GetUpEnglish

日常よく使われる英語表現を毎日紹介します。毎日日本時間の午前9時までに更新します。英文執筆・翻訳・構成・管理:上杉隼人

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Jory Fleming explains how he sees the world and people...

2022-12-31 08:27:54 | How to Be Human

 ジョリー・フレミング、リリック・ウィニック『「普通」ってなんなのかな 自閉症の僕が案内するこの世界の歩き方』が来月1月25日に発売となる。

 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163916538

 現在、PR動画を鋭意製作中だ。

 それにあわせて、担当編集者の高橋夏樹さんが書いてくださった以下の名コピーを英訳した。

 昨日につづいて、本日2022年12月31日のGetUpEnglishでも、わたしの英訳を、英語便(https://www.eigobin.com)のネイティブチェックとあわせてご紹介する。

 本日はこの部分を訳してみよう。

---------------------------

 本書はそんなジョリー・フレミングが世界と人間をどう見て、どう考えて、どうつきあっているかを語る本だ。

「自閉症でない人が、自閉症について理解できるとは思えない。僕も、自閉症でない人たちのことがわからない。お互い一生懸命説明しても、『わからないよ』って肩をすくめるだけじゃないかな」

 そう苦笑するジョリーは、立派な研究者になった今も、自閉症でない「普通」の人=「定型発達者」と同じ思考法をマスターしたわけではない。言葉の使い方は苦手だ。みんなの感情もよくわからない。毎日大変な苦労をしているし、周囲とうまくやっていくために精神エネルギーを使い果たしてしまうこともある。

------------------------------

 本書はそんなジョリー・フレミングが世界と人間をどう見て、どう考えて、どうつきあっているかを語る本だ。

 は次のように訳した。

 In How to Be a Human, Jory Fleming tells how he sees the world and people, thinking about and makes terms with them. 

 それに対して、英語便(https://www.eigobin.com)から次の修正が入った。

 In How to Be a Human, Jory Fleming tells us how he sees the world and people, thinking and how he thinks about and makes comes to terms with them.

 そしてコメントがすばらしい。

The verb "tell" requires an object, so you need to add something like "us" to refer to the readers. Alternatively, you can say Fleming "explains how he sees..."

 We "come to terms" with the world around us. We do not "make terms."

 なるほど、であれば、explainsを使ってこうしよう。

In How to Be a Human, Jory Fleming explains how he sees the world and people and how he thinks about and comes to terms with them.

 つづいて、 

「自閉症でない人が、自閉症について理解できるとは思えない。僕も、自閉症でない人たちのことがわからない。お互い一生懸命説明しても、『わからないよ』って肩をすくめるだけじゃないかな」

は次の文とあわせて、原書のジョリーの言葉を引用して、次のように対応した。

He laughs, “I’m certainly not expecting anyone to completely understand autism who doesn’t have it. That’s unreasonable. In the same way, I can’t fully understand them. Even if two people who are very well-intentioned try to explain it to each other, there will be some things where both of us will shake our heads or shrug our shoulders and be like, I can’t get there.”

 そのあと、

 そう苦笑するジョリーは、立派な研究者になった今も、自閉症でない「普通」の人=「定型発達者」と同じ思考法をマスターしたわけではない。言葉の使い方は苦手だ。みんなの感情もよくわからない。毎日大変な苦労をしているし、周囲とうまくやっていくために精神エネルギーを使い果たしてしまうこともある。

は次のように訳した。

Although now being an established researcher, Jory cannot think like a neurotypical person. He is still not good at speaking or reading what people feel. He has tremendous difficulties in his everyday life and sometimes expends all amount of mental energy he can use.

 英語便の修正は以下の通り。

Although now being an established researcher, Jory cannot think like a neurotypical person. He is still not good at speaking or reading what people feel. He has tremendous difficulties in his everyday life and sometimes expends all amount of his mental energy he can use.

 コメントがじつにすばらしい。

There is no need for "being" in this part of the sentence. The first main verb structure is later with "cannot think..." "Although now a teacher at Eigobin, Andrew used to work for Eiken."

 Just "all his mental energy" is enough detail to make the point. The other words are unnecessary and too wordy.

 beingがいらないという説明はすばらしいし、実際間違えてみると、The first main verb structure is later with "cannot think..."(主節はこのあと...cannot thinkで出てくるので、主語をan established researcherにあわせればいいといい)ということがよくわかる。

 外国語の学習は、

 ①「話す」にしろ、「書く」にしろ、まず自分でやってみる

 ②それをネイティブに見てもらい

 ③修正されつつ、納得できる説明をもらう

ということが不可欠だ。英語便はすべて実現してくれる。

 英語便のサービスはほとんど毎日使っているし、英語便なしではとっても今の仕事はできない。

 力説したいのは、英語便のすばらしさはネイティブに英文ライティングを添削してもらえることだけではない。それを通じて、GetUpEnglishで繰り返し紹介してきたように、英語の基本的な使い方を教えてもらえることだ。

 すべての英語学習者にお勧めしたい。無料トライアルも用意されているので、ぜひ試してみてほしい。

 https://www.eigobin.com/trial/profile_regist.php

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桐生タイムス【連載】永遠の英語学習者の仕事録 – 上杉隼人

2022-12-31 07:54:17 | 桐生タイムス

『桐生タイムス』の連載「永遠の英語学習者の仕事録」、21回を迎えました。

 どうか2023年もよろしくお願いします。

【連載】永遠の英語学習者の仕事録 – 上杉隼人

編集者で翻訳家としても活躍する上杉隼人さんが英文を交えながら、翻訳という仕事のおもしろさや奥深さなどを、エピソードとともに紹介します。(本紙では毎月第4土曜掲載)

https://kiryutimes.co.jp/uesugi/

・連載記事はダウンロードしてご覧いただけます。

【01】難解な翻訳と充実のインタビュー(2021年4月24日)
【02】アベンジャーズ、アッセンブル(2021年5月22日)
【03】伸びやかで生き生きしたアメリカ口語(2021年6月26日)
【04】よし、じゃあ、おれは地獄に行く。(2021年7月24日)
【05】拡張をづづけるスター・ウォーズ・ユニバース(2021年8月28日)
【06】ネコたちが教えるニャンとも楽しいアート史(2021年9月25日)
【07】伝説の大富豪のギャンブラー人生(2021年10月23日)
【08】宗教史全体を見つめなおす最適の入門書(2021年11月27日)
【09】『スター・ウォーズ』と『マンダロリアン』が日本映画から受けた影響(2021年12月25日)
【10】マーベルはいかにして地球最大規模の収益を上げる企業に変革できたか?(2022年1月29日)
【11】ウォルト・ディズニーのほんとうの物語(2022年2月26日)
【12】人間の体の仕組みも、地球のことも地球の外のことも、みんな楽しくわかる1冊(2022年3月26日)
【13】自閉症の人たちも何かできる、定型発達者とともに何かしたいと思っている(2022年4月23日)
【14】障がいのある人は苦しい状況に置かれる。だからいつも陽気でいたい、どこまでも楽観主義でいきたい(2022年5月28日)
【15】日本の文化と社会に通じた著者との共同翻訳作業(2022年6月25日)
【16】類まれな調査力、文才、日本文化に対する愛と敬意を備えた著者の渾身の1冊(2022年7月23日)
【17】新たな挑戦、現状打破を望む人の至高の書(2022年8月28日)
【18】「変化への不安」の心理構造を理解し、「行動できる」自分に変わる(2022年9月24日)
【19】さまざま工夫を凝らしたディズニーの悪役タロット(2022年10月22日)
【20】アメリカの黒人はキャプテン・アメリカになれるか?(2022年11月26日)
【21】この本を読めば、あなたも歴史博士!(2022年12月24日)

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