北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

日本海上自衛隊のパワープロジェクション能力は再考の時期を迎えるか?

2008-11-18 23:44:00 | 国際・政治

■20日にも衆院で再議決?

 新テロ対策特別措置法改正案は、与野党の対立で野党が過半数を占めている参議院の通過は望めず、与党が過半数を有する衆院にて来週にも再議決し可決するとみられている。ということで本日もコネタ。

Img_4097  少なくとも、自民党政権下では、インド洋における海上阻止行動給油支援は維持される見込みであり、将来的に政権交代が実現したとしても対米外交の指針に抜本的な変化がなければ、アフガニスタンを含め、中央アジアやインド洋アラビア海といった、冷戦時代には想定していなかった地域での海上自衛隊の任務は続きそうだ。

Img_9782  しかしながら、海上自衛隊のパワープロジェクション能力(戦力投射能力)は、ここまで広範な地域での任務を想定して整備されたとは言いがたく、補給艦の保有数や、給油支援以外の任務、例えば国際平和維持活動や緊急人道支援任務などにおいて必要となるヘリコプターや人員の展開能力は充分とは言いがたい。

Img_0215  海上自衛隊は、より柔軟な任務遂行を念頭におき、今年度から護衛艦隊隷下の護衛隊群をヘリコプター護衛艦を中心とした護衛隊、イージス艦を中心とした護衛隊に分けているが、護衛隊規模での行動は、リムパックなどを例外として実施されず、補給支援などはその都度、任務部隊を編成して実施している次第。しかし、任務範囲の広域化と実任務増大に対応した人員交代体系や訓練体系はいまだ未整備なのが現状だ。

Img_0141  補給艦の増勢や艦隊編成の規模の拡大再編、場合によっては、現在整備中のヘリコプター搭載護衛艦を超える、パワープロジェクション任務に対応可能な、航空機整備能力や長期任務への対応能力、洋上拠点機能を有する大型艦の整備なども検討する時期にきているのでは、と考えた次第。

HARUNA

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