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岐阜基地航空祭2007(岐阜基地開庁50周年記念航空祭) (7)

2008-11-28 17:11:59 | 航空自衛隊 装備名鑑

■岐阜基地航空祭2007

 ブルーインパルスの飛行展示終了とともに、岐阜基地航空祭の全プログラムは終了。気づけば航空祭詳報も今回で最終回、第七回である。今回は、岐阜から所属基地に帰投する機体の写真を紹介したい。

Img_7744  浜松基地に帰投する浜松救難隊のV-107救難ヘリコプター。岐阜基地航空祭では、救難展示のヘリコプターとして活躍していたが、今年のヘリコプターはUH-60Jが実施した。陸上自衛隊の輸送ヘリコプター、海上自衛隊の掃海ヘリコプター、そして航空自衛隊の救難ヘリコプターとして、三自衛隊共通ヘリという傑作機であるが、2007年、老朽化により、陸海ではすでに過去の機体、航空自衛隊でも浜松救難隊、新潟救難隊に数機を残すのみとなっている。

Img_7745  機体は川崎重工にてライセンス生産されたもので、川重の工場のある岐阜へは里帰りのような印象もある。全備重量9.7㌧、航続距離は1000km。二つのローターを有するタンデムローター方式を採用しており、この結果、キャビンの容積は25名の人員もしくはジープなどを輸送可能という、かなり大きなものとなっている。

Img_7702  UH-60J救難ヘリコプターが帰投する。大型輸送機に搭載することを前提として低く設計された汎用ヘリコプター、実はこうみえて全備重量10㌧と、V-107よりもやや重い。航続距離や速度の面でV-107よりも若干性能が勝っており、航空自衛隊と海上自衛隊では救難ヘリ、陸上自衛隊では輸送ヘリとして採用、機体設計を流用、海上自衛隊ではSH-60JやSH-60Kとして主力哨戒ヘリコプターの任にもついている。

Img_7708  ヘリが帰るなら人も帰る。当然である。そろそろ夕日が見える時間、航空祭の余韻を残しつつ帰途につく招待客の皆さん。エプロン地区の端には招待客向けの座席区画が用意されている。地上展示機の撤収に伴い、入場者も続々帰り始めている頃合いだ。たぶん、名鉄各務原線やJR高山線の各駅も、すごい混雑となっているのだろう。

Img_7751  新南門、正門、北地区会場を結ぶ有料シャトルバス、これに乗れば北まで長い距離を歩かなくてもいいのだが、誘導路沿いを歩くと思わぬものも撮れるのでよしとしたい。拾万人以上が詰めかける航空祭ということもあり、写っているバスは本の一部なのに、かなりの数が並んでいる。後方に見える大きな建物は、いまだ初飛行に至らない国産次期輸送機C-X用に建てられた新格納庫だ。

Img_7724  対戦車ヘリコプターと観測ヘリコプター、多用途ヘリコプター三機による異機種編隊飛行、これぞ個人的に岐阜基地航空祭名物、陸上自衛隊ヘリコプター部隊である。ヘリコプターとは、異機種編隊が当然のような運用が行われる航空機、揃って明野駐屯地まで編隊を組んで飛行してゆく堂々の帰投だ。

Img_7727  ヘリコプターは、航空管制の中でもホバリングにて移動することができる。明野駐屯地にて平日、カメラを並べていると、ヘリコプターが模擬対戦車攻撃で編隊にて寄ってきてくれる(としか思えないような)事もあり、ヘリコプターファンには嬉しい、固定翼機では不可能な突発的飛行展示(?)を披露してくれるのだ。

Img_7730  OH-1観測ヘリコプター。岐阜の川重にて誕生した国産機は、機動性に優れた機体ということで有名だが、それを示すように帰投フライトの際に、宙返りを含め盛んに機動飛行を展示してくれることで知られる。プログラムには記載されていない飛行ではあるが、終了間際、岐阜基地航空祭の隠れた名物、と個人的に考えている次第。

Img_7713  三沢基地に帰投するE-2C早期警戒機。航空雑誌に写真が掲載されていたが、三沢基地では翼を折りたたんで掩体運用されている。今日は日曜日ということで羽を伸ばして地上展示に参加していたこの機体は、もともと艦載機、小回りの利くE-2Cは離陸とともに会場にて見送る来場者に翼をびゅんびゅん振って応えていた。

Img_7717  航空自衛隊名物(?)、公道では中中見かけることが無い見た目がレトロな旧式ボンネットトラック。陸上自衛隊のトラックは演習場と駐屯地を繰り返し走り回り、呼ばれれば九州北海道と長駆走り回るのに対して、航空自衛隊の一部トラックは、部品運搬などで基地内のみ運用しているものもあり、寿命が長いトラックもある。そのうちの一台がこのトラックだ。

Img_7032  撤収作業に携わるトラックや隊員とすれ違いながら、一行は基地から駅へ。岐阜基地航空祭2007は、米軍機の参加がなくエプロン地区も改修中ではあったものの、快晴に恵まれブルーインパルスも参加、加えて50周年ということもあり、F-15J改が初めて参加、多機種大編隊もC-1FTBが参加するなど、見どころの多い航空祭であった。

 最後になりましたが、当日、現地にてご一緒しました皆様、ありがとうございました。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
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