北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

京都紅葉最前線 京都御所秋の特別公開と高台寺夜間特別拝観

2008-11-16 15:08:35 | 写真

■見頃近づく京都の紅葉

 来週あたり、ひとつ鞍馬にでも足を運ぼうかと考えている今日この頃。京都市内の紅葉の様子が、いまどのくらい色づいているかということをお伝えしたい。

Img_8229  京都東寺。夕日が山野稜線の向こうに、いよいよ古都夕闇に包まれるなか、東寺、いまをもって京都有数の高層建築物である東寺五重塔が静かにライトアップされる。京都はもうひとつの時間を迎える。それは昼間の喧騒が静まり、ゆっくりと時間が移り行く夜、そして寺院の夜間特別拝観が始まる時間である。

Img_7722  京都高台寺。京都の中心部である四条河原町界隈から八坂神社に向かい、そして円山公園を抜けて足を運ぶ、京都市街を一望できる高台には、臨済宗建仁寺派の寺院、鷲峰山高台寺がある。建立されたのは1606年、豊臣秀吉の夫人、北政所ねねが、秀吉を弔う目的で造営された寺院である。

Img_7610  夜間特別拝観は12月7日まで行われる。木曜日から清水寺の夜間特別拝観が行われており、調べると様々な特別拝観が行われている。ライトアップされた寺院は、昼間の陽の向きにより逆光や写らなくていいものが写ってしまうことがあるが、夜になるとやや人の拝観も少なくなっており、そう言う心配もやや少なくなる。

Img_7661  開山堂から庭園の紅葉を望む。建仁寺より三江和尚を1624年に招き、開祖として寺の造営に努めた。特に徳川家康が政治的配慮から大きな財政的援助を行ったということで栄華を極めたという。しかし、木造の宿命というべきか高台寺は残念なことに1789年以降たびたび火災に見舞われ、今日に至っている。

Img_7620  書院から方丈へ、方丈から方丈庭園のライトアップを眺める。当時から残るものは開山堂と霊屋、傘亭、時雨亭、表門、観月台など。たびたび起こった火災の災厄を免れ、今日ではこれら建築物は国の重要文化財に指定されている。しかし、今日の高台寺は万全の火災対策を有しており、美しい庭園や伽藍は、これからは都市京都の一部として末永く残ることだろう。

Img_7670  開山堂から霊屋までを結ぶ臥龍廊が、月光に照らされている。斜面とともに反っている様子が面白い。開山堂は偃月池と臥龍池に囲まれたところにあり、周りは紅葉が美しい情景に囲まれている。偃月池には観月台が置かれており、照明が無い時代では、池に映る月とともに観月を楽しんだのであろう。

Img_7689  臥龍池に臥龍廊が写っている。開山堂も見えている。開山堂は、撮影禁止だ(開山堂から外を撮るのはいい、とのこと)。臥龍廊や観月台は立ち入ることができないため、臥龍廊が結ぶ霊屋を拝観するにはいったん、中門に戻らなければならない。そこから霊屋や傘亭、時雨亭へ、山に続く階段を上ってゆく。

Img_7711  竹林もライトアップされると、直線的であり、幹には葉が少ない竹が並ぶ竹林は、このように美しく見える。嵐山花灯路を思い出した。こうして、高台寺を拝観したのち、勅使門の隣を通り、外に出た。帰路は、八坂神社を拝観し、四条河原町に戻った次第。紅葉はそろそろ見頃を迎えつつある。

Img_8138  さてさて、この季節、たぶん、気のせいかもしれないかな、と思っているが航空自衛隊のCH-47が飛んでいる。紅葉をみていると昨年も飛んでいたようにも、訓練飛行なのだろうが、上空から俯瞰した紅葉の情景は、素晴らしいのだろうか、部屋から望む比叡山の紅葉は美しい、おそらくヘリからはもっと間近にみれるわけで、想像できないほどの情景が広がっているのだろう。

Img_7750  紅葉とともに行われているのが、京都御所秋の特別公開である。入場は無料で、内部が公開されるのこ、こういった特別公開以外では中にはいるまでの手続きが大変であるため、この時期には多くの人々が御所に参じる。もちろん、小生もその一人。手荷物検査を終えて中にはいる。

Img_7779  承明門の向こうに紫宸殿を望む。現在の京都御所は、平安京遷都の際の御所が度々生じた火災や戦乱で使用に適さなくなったため、1331年に里内裏として、この位置に移った。光厳天皇から明治天皇の時代まで、御所として機能した。ちなみに、幕末の動乱と戦乱で大半が焼けてしまい、今日の京都御所の建物は1855年に再建されたもの。

Img_7787  紫宸殿。即位礼など、重要な行事を行うための格式の高い建物で。天皇がお座りになる高御座、皇后がお座りになる御帳台が置かれている。この紫宸殿は、大正天皇の即位礼の際に造営されたもので、昭和天皇の即位礼にも使われた日本においてもっとも格式が高い建物のひとつだ。

Img_7807  清涼殿、小御所、御学問所などが並ぶ。格式が高い建物ということで、特に外国から来た観光客の人などは、撮っていいのですか、と宮内庁の人に恐縮して質問し続けてい一幕もあった。平安時代、天皇の日常生活の場として用いられていた建物である。現在の建物は、再建された際に平安時代のものよりもやや小さなものとなっているが、焼失前の様子をよく伝えている。

Img_7833  御常御殿。清涼殿は平安時代に日常生活の場所として用いられていたが、この御常御殿は室町時代以降、日常生活の場として用いられた場所で、内部は十五の部屋より成る。写真に大きく写っているのは御常御殿に続く御三間、ここで、特別公開されている部分は終了である。

Img_7852  京都御所の建礼門。外側からみたもので、その向こうに承明門、そして紫宸殿が見える構図となっている。京都御所、大宮御所、仙洞御所と京都迎賓館をあわせた広大な敷地が京都御苑となっており、御所や迎賓館は特別公開以外では見るのは非常に難しいものの、京都御苑そのものは京都の中心部、緑溢れる市民に憩いの場所として広く開かれている。

HARUNA

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