野田首相の細野政調会長人事には野田首相のウソ・細野のウソが散りばめられている

2012-09-25 11:54:41 | Weblog

 

 訂正と謝罪

 昨日9月24日当ブログ記事――《橋下徹大阪維新の会代表の“議論公開論”に見る発言責任の自他区別 - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》に読者から誤記の指摘がありました。

 「2009年11月時点」から「2012年2月14日時点」までの経過期間を「それから約3カ月後」と2個所を誤記、「それから約2年3カ月後」と訂正し、併せて誤記を謝罪します。 

 先の民主党代表選で若手議員を中心に一旦は出馬を勧められ、自身も前向きな態度を示しながら、「41歳で12年しか国会議員を務めていない」と経験不足を理由に出馬を辞退した細野豪志環境相兼原子力防災担当の内閣府特命相が野田首相によって次期政調会長に起用されることになった。

 この経緯には野田首相のウソ・細野のウソが存在する。

 何日か前のブログでも批判したが、能動的学習能力や能動的問題解決能力とその蓄積に置くべき経験を年齢(歳の数)と議員勤続年数に置いて(20年、30年議員を務めたとしても、陣笠は陣笠である)、その過不足を計る幼稚な判断能力を見せた政治家である、大臣を務めることができたのは言葉は達者だが、実質的には官僚の手のひらに乗って動いていただけのことではないかと疑っている。

 《民主役員人事 細野氏らの起用決まる》NHK NEWS WEB/2011年9月24日 17時45分)が人事決定のイキサツと細野自身の判断を紹介している。

 幹事長代行の安住財務相と国対委員長起用の山井和則国対副委員長に関する紹介は省略。

 先ず細野氏の経歴。

 衆議院静岡5区選出の当選4回41歳。

 民間シンクタンクの研究員や衆議院議員秘書を経て、2000年衆議院選挙初当選。

 民主党役員室長や副幹事長等を勤務。菅内閣で総理大臣補佐官の起用を受け、東京電力福島第一原子力発電所の事故対応担当。

 2011年6月新設の原発事故担当大臣就任、同2011年9月発足野田内閣で原発事故担当相再任、環境大臣を兼務。

 そして野田代表の再任で政調会長の起用を受ける。

 9月24日の記者会見。

 細野豪志「きのう、野田総理大臣から連絡を受けたときは、『原発事故への対応と福島の課題に専念したい』と申し上げたが、野田総理大臣からは『政策調査会長として、党全体で原発と福島の問題をサポートするように』という話があった。大変な役だが、原発と福島の問題を党全体でサポートする先頭に立てるのであれば受けようと思い、最終的に『やらせていただく』と申し上げた。

 野田総理大臣からは『特にマニフェストをしっかり作るように』という指示があり、全党的な大きな課題なので、しっかりやりたい」

 細野剛志は代表選出馬断念の理由に経験不足と共に、「福島をはじめ被災地には厳しい問題があり、猶予できない状況」であることを挙げて、引き続いて福島対応を優先させなければならないことを理由とした。

 だから、一旦は「原発事故への対応と福島の課題に専念したい」と断ったが、野田首相から、「政策調査会長として、党全体で原発と福島の問題をサポートするように」と指示を受け、「原発と福島の問題を党全体でサポートする先頭に立てるのであれば」と引き受けた。

 いわば、「原発と福島の問題を党全体でサポートする先頭」に立つ役目を政調会長の仕事の一つとして認められたから、原発事故担当相から離れる決意をした。

 だがである、“党全体のサポート”にしろ、その先頭に立つことにしても、あくまでも従であって、優先的主体は政府全体のサポートであり、何よりも直接的にはその代表者としてより重要な役目を担ってきたのは原発事故担当相である細野豪志であったはずだ。

 その細野が主たる役目から退いて、従となる役目を引き受けたことになる。

 もし政調会長として原発事故担当相以上に「原発事故への対応と福島の課題に専念」することが可能であったなら、断りもせずに二つ返事で引き受けたはずだ。

 その逆であったから、一旦は断った。

 このことは今後は政府全体のサポートを受けて、後任の原発事故担当相がより直接的な優先的主体者として原発と福島の問題に当たることになることを意味している。

 いくら細野が党全体のサポートを受けようと、従たる立場からでしか原発と福島の問題に当たることができないということである。

 この経緯には「原発と福島の問題を党全体でサポートする先頭」に立つことを以ってどう逆立ちしても原発事故担当相の代わりとはならない政調会長を引き受けるという役の格下げが存在するにも関わらず、細野はさもそんなものは存在せず、同じことができるんだというふうに同等であるかのよう第三者をして思わせる巧妙な言葉のウソを存在させている。

 だとすると、9月24日午後、福島県庁に佐藤雄平知事を訪ねて原発事故担当相退任の挨拶をしたとき、「福島の復興にこれからも寄り添って取り組む」(時事ドットコム)と約束したそうだが、この約束自体も言葉のウソしとなりかねない危険性を孕んでいることになる。

 大体が政調会長として次期総選挙のマニフェスト作成の役を拝命したとなると、マニフェスト作成が簡単な作業ではない性格を抱えている以上、従の立場から福島にどれ程寄り添うことができるというのだろうか。

 衆議院の任期は1年近くを残すが、いつ解散するかも分からない政局下にあることと、原発問題にしてもTPP参加問題にしても党内で大きく意見が分かれているそれぞれの政策をマニフェストに時間の余裕があって念入りに纏めるのではなく、時間がない状態で大急ぎで纏めなければならない状況にあることから推察すると、細野の「福島の復興にこれからも寄り添って取り組む」は福島にとっては復興の足しにならない、リップサービスのウソで終わる可能性すら出てくる。

 尤も細野政調会長が立派にマニフェストを纏めることができ、その表紙に取って置きの顔をした野田首相の写真を配したとしても、民主党のマニフェストと名前をつけている以上、どれ程に信用される約束事となるのか疑わしい。

 また「原発と福島の問題」は野田首相が機会あるごとに「福島の再生なくして日本の再生はない」と言ってきた最重要な政策事項であり、直接的担当者にとっても最重要な役目であるにも関わらず、「原発と福島の問題」に関しては細野を主たる役目から外して、従たる役目に就けた細野政調会長人事であったと言うこともできる。

 主たる役目に代わる後任の適任者がいるとしても、継続性という問題は無視できない。継続性は問題ないということなら、細野は原発事故担当相として有能ではなかったということになり、政調会長起用人事は有能性を反映させた採用ではなく、マスコミが伝えているようにその若さ、清新さに期待した党の顔としての政局的な選択ということになる。

 もしこのような背景を抱えた人事であるなら、野田首相は未だ途上にある「福島の再生」よりも政調会長人事を優先させたことになり、「福島の再生なくして日本の再生はない」の言葉を僅かながらでもウソにすることになる。

 野田首相は細野に対して「特にマニフェストをしっかり作るように」と指示したそうだが、野田首相の「しっかり作る」という言葉にもウソがある。

 菅前首相が2010年7月参院選前にマニフェストに書いてない消費税増税を打ち出したときの政調会長だった玄葉光一郎がマニフェストなるものについて次のように発言している。

 玄葉光一郎「マニフェストと言うのは生きものであり、常に手入れが必要なものだというふうに認識をしております。従って、環境や状況の変化に柔軟に対応することが重要だということで、改めるべきは改めると言う観点から書かれているということです」

 要するにマニフェストを国民との契約であることから政策ガイドライン(おおまかな指針)に変質させる格下げを行った、

 非常に画期的なことである。選挙では民主党立候補者は「約束します」と言えなくなったのである。有権者にしても、「環境や状況の変化」に応じて政策内容が代わるようでは、「約束します」と言われても困るだろう。

 そして野田首相がやはりマニフェストに書いてない消費税増税を打ち出してマニフェストが持つ国民との契約性をなおのこと破棄した。

 言ってみれば、民主党政権は誤魔化し、誤魔化しで乗り切ってきた。これ程のウソがあるだろうか。細野政調会長人事は全体のウソの中の一つのウソに過ぎない。

 このことを証明する細野の発言がある。《民主新役員の発言要旨》時事ドットコム/2012/09/24-17:40)

 細野以外の発言は省略することにする。日付が同じで、発言内容もほぼ同じだから、上記「NHK NEWS WEB」が扱ったのと同じ記者会見での発言だと思うが、最後が少し違う。

 細野豪志「野田佳彦首相から昨日連絡を受けた際には「原発事故対応に専念したい」と固辞した。しかし、「政調会長として原発問題を全面的にサポートするように」と言われ、お受けした。マニフェスト(政権公約)づくりや、一体改革の3党合意への対応など課題はたくさんあり、全力でやりたい。

 福島の役に立ちたい気持ちは人一倍強く持ってきた。政調会長の役割を果たすことが福島を見捨てることであっては絶対にならない。福島を党全体で支える態勢をつくりたい

 前任者と後任者との間に能力の優劣、継続性の問題は存在するだろうが、「政調会長の役割を果たすことが福島を見捨てることであっては絶対にならない」と言っていることは、福島を見捨てることにならない形の政調会長の役目を絶対果たすとの宣言であろう。

 だが、この発言は福島を見捨てるも見捨てないも、政調会長である自分一人の責任にかかっているとしていることになり、「原発と福島の問題」を政調会長一人の役目としていることにもなる。

 いわば後任者が存在しないか、まるきり無能だとしているか、後任者を差し置いた発言であり、自身を何様に置いたこれ程の思い上がりはないだろう。

 実際には福島を見捨てるも見捨てないも最終的には政府の責任であるが、直接的に主たる役目を担うのは後任者であり、その責任は後任者により多くかかっているはずである。

 もし言うとしたら、「福島の問題は今後共気にかけ、できる限りのことはするが、適任者が後任となるだろうから、任せたいと思います」で済んだはずだし、そうせざるを得ないはずだ。

 また、「福島を党全体で支える態勢をつくりたい」と意欲を示しているが、そのような態勢は一旦は出来上がっていて、例え従たる立場からではあっても、それなりの実務を踏んできているはずである。

 勿論、組織の責任者が代われば、新しい責任者が指示や行動を容易にできるように人員配置や人員の入れ替え、命令系統の変更等を行いもするだろうが、一旦は出来上がっている態勢をさも自分が先頭に立って新しくつくるかのような発言にもウソが存在することになる。

 要はどれを取っても、全てが自分を何様とする、あるいは自分の有能さを見せかけるウソの発言となっている。

 このようなウソを散りばめた見せかけの態度が細野が頭角を現すキッカケとなったとしても、細野のような政治家が環境相と原発事故担当相を兼務していたこと自体、あり得ないウソとしなければならないが、野田首相はそのウソに気づかずに原発事故担当相として再任、さらに環境相に任命、「福島の再生なくして日本の再生はない」と言いながら、そのことに優先させて党の顔として政調会長の人事を行うウソを働いた。

 ウソとウソが奏でる野田政治といったところか。

 閣僚だった安住を幹事長代行に起用、入れ替わりに党役員だった前原や樽床、城島を閣僚に起用する動きも、政権放棄を予定とした論功行賞狙いの最後の晩餐ならぬ、最後の大盤振舞いの政治のウソに違いない。

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