もついていないことから、「以上、終わり、それだけのことさ」という口語表現だと思うし、前後の状況をよく考えて訳語をあてればよい。
we’re off to the racesがその鍵となる表現であるが、これはおそらく新しい表現なので、その場合は本年の元旦に紹介したようにUrban Dictionaryをチェックしよう。https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/d/20200101
すると、以下の定義がヒットする。
Off to the races
Going somewhere exciting
"We are going off to the races tonight."
by yupitscharlotte April 05, 2016
https://www.urbandictionary.com/define.php?term=Off%20to%20the%20races
以上から、次のように訳したらどうか。
「三分の一くらいは上塗りが施されていたと思います」と彼は思い出す。「でも、上塗りされてないところもあって、その部分から確かに十六世紀のパネルに描かれていることがわかりました。そこですぐに思いました。「そうだよ、これから面白くなるぞ」
現在翻訳中の本はこういった表現が膨大に出てくるのでややしんどいが、英語の勉強になるし、なんといっても世界最高値の絵は一体どこから出てきたのかというどこにも書いていないことを著者が独自の調査で調べ上げ、その結果をまさに推理小説のようにdramaticに描き上げているので、大変楽しい。
400ページを超えるこの大書もどうにか3か月で訳了できそうだ。