英和翻訳をしていると、有名なエピソードにもかかわらず、知らずに訳してしまって、大間違いをしてしまうことがある。
先日もそういうことがあって、大いに反省している。
turtles all the way downという表現がある。これはWikipediaにあるとおり、
When you are having an argument and you see your logic begin to fail, you can use this phrase to automatically win. This of course only works if the reference is understood.
「議論になって形勢が悪くなると、この表現を口にして自分が正しいと主張する」ことがあるわけだ。
たとえば、ある有名な科学者(バートランド・ラッセルだと思われる)が講演で、「地球が太陽の周りをまわっている」としたところ、ひとりの年配の女性が立ち上がり、その学者と以下のようなやりとりをした。
"What you have told us is rubbish. The world is really a flat plate supported on the back of a giant tortoise."(あんた、何言ってんのよ。地球は平らで、大きな亀が背中でそれを支えているのよ」
"What is the tortoise standing on?"(では、その亀はどこに立っているのですかな?)
"You're very clever, young man, very clever", said the old lady. "But it's turtles all the way down!"(あんた、若いのになかなか頭がまわるじゃない。でも、でも、ずっと下まで亀が続いているのよ)
これはスティーヴン・W・ホーキングの『ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで(Stephen Hawking, A Brief History of Time)に記したことで有名になった。
大変光栄なことに、翻訳の仕事は英日、日英ともにいただいていますが、常に質の高いものを閉め切り通りに上げるために、英語力、教養、知識、すべてをパワーアップしないといけません。
さらに精進します。2023年もよろしくお願いします。