参院選与党過半数阻止の至上命題は必要とする野党同士の選挙区ごとの共闘バーター方式で実現すべき

2013-04-06 10:47:22 | 政治

 ――海江田代表の写経は平野民主党離党ショックの精神安定剤となるが、党が受けたダメージの修復材となるというのか――

 海江田民主党代表からしたら、民主党参議院選挙候補者の離党者が相次いでいることに加えて閣僚経験者である平野達男前復興相の選挙当選を最大利害とした――と言うことは、民主党公認を最大マイナス利害とした離党に怒り心頭に発したのだろう、その怒りを鎮めるために全日本仏教会との会合で「心が落ち着く」と助言された写経に取り組み始めたという。

 4月4日の記者会見。

 海江田代表「心の平静を取り戻す意味で写経しました。『諸仏はことごとく了知す、一切は心より転ず』という一節が気に入っています。地獄に落ちるのも成仏できるのも、心の持ち方だ」(asahi.com)――

 結構毛だらけ、猫灰だらけ。自身の精神安定剤になるかもしれないが、平野、その他の離党で民主党が受けたダメージの修復に役立つ、外に働きかける力となるとでも言うのだろうか。

 写経は一人閉じ込もることをも意味する。外とは逆の方向に働きかけたのである。閉じ込もって一人怒りを鎮めるのではなく、その怒りを平野の無節操潰しにぶつけるべきだろう。目標を定めた外部に発散すべき怒りを自身の内部に引き取って、平常心に変えた。

 いわば怒りを無害化した。無害は相手から見た場合、無力に映る。

 内側でななく外部への方向性を持たせた発想を見せることができないところに代表としての資質に疑問符がつく。

 民主党執行部は模索していた日本維新の会との連携を日本維新の会側から政策の不一致を理由に相手にされなかったために憲法改正の点での政策の不一致を理由に断念、原則として、すべての選挙区に公認候補を擁立する方針を決定した。

 対して口先番長の前原誠司が異を唱えた。

 《民主 批判表面化で党結束危ぶむ声も》NHK NEWS WEB/2013年4月6日 4時13分)

 前原誠司「野党がバラバラに戦っていたら、自民・公明両党が喜ぶだけだ。選挙区によっては維新の会と連携できる可能性が残されている」――

 輿石参議院議員会長「維新の会とは、憲法などの考え方も違う。連携しないのは、役員会などで議論を積み重ねたうえでの党としての意思だ」――

 前原が言っていることは、要するに内閣支持率や政党支持率から予測して民主党単独では戦うことはできない、議席後退に手をこまねくだけだという切羽詰まった現実的な危機感からの維新の会に対するすり寄りといったところなのだろうが、参議院自公与党過半数阻止を至上命題とするなら、今や非現実化しつつある至上命題と言えなくもないが、新しい政党という点でも、橋下徹のタレントとしての人気に負っているという点でも日本維新の会に勢いがあるとは言え、日本維新の会にのみ単独に共闘という名の依存を図るのではなく、口先前原が言う選挙区に応じた民主党と日本維新の会との連携を選挙区の事情に対応させて他の野党にも広げて、与党に勝つために必要とする野党と、必要野党が複数であっても、共闘を組み、組んだ野党の中からその選挙区で勝てる候補者を抽出、協力の下自公候補者と戦い当選させていくという選挙対策を取ったなら、与党過半数阻止という非現実化しつつある至上命題を現実化できる可能性を残すことにならないだろうか。

 自公過半数阻止を絶対命題とするなら、全野党共闘バーター方式が理想だが、土台無理な話であろう。

 勿論、野党共闘選挙区に於ける当選者はいずれか一つの野党に偏る訳にはいかないし、バランスが必要となる。この選挙区はA野党の候補者に譲るから、この選挙区はB野党の候補者に譲ってもらう、さらに次はC野党の候補者に譲ろうというようにバーター方式で候補者を選び、野党同士が可能な限りほぼ同数の議席を獲得できるようバランスを図らなければ公平性を確保できない。

 共闘を必要とする選挙区に共闘野党の中から一人の候補者を立てる野党共闘の選挙で正確に同数の当選者の確保は不可能だが(偶然が同数を実現させる可能性は捨てきれないが)、各野党に可能な限り平均させた議席数を割り振ることができた場合の公平性は野党ごとの政策の違いに対しても公平性を与えることができ、野合という批判が回避可能となる。

 例えば憲法改正を掲げる野党と護憲を掲げる野党が共闘区でほぼ同数の議席を獲得できたなら、選挙後の参議院に於いても共闘区で当選した議員に限って、改憲と非憲の議員がほぼ同数を占める公平性を獲得できることになるからだ。

 このことを逆説すると、あくまでも与党過半数阻止を大前提とした場合、野党の間に政策に大きな違いがあっても、当選者数のバランスを図ることによって、共闘は可能となるということである。

 この選挙区に応じた野党共闘のバーター方式を民主党は離党した平野が当初は自民党の応援を期待し、自民党が新人を擁立する決定を行なって期待が潰れた参議院岩手選挙区に応用して岩手で影響力が強い小沢氏の生活の党と共闘を考えるとすると、いずれかの党の候補者に一本化して当選させることができたなら、民主党のメンツを守ることができるし、海江田代表の平野離党で平常心を奪うこととなった怒りも写経の力を借りなくても鎮めることができる。

 何よりも与党過半数阻止に向けた一コマは確保できる。民主党は岩手選挙区に平野に代わる自前の候補者を立てるそうだが、対して自民党が新人候補を立てた場合、太刀打ちできる情勢にあるとは思えない。ただでさそういった情勢にあることを考えずに生活の党と共闘しなかったなら、生活の党の候補者が当選すればいいが、しなかった場合、むざむざと自民党に一議席を与えることになりかねない。

 参院岩手選挙区をモデルケースとしていずれの野党も自公いずれかの与党の候補者に太刀打ちできない情勢にある全選挙区にバーター方式で共闘を必要とする野党との間で共闘候補を立てることができたなら、与党過半数阻止も夢ではなくなるはずだ。

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