安倍政権・自民党の和歌山県御坊市長選二階俊博長男応援は国政の私物化

2016-05-24 10:25:59 | 政治


 5月22日投開票の和歌山県御坊(ごぼう)市長選は現職で無所属の柏木征夫(いくお)(75)が自民党総務会長の二階俊博(77)長男で二階俊博の地元秘書だった二階俊樹(51)=無所属、自・公推薦=を破り、現役市長では全国最多の7選を果たした。

 投票率は前回58.25%に対して78.10%。それぞれの得票数は柏木9375票に対しして二階俊樹5886票。その差3489票。

 和歌山県御坊市は人口は約2万6千人(2010年)程度でありながら、自民党のドン二階俊博の出生地であり、住居と地元選挙事務所を構えていて、自身の衆議院小選挙区・和歌山3区を田辺市(人口約7万5千人)、新宮市(人口2万9千人)、有田郡、日高郡、西牟婁郡、東牟婁郡と共に形成する、その一つであり、いわば選挙の本拠地としている。

 そのお膝元の市長選であるが、柏木征夫の御坊市長初当選は1992年6月11日で、県職員をしていた柏木征夫を二階俊博が担ぎ出して無投票で当選を果たした。

 対抗馬が現れなかったことが二階俊博の御坊市での影響力の一つを示しているはずだ。

 柏木征夫は以来二階俊博のバック宜しく今回の市長選前まで6選を果たしていた。現役市長では全国最多当選だそうだ。

 この市長選では柏木征夫は立候補せず、引退を考えていたそうだが、二階俊博が自身の地元秘書を務めていた長男の二階俊樹を担ぎ出すことを画策、二階俊樹が2月18日に立候補の意向を表明すると、一転して引退の考えを翻し、出馬を決意したという。

 この決意は断るまでもなく、いわば市長にしてくれて、しかも6選24年間市長職を支えてくれた恩人に、柏木征夫からしたら市長職に対して生殺与奪の権を握っているとも言うことができる二階俊博に謀反の矢を放つに等しい裏切り行為となる。

 だが、敢えて裏切り行為となる出馬を選んだのは態度が横柄で地元の評判が芳しくない二階俊樹の市長は絶対反対だという強い思いからだとマスコミは伝えている。

 どの程度の横柄な性格なのか、ネットを調べてみると、かなり傲慢で、市の職員に暴言を吐いたり、横柄な態度を取ると出ている。

 このことが事実とすると、二階俊樹の性格は相当に性悪(しょうわる)と言うことになる。傲慢でいられるのは二階俊博の長男であり、秘書であったからだろう。20年も二階俊博の秘書を務めていて、二階俊博の何様を自ずと受け継いで自身も何様を装うようになった。虎の威を借りる狐タイプの人間に見えてくる。

 二階俊博は地元選挙区に二階バイパスとか、二階トンネルとか二階道路とか名づけられている公共建設等の利益誘導を行っている。自民党ドン二階俊博が持っているそのような地元への強い影響力を以てすれば大差で勝てるはずの長男の市長選で多選の批判と恩知らず、あるいは恩を仇で返すのかといった批判が出ないことはない、当選すれば7選目となる77歳の柏木征夫に対して26歳も若い51歳の二階俊樹が3489票もの差をつけられたことは、政治能力はまだ未知数だから、御坊市有権者の彼に対する性格評価の反映であり、そのこと以外に理由を考えることはできない。

 父親の二階俊博も長男二階俊樹の性格とその評判を知っていたのかもしれない。市長選に限って言えば、御坊市は人口は約2万6千人、有権者数約2万人(御坊市2010年高齢化率26.4%・少子化率13.0%のかなりの少子高齢化地域となっている)の小規模都市に過ぎないのだから、1983年12月の初当選以来、当選回数11回を誇る二階俊博の力を以ってすれば、柏木征夫の市長6選への貢献・その影響力によって既にその実力を証明しているのだから、有権者を二階俊樹で固めることができないことはないはずだが、5月15日告示前に 自民党政調会長の稲田朋美や公明党中央幹事会会長の漆原良夫らが応援に駆けつけていたとマスコミは伝えている。

 そして5月15日の告示後の出陣式には林幹雄経産相のほか公明党国会議員らが支援を呼びかけたという。

 さらに告示後には森山裕農林水産相、自民党農林部会長の小泉進次郎等々の国会議員が次々と御坊入りして、二階俊樹への支持を訴えたという。

 稲田朋美「(二階俊樹は)二階会長という素晴らしい指導者の下で多くを学ばれた。私の政治信条は伝統と創造。良いものを守るには変えないといけない。俊樹さんは御坊を変えようと立ち上がった。二階会長の血を受け継いだ俊樹さんに御坊を任せよう。大接戦を制することが今後、政治家として大きな力になる。最後の最後まであきらめない熱意、気持ちが大事だ」(紀州新聞/2016年5月14日)

 小規模自治体の市長選に過ぎないにも関わらず、しかもちょっと調べれば分かるはずの得票差が物語ることになる二階俊樹という立候補者の性格の悪さにも関わらず、自民党の大物国会議員の地元で、その長男が立候補している、「二階会長の血を受け継い」でいるからと自民党の大物国会議員や安倍政権の閣僚までが応援に駆けつけ、御坊市民に二階俊樹への支持を訴えた。

 安倍政権・自民党のたかが市長選でありながら、市長選を舞台に演じることとなった国政の私物化でなくで何であろうか。

 もしそうでないと言うなら、二階俊樹が当選することによって、あるいは当選しないことによってどのような国政への影響があるか、明らかにすべきである。

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