民進党をアホ呼ばわりして、おおさか維新の会から今国会中の謹慎を言い渡された同党所属衆議院議員足立康史が5月16日(2016年)、都内で開いた若者と政治の交流の場を企画する「日本若者協議会」で、「アホは敬称だ」と釈明したと5月16日付け「産経ニュース」が伝えている。
足立康史「関西ではアホは敬称だ。関西で最も尊敬されている方の一人に『アホの坂田』さんがいる。だからアホは敬称だ」
足立康史は「アホの坂田」こと坂田利夫に接するように民進党に接してアホ呼ばわりしたわけではあるまい。坂田利夫はアホを売り物にしてお笑いを取って、それでナンボの稼ぎを職業としているお笑い芸人である。
民進党はアホを売り物にしているわけではない。至って真面目にそれなりに多くの国民の支持を得ている。前者に対しては「敬称」に値するかもしれないが、後者に対しては決して敬称に値しない。蔑称として使っているはずだ。
単にゴマカシしたに過ぎない。若者と政治の交流の場で若者に詭弁を弄した。その詭弁に詭弁と気づかずに乗っかった若者もいるかもしれないが、どれ程に失礼な態度だったかは自身は自覚もできない。
年齢は50歳。学歴は京都大学工学部卒、京都大学大学院工学研究科修士課程終了、コロンビア大学大学院修士課程終了。年齢・学歴なりの良識を弁えているはずだが、自身の民進党に対するアホ呼ばわりが実際には安保法案反対の国民をもアホ呼ばわりしていることを心得ることすらできない。
立派な学歴の全てが学歴詐称でないことを願う。但し国会という場で年齢・学歴が役立っている良識ある態度を取ることができない点、ある意味では学歴詐称の人間ということができる。
民進党をアホ呼ばわりしたイキサツを簡単に纏めるために「Wikipedia」記事を利用することにする。
民進党への暴言
2016年4月7日、衆議院総務委員会において、「民進党はあほじゃないか。あほです。あほ」などと発言した。この発言には委員長の遠山清彦から「発言は良識の範囲内で」と注意をされたが、それでも態度を改めず「こんな政党は日本の恥だ。あほ、ばか、どうしようもない」と続けた。4月8日に懲罰動議が提出され、おおさか維新の会の遠藤敬国対委員長は品位を欠く不快な発言で、本人に注意したと衆院議院運営委員会理事会で説明したものの、足立は「事実誤認はない」として議事録からの削除を拒否。民進党が懲罰動議を提出した事自体が懲罰に値すると発言した。4月21日には衆議院総務委員会で「民進党は(熊本地震対応の)足を引っ張っている。ふざけるなよ、お前らホンマに」といった発言を繰り返した。
この発言について、民進党は22日、足立に対して三度目となる懲罰動議を提起した]。おおさか維新の会の馬場伸幸幹事長は「特定の個人を侮辱するような不適切発言については党としても遺憾だ」と強調し、今国会中は足立氏を質問に立たせない方針も明らかにしたが、民進党に対する謝罪は拒否した。
ところが25日、足立不在の中で、おおさか維新の会の馬場幹事長は「誹謗中傷というような発言を繰り返しまして、きょうはそのことについて謝罪にお邪魔した」と公式に謝罪、民進党の枝野幸男幹事長は「単なる批判とか意見の違いを超えている」「国会の権威に関わる。二度とないようにしてもらいたい」と発言した。
5月15日、足立は東京都内で「関西ではアホは敬称だ。関西で最も尊敬されている方の一人に『アホの坂田』さんがいる。だからアホは敬称だ」と釈明した。
4月8日付「J-CASTニュース」は、〈「本題」の政策に関する質問はほとんど行わず、持ち時間の大半を民進党と共産党の批判に費やすという有様だ。この人物、過去の夕刊紙の取材では自らを「ヤジ帝王」だと表現するほどの人物で、まったく批判を意に介していない様子だ。〉と足立康史評を紹介している。
2016年4月7日総務委員会。「国会会議録検索システム」には総務委員会の4月分として4月5日と4月14日の質疑のみで4月7日の質疑はなぜか載っていない。
足立康史「だいたいね、廃止法案が対案だと言って胸張ってる民進党って、アホじゃないかと思いますね、ほんとに。あのね、アホです、アホ。あのね、あほはダメ?じゃあ、うそつきって言ったらいいんですか?うそつき、うそつき、うそを塗り固めた」
足立康史「こんな政党は本当にね、もう、国会の、もう本当に何と言うのかな...、もう、本当に日本の国会の恥ですよね、恥。嘘つき、アホ、バカ、もう、どうしようもない政党です。
民主党と共産党が言っていることを認めたら、日本の国会はムチャクチャになりますよ、日本の国もムチャクチャになりますよ。実際にあの民主党政権の3年間で福島も沖縄もムチャクチャになったでしょう?それを私は皆さんに分かるように言ってるんです。それだけですよ」――
如何なる政党も支持者の存在無くして成り立たない。それなりの支持者を得なければ、国会という場で国民の負託に応えることはできない。2014年総選挙の小選挙区で自民党約2500万票に対して当時の民主党は約1200万票獲得している。
その差は大きくても、約1200万人の国民が民主党の後ろに控えていると見なければならない。その政策や政治家としての発言を批判したり非難したりするのは自由だが、政党そのものをアホ呼ばわりするのは、その政党を支持している国民をもアホ呼ばわりすることに変わりはない。
アホを支持するアホと言うわけである。
安保関連法廃止法案提出の民主党がアホだと言うなら、廃止法案支持の国民をもアホ呼ばわりしたことになる。
そのような資格が足立康史にあるだろうか。
実際に京都大学工学部卒、京都大学大学院工学研究科修士課程終了、コロンビア大学大学院修士課程終了の学歴を得ていたとしても、それが役に立っていなければ、学歴詐称の部類に入る。