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岐阜基地航空祭2007(岐阜基地開庁50周年記念航空祭) (2)

2008-11-21 22:22:58 | 航空自衛隊 装備名鑑

■岐阜基地航空祭07

 地上展示機を撮影しつつエプロン地区を散策していると、轟音とともに次々と航空機が離陸、岐阜基地航空祭07はオープニングフライトの時間を迎えた、飛行展示の開始である。

Img_6889_1  岐阜基地航空祭2007、いよいよオープニングフライトとして次々と航空機が離陸していった。推力の大きなエンジンは機体を垂直に近い形で大空に舞い上がらせてゆく。離陸した機体は轟音を基地に残し、その姿は見えなくなる。離陸を終えて大きく旋回した機体は、可児市上空で編隊を組み、岐阜基地上空に向かってくる。

Img_6892_1  F-15J,F-2、F-4の編隊。航空自衛隊の要撃任務や支援戦闘を司る、象徴的な航空機三機種であるが、この三機種による編隊がみれる航空祭というだけでも貴重である。ただ、撮影したのは、エプロン地区であるので、逆光。機体は影が目立っており、空も蒼く写らないのが難点。

Img_6899_1  エプロン地区は地上展示機を撮影するために足を運ぶのだが、空が蒼く写るためには、飛行展示を順光で撮れる滑走路の南側に行かなければならない。まず、朝一で地上展示を撮影して移動、という予定で当方一行は行動。しかし、考え様によっては、正門から入場しオープニングフライトから滑走路南側で撮影、ほかの基地でも見ることができるブルーインパルス飛行展示の時間を利用して地上展示を撮影、という方法もあるのかもしれない。

Img_6908_1  オープニングフライトで見事な編隊飛行を展示した航空機は、そのまま編隊を解くと、機種ごとに機動飛行の展示を行う。如何なる状況にも対応できる各種機材を搭載した長大な機体を入手しうる最高の出力重量比をもつエンジンにより高度な機動性を付与した大空の猛禽、F-15Jが乱舞する。

Img_6921_1  F-4も負けてはいない。余裕のある大きな機体は、近代化改修により、今なお現役水準に留まる性能を備える。200機以上が調達されたF-15、その以前に日本の防空を担っていたのが約140機のF-4である。F-4EJを改修したF-4EJ改が支援戦闘機や要撃機として運用されているが、岐阜基地の飛行開発実験団には原型のF-4EJも配備運用されている。

Img_6927_1  F-2支援戦闘機。ホワイトを基調とした機体が試作機である。ところでお気づきだろうか、空が蒼く写っている、順光写真だ。これは、滑走路の反対側までざっと4kmの基地外周道路を僅か十五分で小生全力疾走・・・、したわけでは絶対なく、エプロン地区から基地の北側(つまり外)を飛行している機体を撮影したものだ。

Img_6930_1 F-4が機動飛行と模擬対地攻撃を行う。もともとF-4はヴェトナム戦争において対地攻撃にも活躍した航空機、しかし、ミグ戦闘機の迎撃を受ければ、そもそも艦隊防空を行う艦載機として設計された機体なので、即座に重い爆弾を放り出して、空対空ミサイルで逆襲に移ることができる、マルチロールファイターだ。

Img_6938_1  F-4EJとして航空自衛隊が導入した機体ではあるが、F-15の導入により余剰となったため、ASM-1対艦ミサイルを搭載して支援戦闘機に、そして要撃任務にも対応できる。F-15,F-2ともに安全確認のために飛行停止となった際には、F-4EJ改が日本の防空を一手に担ったことは記憶に新しい。

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 F-2支援戦闘機も機動飛行を実施。対艦ミサイル四発を搭載し、航空優勢の競合地域外にある基地から、日本に接近する洋上からの脅威に対処する支援戦闘機である。極めて高性能な航空機で、日米共同開発の機体ということで、日本独自の近代化改修を行えるなど、任務の柔軟性に対応できる機体なのだが、何故か生産中止になってしまった自衛隊のおしん。

Img_6956  T-2練習機の保存機。さてさて、いつまでもエプロンにいても、逆光写真しか撮れないということで、当方も滑走路の南側に向けて長駆徒歩にて移動を開始する。T-2は日本が初めて国産化が叶った超音速機。細身の機体はいろいろといわれるような欧州機のジュギュアよりも、航空自衛隊の運用していたF-104を思い起こさせる。

Img_6960  T-2練習機の保存展示機のとなりを、遥か滑走路の南側に向けて歩いてゆく。その昔、撮影ポイントを探して、岐阜基地一周(もちろん一般道なので15km)を徒歩で踏破した、それと比べれば滑走路南側は近いのだが、それでも撮影機材を担いで歩くにはやや距離がある。途中で休息を撮りたくなったりする次第。

Img_6956_1  上空をF-4がゆく。移動の道中、休息はとるが、写真も撮る。航空祭以外でも、離着陸を滑走路南側丘陵から撮影することができるが、着陸する機体を真下から見上げるだけなのに対して、航空祭では、普段なかなか見ることができない機体上部もみることができる。そしてF-4に続き、編隊が接近する気配。

Img_6959_1  T-7練習機を先頭にF-2支援戦闘機、F-15要撃機、という編隊が航過する。飛行開発実験団には初等練習機であるT-7練習機も配備されているのだが、初等練習機と戦闘機の編隊飛行というのは、これまた珍しい。岐阜基地ならではの飛行展示は多い、入間基地航空祭に次ぐ規模の入場者を集める岐阜航空祭、その背景には交通の利便性や立地以上に、この展示内容があるのだ。

Img_6961_1  編隊飛行に並ぶ三機種。T-7練習機と比べてF-2やF-15の機体の角度が気になる。これは、T-7が全力で飛行しているのに対して、F-2やF-15が機体を傾けて抵抗を増やし、出来るだけ速力を落として飛行しているため。それにしても、岐阜基地航空祭ならではの面白い取り合わせだ。

Img_6962_1  こうして、オープニングフライトの編隊飛行は終了した。機動飛行を交えながら、これから順次着陸してゆくことになるのだが、救難展示、そして多機種編隊飛行(異機種編隊飛行)へと航空祭は進んでゆく。そもそも、滑走路南側にはいつ着くのか、そこはどのような場所なのか、については次回以降お伝えしたい。お楽しみに。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
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