◆明野航空祭2008 速報
本日行われた陸上自衛隊航空学校(明野駐屯地)創設53周年記念行事。その模様を、速報というかたちで紹介したい。取り急ぎ作成した記事であるが、雰囲気の一片だけでもお伝えできれば幸い。
陸上自衛隊明野駐屯地には、航空学校明野本校、第5対戦車ヘリコプター隊、第10飛行隊などが駐屯する、陸上自衛隊航空部隊における有数の拠点であり、多数のヘリコプターが配置されている。明野駐屯地祭は、別名、明野航空祭と呼ばれる背景に、このヘリコプターによる観閲飛行や展示内容があるのだ。
部隊を巡閲する航空学校長鎌田陸将。本日、明野駐屯地祭に展開する道中、小雨が降り始めており、もしかしたらば雨天、という危惧もあったのだが、昨年と同じく式典が開始される頃には雨もやみ、午後からは晴れ間ののぞく、とまではいかないものの、空のあかるさが戻ってくる様子がみられた。
指揮官に対して部隊旗を掲げて応える、航空科を示す水色の部隊旗は、もちろん、空を模したものである。明野駐屯地、実任務にあたる第5対戦車ヘリコプター隊、第10飛行隊が駐屯するこの駐屯地には、明日のヘリコプターパイロットを目指し訓練にあたっている隊員も多い。式典には、各部隊から210名が参加した。
指揮官訓示、来賓祝辞、祝電披露に続き、観閲飛行の号令が掛った。号令と共に隊員が駆け寄り、電源車の支援と共にエンジンを始動、ローターが徐々に回転速度を増し、編隊指揮官の号令と共に次々と離陸してゆくヘリコプター。ヘリコプターは数が集まると、その迫力は何倍にも増す。
観閲飛行!、20機のヘリコプターが高度150㍍、編隊を組み、再び明野駐屯地上空に飛来、式典会場観閲台前を航過する。今年は、諸般の事情により、ヘリコプターの参加規模が三分の二に減少、大型の輸送ヘリコプターも参加しない、やや規模が小さいものになったものの、これだけのヘリコプターが編隊を組む様子は、なかなか見れないものだ。
純国産観測ヘリコプターOH-1の試作機。明野において各種試験や運用実験などに活躍するヘリコプターだ。観閲飛行に参加したヘリコプターの多くは、再び駐屯地滑走路上空を飛行し、観閲台前を飛行した。各ヘリコプターを紹介するアナウンスと実機の迫力を前に、会場からは拍手が沸き起こった。
明野レインボーによる飛行展示が、観閲飛行に続いて行われた。正面から六機編隊がこちらに向かって飛行してくると、さっと散開、展示飛行を実施。OH-1,AH-1S,OH-6Dなど各種のヘリコプターが機体の特色を最大限に活かし、ヘリコプターならではの軽快な運動性と素早い機動性を披露した。
AH-64D戦闘ヘリコプター。今年の明野駐屯地祭では、陸上部隊が参加する模擬戦形式の訓練展示は行われなかったが、その分、昨年とは異なり、AH-64D戦闘ヘリコプターが機動飛行を展示した。大柄な機体からは想像できないほどの操縦性を有する、陸上自衛隊航空科の虎の子装備だ。
AH-64Dアパッチロングボウは、明野駐屯地祭の目玉的存在だ。二機のAH-64Dが、機動飛行に参加。加えて、二機のAH-64Dが地上展示として参加。また、ヘリコプター地上滑走の参加者待機を行う格納庫に、もう一機AH-64Dが入っており、少なくとも5機のAH-64Dが、今日、明野駐屯地に展開していたわけだ。
地上展示機として、陸上自衛隊の各種ヘリコプターと、固定翼機LR-1,そして米陸軍のUH-60A、さらに海上保安庁と三重県警のヘリコプターが並び、民間の軽飛行機やグライダーも展示されていた。格納庫内ではAH-1Sの武装整備展示も行われており、なかなか好評だったようだ。
CH-47J/JAによる地上滑走体験の模様。先着1000名が体験できるとあって、すぐに長蛇の列が出来上がった。地上滑走といっても、ヘリコプターで滑走路を走るだけで終わるのではなく、滑走路上を離陸し、飛行するので、興味深い体験となる。2機のCH-47が、地上滑走体験のために、明野に展開していた。
中部方面音楽隊による野外音楽演奏や喇叭演奏など、式典終了後も駐屯地では様々な催しが行われていた。規模が縮小されたとはいえ、今年行われるヘリコプターの行事としては最大規模であり、AH-64Dの機動飛行を中心として見どころが多かった。また、何よりも天候が回復したことが幸いであった。詳報は、後日、掲載予定。お楽しみに。
HARUNA
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