9月2日・日曜日NHK「日曜討論」/小沢代表に問う「政治はどう動くか」全文とその財源論の正当性証明

2012-09-03 04:11:25 | Weblog

 9月2日(2012年)のNHK「日曜討論」で「国民の生活が第一」の小沢代表が岡田副総理や谷垣総裁等、各党の代表と各別個に出演、司会者の「政治はどう動くか」の問に答えていた。

 小沢代表の場合、日程の都合で「日曜討論」のスタジオで8月31日に収録したものだそうだ。

 全発言を文字化してみた。

 司会「終盤国会の問題からお聞きしたいと思うんですが、先ず野田総理大臣に対する問責決議を参議院で可決をされました。どのように見ていますか」

 小沢代表「まあ、我々は衆議員で先ずは強行採決、3党合意なるものの中でですね、その時点で問責を既にずうっと出しておったんですね。

 しかし、あのー、自公が先ず消費税に賛成するということになりまして、その後、ここには僕は理解できないんですが、大増税に賛成しておいて、問責とか不信任とか、全く不可解なんですけれども、いずれしろ、私共は自民党からそういう話があったんで、それは既に我々は消費税増税反対ということで、問責決議を既に出していると。

 まあ、我々のこの問責決議に同調するならば、それはそれでどうぞと、いうことに最終的になって、それで我々の消費増税はけしからんと、民自公の3党の談合はけしからんという意味での問責決議案を可決したということで、えー、私共としては我々の主張が通ったというふうに思っています」

 司会「そうした取り組み方と関連するんですが、まあ、通常国会全体を振り返ってという点ですね、『国民の生活が第一』、民主党を離党して新しい政党をつくった。

 えー、存在感、発揮できたとお考えですか」

 小沢代表「我々の主張はですね、勿論国会の場で、えー、色々議論し、理解されることが、あの、大事なことは勿論ですけども、一番大事なのは、それは国民の皆さんに届いているのか、理解されているのか。あのー、一番の問題であって、私たちとしてはこの3年前のマニフェストに全くなかった、そして先ずはムダを省くこと、色んな改革を断行すること、ということであって、消費税はその後だと、我々の主張が全く覆されちゃって、それで消費税一本槍になってしまったと。

 それは国民のみんなに対する背信行為になると、ウソをついたことになる。

 これは認められないということで、非常に、あの、明快な、筋道の通った、あの、主張ですので、国民の皆さんにもお分かり頂けたんじゃないかと思っています」 

 司会「その消費税増税の方は反対したけど、成立したと。まあ、これからこの問題、どう対応していくんですか」

 小沢代表「我々としては、あの、依然として消費税増税をすべきではないと。税と社会保障の一体改革と銘打ってますけれども、(軽く笑いながら)社会保障はどこかに行ったのか、全く見えなくなってしまって、増税一本槍になってますから、今日(こんにち)の経済状況、日本の経済状況、世界的な経済状況を見ても、大増税すべきでないと、いう要素もあります。

 ですから、今度来るべき総選挙で我々はこの増税分の消費税増税は、あー、反対すると。そのための力を国民の皆さんに与えてくださいと、いうことを訴えたいと思っています」 

 司会「それとこの通常国会、通院の可能性があるが、衆議員の選挙制度の改革の問題と赤字国債発行法案などがありますが、端的に言って、これはどう対応、処理すればいいと、お考えですか」

 小沢代表「あの、問責決議が、あの、可決されましたので、えー、総理自身が参議院の審議に参加することは不可能に事実上なっています。

 いわゆる政府提案のものについては非常に実態としては困難な状況になったと思います。

 議員提案については、若干要素が違うと思っています。けれども、それも与党や自民党も、どう考えているのかっちゅうことは結果として、影響されると思いますね」


 司会「そうした問題も含めて、これから秋の政治、どういうふうに動く傾向かどうかという点で、話を進めていきたいと思います。

 で、こちらに政治日程を書いてありますが(フリップを示す)、主なものを、最も有権者の方、関心がるのは野田総理大臣が言う、『近いうちに信を問う』、衆議院の解散・総選挙の時期、小沢代表はどの時期だというふうに考えますか」

 2012年9月 8日     国会会期末
      21日      民主党代表選
      26日     自民党総裁選

    10月~11月    臨時国会招集?
    12月       来年度予算決定
    
 2013年1月       常国会招集
    7月       参院議員任期満了
    8月       衆院議員任期満了   

 小沢代表「まあ、野田総理が何と言ったか、密室の話ですから、分かりませんけども、総選挙の時期、ここに書いてあります代表選と総裁選挙、これで誰になるのか、ということでも違うんじゃないでしょうか。

 ただ、常識的には予算編成の前にするのか、後にするのか、ということだろうと思いますけどもね。

 ただ、あのー、その国会、政府行政とは別にですね、国民の皆さんの気持からすると、もうこんな状況では、そろそろ国民の信を問えと、声が、まあ、強くなってくるんじゃないでしょうかね」 

 司会「なる程、この秋がですね。そこでこの次の衆議院選挙を睨んで、小沢代表のところ、各地域の地域政党との連携、これを模索をしていると思うんですけども、中でも大阪維新の会、あの、秋には新党を結成する動きが出ています。

 で、これについて、維新の会との連携、どういうふうにやっていくんですか」

 小沢代表「あのー、今の国民の皆さんの心理は、あー、長い長い自民党政治ではダメだと。自分たちの暮らしは守れないと。

 だから、もう思い切って民主党に政権を任せてみようと。

 と言うことで、3年前の政権交代になったと思うんですね。 

 ところが、民主党にやらせてみたけども、約束は守れない。やるのは増税だけ。こんなんじゃダメだと。

 ですから、既成政党に対して、民主党、自民党、公明党も含めて、既成政党に対しては拒否反応が非常に強いと思うんです。

 と言うことは、そうではない、本当にやってくれそうな、新しいグループ・集団を期待するというのが国民の心理だと思います。

 まあ、その一番の受け皿になっているのが、大阪維新の会だと思いますね。

 ただ、新しい、我々も含めて、色んなグループがお互いにぶつかり合って、えー、単純にやってても、政権を獲るということにはなりませんので、私は維新と限らずですね、やはりこのまま民主党政権ではダメ、勿論自民党政権に戻してもダメ、という人たちがやはり力を合わせて、国民皆さんの意思を受け止めるようなグループをつくることが大事じゃないかと。

 何も一つの党になる必要はないですけども、協力しあうという体制をつくることが大事だと思います」 

 司会「地域政党を含め、連合――」

 小沢代表「そうです、そうです。色んな政党ですね」

 司会「で、その中でも維新の会側は幹部の中では、小沢代表の党と連携に慎重な発言を聞きますが、その点はどうなんでしょうか」

 小沢代表「それは色々な意見あると思います。ですから、維新の会が自分から単独で政権を取ると、言うんであれば、それはそれでしょうがないですけれども、客観情勢からすると、維新の会であれ、我々であれ、どこであれ、単独で過半数を取って政権を担うと、いうところまでは行っていないと思うんです。

 そうしますと、国民の皆さんの思いは、それぞれ競合してぶっつかり合ってじゃなくて、力を合わせて国民のために頑張って下さいよというのが、私は国民の素直な声だと思いますので、私はその趣旨に従って、できる限り協力できるように力をしたいと思います」   

 司会「後ですね、政治課題についてお聞きしたいと思うんですが、原発ゼロ、消費増税反対、地域主権ですね。この三つを挙げています。端的に言って、このうち一つ代表的にお聞きしたいと思うんですが、消費増税、これについて反対と。法律ですね、それを言った場合、じゃあ――」

 小沢代表「増税は廃止です」

 司会「ああ、廃止ですね。その場合、じゃあ財源はどうなるのかって、いう、これ具体的に示す必要があると思うんですけど」

 小沢代表「よく言い古された話なんですけどね(軽く笑いながら)、財源ないないと言っている人は、政治家もマスコミも評論家も含めて、今までずうっと半世紀以上続けてきた自民党の遣り方、行政の仕組み、それをそのまーんまにした、前提にして喋ってるんですね。

 私たちは、その行政の仕組みも何も、予算の編成の遣り方も変えますと言って、国民に訴えて政権を、あの、受けたわけです。私どもは、あー、その民主党本来の主張をこれからも国民の皆さんに訴え、そして具体的に先ず言えば、予算の中で40兆円は、あの、色々な形で政治的な選択、決断のできる対象です。そん中で、あの、 相当なムダ遣いがあります。私――」


 司会「40兆円の中で――」

 小沢代表「40兆円の中で。ですから私たちは政治的な優先順位をきちんと決めて、ムダを省けば十分財源は出てくると思っています」

 司会「最後に一点ですね。衆議院選挙の話に戻ります。小沢さんの新党、何人ぐらいの規模の候補者を擁立したいのか、どうなんでしょうか」

 小沢代表「来週には現職の人の予定者を決めたいと思っていますが、その後順次増やして、えー、できれば100人前後、我が党だけで擁立したいと思っています」

 司会「ハイ、ありがとうございます」(以上)

 小沢代表の言う財源捻出が事実可能かが問題となっていて、疑う向きが非常に多いと思うが、8月31日(2012年)当ブログ記事――《野田首相の問責可決でも「やるべき仕事を静かに粛々と進める」は支持率の高い首相が言うこと - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》に8月27日月曜日朝日テレビ放送「ビートたけしのTVタックル」出演の元経産官僚古賀茂明氏が話す財務省の予算の付け方を取り上げたが、その発言が小沢氏発言の事実証明となる。

 改めてここに記載してみる。

 古賀茂明大阪市統合本部特別顧問「(財務官僚が予算を)配るときにね、要するに自分たちの力っていうものを見せることが大事なんですよ」

 ビートたけし「うちのカアチャンみたいなんだ。(カネを配る手つきをして)トウチャン、いらないんだってことを」

 古賀茂明特別顧問「そう。だから、大体予算要求してから、11月ぐらいまでは、『くっだらない予算だな、こんなのゼロだよ』って。

 で、12月になって、もう殆どそんとこ決まってるんですけど、一生懸命通ってですね、足繁く通って、『お願いします。お願いします』ってやるじゃないですか」

 阿川佐和子(司会者)「財務省に?」 

 古賀茂明特別顧問「ええ。そうすと、(顎に手を当て、顔を下に向けて考えこむ仕草となり)『うーん、やあ、そこまで言われると』とかね。

 それで最後に一寸ずつ、『じゃあ、これだけ付けますよ』って言うと、(感謝で頭を下げる仕草)『ありがとうございます』ってなるじゃないですか。

 例えば10億要求してたのを5億で決着するときに、先ず、『ゼロですよ』って言うんですよ。で、『やあ、熱意に負けました、3億です』、『もう一寸頑張ってきます』とか言って、『4億まで取れました』とか言うと、もうみんなありがとうと――」

 〈古賀氏が描く財務官僚の予算折衝は単なる金額の駆引きとなっているに過ぎない。値切られる一方であったなら、予算額は減少し、赤字とはならないはずだが、値切られる方も、値切られることを承知していて、この手の予算はどのくらい、別の予算はこのぐらいと値引き額を予想していて、前以て予算額を底上げしている、あるいは水増ししているだろうから、落とし所が決着して、「有り難うございますっ」と深々と頭を下げて大感激の様子を見せたとしても、相手に花を持たせる演技に過ぎず、相手にしても予算は自分が取り仕切っていると思い込んで虚栄心を痛く満足させることができるだろうが、財政再建とは無関係の力学を取って予算額は減少せず、増額一方となり、赤字予算で手当しなければならなくなるといった経緯を踏んでいると解釈しなければ、先進国随一の赤字国という説明がつかない。

 要するに事業の必要性と費用対効果、あるいは国民生活に対する利益寄与の面から議論・折衝して予算額を決定づけていく予算編成ではなく、単なる金額交渉に堕している。〉(以上)

 予算折衝が事業の必要性を徹底的に議論した中からの算出ではなく、単なる金額の駆引きからの算出となっている以上、ここに無駄が生じないはずはない。

 この体たらくなのだから、小沢氏の言っていることの正当性は確信できるはずだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする