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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

入間基地航空祭 日本最大規模の来場者を誇るエアショー

2008-11-01 22:38:02 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆入間基地航空祭役に立たないお役立ち情報

 田母神俊雄航空幕僚長が、第二次大戦に関する政府解釈と異なるエッセイを発表したことで更迭、これについては、一国の航空戦力に責任を持つ立場として、もう少し思慮深い行動がとれなかったものか、と思う次第。更迭はやむなし、だろう。

Img_4402  閑話休題。十一月三日に行われる航空自衛隊入間基地航空祭。航空自衛隊が実施する行事の中では最大の入場者を誇る、つまり日本最大の航空祭が、入間基地航空祭なのだが、入間に行こう、という友人知人がいたので、入間基地航空祭の概要を2005年航空祭の写真を用いて紹介したい(ちなみに調べてみたら、2005年の入場者は20万もいなくて、15万とのこと)。

Img_4424  入間基地は、中部航空方面隊司令部、中部航空警戒管制団司令部が置かれているが、この司令部は飛行隊を有さないので、航空祭の主役は、航空支援集団の第2輸送航空隊第402飛行隊が運用するC-1輸送機の編隊飛行、航空保安管制群の飛行管理隊、航空救難団入間ヘリコプター空輸隊、そして、航空総隊司令部飛行隊の航空機であろう。

Img_4396 入間基地へは、西武池袋線の稲荷山公園駅が最も近い。写真の右側に“歓迎入間基地”と出され、入場者を迎えているが、左端の西武電車のすぐ隣が稲荷山公園駅である。20万の来場者、そのかなりの人数が、西武電車を利用するので、その分、航空祭の輸送需要に対応する体制をとっている。

Img_4428_2  会場の地上展示機区画。地上展示機の向こうに滑走路がみえる、という配置だ。このエプロン地区のほか、格納庫をはさんで模擬店区画が設けられており、実のところ、模擬店区画は人口密度が低い。飛行展示が格納庫越となるものの、エプロン地区の人口密度は、写真の通りであり、家族づれには、模擬店区画か、基地の外側からの観覧が無難かもしれない。

Img_4456_2  C-1輸送機は、編隊飛行、機動飛行とともに、空挺降下の展示を行う。数回に分けて降下するのだが、習志野駐屯地の第1空挺団に所属する隊員が行うこの展示、先ほど、ものすごい機動飛行を実施したC-1輸送機の中には、実は空挺隊員も乗っていたのか、と別の意味で驚かされる瞬間でもある。

Img_4474  航空総隊司令部飛行隊のU-4多用途機。5機が入間基地に配備されている。VIPの輸送にも活躍しており、先日、北京五輪の開会式へ、福田総理(当時)の輸送に運用されたのは記憶に新しい。総隊司令部飛行隊は、第2輸送航空隊に所属している。このほか、YS-11EA/EB、そして飛行点検隊のYS-11FCなども入間に配備されている。

Img_4480  C-1輸送機は、川崎重工を主契約企業として開発した国産ジェット輸送機で、短距離離着陸性能、機動性に優れた航空機である。機内の2.6㍍×2.5㍍×10.6㍍の格納庫に、人員60名/空挺隊員45名を収容でき、貨物の場合は8㌧搭載で1500km、6.5㌧を搭載した場合2200kmの航続距離を有する輸送機だ。その機動性の高さは、航空祭の機動飛行で垣間見ることができる。

Img_4528  UH-60J救難ヘリコプターとU-125が救難飛行展示を行う。考えてみると、入間基地には、航空救難団司令部がある事を思い出す。なお、入間基地には司令部があるのだが、救難隊は展開していないため、航空祭の救難展示は、百里救難隊のヘリコプターと航空機が実施した。

Img_4536  航空総隊司令部飛行隊のT-4練習機。司令部飛行隊という響きがいい。4機が展示飛行に参加し、ダイヤモンド編隊や2×2編隊、そして機動飛行を展示、輸送機とは違う機動性を展示した。ところで、難航しているF-22導入、戦術研究という名目で、近く府中基地から横田に移る航空総隊司令部とともに、一個飛行隊を機密保持に適した横田に配置し、対ステルス機戦闘の教導につかう、というのはどうかな。

Img_4576  入間ヘリコプター空輸隊のCH-47による空輸展示。放水展示はほかの航空祭でも行われるが、トラックの空輸、という飛行展示は空自では珍しいのではないだろうか。それにしても、このトラック、よくみてみると、かなり傷んでいるのが判る。これは訓練教材のトラック、ということなのだろうか。

Img_4582  続いて、機動飛行を展示。大型の機体が想像以上の機動性を展示している。実は、この日出遅れて、撮影することができなかったのだが、オープニングフライトでは、飛行点検隊のYS-11FCやU-125が展示飛行を行った、とのこと。入間基地航空祭ならでは、という飛行展示は少なからずあるのだ。

Img_4594  この日は、海上自衛隊機や、米軍機の地上展示が無かったにもかかわらず、既に基地エプロン地区の人口密度はご覧のとおり。お手洗いにいくにもレジャーシートが行く手を阻む。また、お手洗いは長蛇の列。このほかにも、C-1輸送機の機内見学にも数百㍍の行列が出来上がっていた。

Img_4672  午後、ブルーインパルスの飛行展示が行われる頃には、模擬店区画にいた来場者の人も、展示飛行がよく見えるエプロン地区に移動する、この瞬間、入間基地航空祭の熱気は最高潮に高まるのだ。その分、撮影も難しくなる、ロールオンテイクオフをおこない、基地上空に編隊で戻った瞬間を撮影。

Img_4717  望遠レンズで撮影を続けていたが、広角レンズに切り替えて、スモークとともに展示飛行を行うブルーインパルスと、大観衆を一枚の写真にいれてみた。角度なんかは画像補正で対処。首都圏の航空祭、しかもブルーインパルスが参加するということで、来場者は下総や木更津の十倍、こういう人口密度になる次第。

Img_4727  ブルーインパルスの飛行展示が終了し、着陸が始まると、来場者は一斉に西武稲荷山公園駅に向かって動き出す。奥の方を見ると、着陸、もしくは帰投フライトに向かう外来機の姿も。初詣の明治神宮や伏見稲荷大社と比べても凄い人の流れだ。これをみると、入間基地航空祭が、人間基地航空祭、という風に見えるのも頷ける次第。

Img_4753  とりあえず、同時に同じ駅から乗車しようとすると、混雑がすごいことになるので、友人と保存展示機のところで一休み。司令部の置かれる入間基地は、飛行展示の見えるところ以外にも見所が多い。一休みしたのち、西武池袋線の稲荷山公園駅よりも一駅西武秩父寄り、入間市駅まで徒歩で移動、座れる状態の電車に乗車し、帰路に就いた次第。

 以上が入間基地航空祭の概要。足を運ぶ方の参考の片隅に読んでもらえれば幸い。

HARUNA

(本ブログに掲載した本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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