21匹のネコがさっくり教える アート史
https://www.youtube.com/watch?v=yxTF_8ihlgc
古代エジプト美術から現代アートまで。各時代のエポックメイキングなスタイルを取り入れた21匹のネコのイラストと解説で「さっくり」だけれどしっかりアート史がわかります。
ながめてうっとり、読んで納得、アート好き、ネコ好きにはたまらない一冊です! プレゼントにもぴったりです。
http://subarusya1.com/online/2019/06/17/postcard/
書籍詳細はこちら
http://www.subarusya.jp/book/b453986.html
『21匹のネコがさっくり教えるアート史』(ニア・グールド、上杉 隼人訳)、
にゃんと本日2019年9月22日の読売新聞の書評欄で宮部みゆきさん(大好きな作家!)にご紹介いただいたにゃ!
感涙ニャン!
https://www.bookbang.jp/review/article/587131
今日のGetUpEnglishも最近訳し終えた本にある表現から紹介する。
この本には美術の歴史も膨大に盛り込まれており、かなり昔の文献からの引用もあるので、慎重に訳さないといけない。
The value that is set on paintings depends not only on the name of the Master and the time of his age he drew them in, but likewise in a great measure on the scarcity of his works, and what is still more unreasonable, the quality of the persons, in whose possession they are, as well as the lengths of time they have been in great families; and if the Cartoons now at Hampton Court were done by a less famous hand than that of Raphael, and had a private person for their owner, who would be forced to sell them, they would never yield the tenth part of the money which with all their gross faults they are now esteemed to be worth.1
絵画の価値が何によって決まるかと言えば、オールドマスターの名前と、その絵は画家の何歳のときの作品であるかといったことだけではない。その大画家の作品がどれだけ希少であるかということに加えて、もっと不公平なことになるだろうが、所有者たちの社会的地位や、どんな人たちが所有していたかとか、どれだけの期間裕福な家に置かれていたとか、そういったことが大きな判断材料になることも多いのだ。もしハンプトンコートにあるその実物大の下絵がラファエロではなく、もっと名のない者の手によるもので、それもどこかの個人所有物で、その所有者が売りに出さざるを得なくなったとすれば、絵の傷も全部加味されて、現在の見積額の十分の一にもならないだろう。
in a great measureはこの場合は「もっと大きな基準、測定基準(measure)」とらえればよい。
what is still more unreasonableのunreasonableは「非合理」だが、この場合はOxford Advanced Learner’s Dictionaryにあるnot fairの定義と、次の用例から判断して訳語を充てるといいかもしれない。
● The fees they charge are not unreasonable.
they would never yield the tenth part of the moneyの動詞yieldは「(利益などを)もたらす、 …の利益を生む」の意味で使われている。
この意味の名詞とあわせて覚えておこう。
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/be6094e1538a4adae90a0dc8d5dc3118
この英文は、Bernard de Mandeville, The Fable of the Bees, London, 1795からの引用だ。全編このくらいの難易度の英文で書かれているので翻訳は苦労したが、翻訳者にとってありがたいのは訳せば訳すほど知識も経験も積めることだ。幸いなことに、管理者がお付き合いさせていただいている編集者のみなさんはとてもすばらしい方ばかりなので(この本の編集者も美術に大変強い関心があって心強い)、安心して仕事に取り組める。
こちらの本は現在世界でもっとも話題な絵についてあらゆる方向から書かれたもので、大変読み応えがある。
春ごろには刊行したい。