◆第4護衛隊、呉からソマリア沖へ!
防衛省によればソマリア沖アデン湾海賊対処任務へ呉基地の第四護衛隊、その護衛艦さみだれ、護衛艦いみぎり、が派遣されることとなりました。
(お知らせ)23. 6. 9 統合幕僚監部 派遣海賊対処行動水上部隊の交替についてソマリア沖・アデン湾における海賊対処のために派遣される水上部隊(第9次隊)の交替を下記のとおり予定していますので、お知らせいたします。記
1 派遣部隊名等 指揮官:第4護衛隊司令 護衛艦「さみだれ」及び護衛艦「うみぎり」
2 出港予定 時 期:平成23年6月20日(月)呉基地 3 指揮官等(年齢については、出港当日現在)第4護衛隊司令 1等海佐 大判 英之(おおばん ひでゆき)47歳 司令部 約30名
護衛艦「さみだれ」艦長 2等海佐 内藤 裕之(ないとう ひろゆき)50歳 乗 員 約180名
護衛艦「うみぎり」艦長 2等海佐 佐藤 正博(さとう まさひろ)40歳 乗 員 約190名
4 隊員数 約400名 その他、海上保安官8名が同乗 http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110609_3.pdf
第四護衛隊いえば、最新鋭護衛艦いせ、の所属する護衛隊でして、ヘリコプター搭載護衛艦いせ、ミサイル護衛艦はたかぜ、護衛艦さみだれ、護衛艦うみぎり、により編成されている護衛隊です。このなかでヘリコプター搭載護衛艦とミサイル護衛艦以外の二隻が海賊対処任務に派遣される訳です。
先日呉基地を見学した際に護衛艦さみだれ、が一般公開されており、その隣には護衛艦うみぎり、が停泊していました。艦橋には防弾板が装着されていて、海賊対処任務に際して不意の銃撃への備えが行われているとともに、複合ボートが搭載されており海賊への検挙準備が行われ、同時に機関銃座が増設、準備が行われていた訳ですね。海賊対処任務は激務です。先日も派遣部隊指揮官が急病により急遽交代したほど、何とか無理のないように頑張ってほしいと考える次第。
それにしても今回でソマリア沖海賊対処任務派遣部隊は第九次派遣、長く継続されていますね。海上自衛隊では北方での脅威再現との状況、南西諸島周辺での脅威増大という状況、加えて日本本土への弾道ミサイル脅威の出現という状況があり、ここに海賊対処任務が重ねられている一方で、海上自衛隊の部隊規模は削減が続けられ、防衛大綱での護衛艦定数は1隻増大されたものの、艦艇新造の予算は付かない、という状況が続いています。
無理のないように、と記載したのですが政治が無理強いを行っているという状況。海上交通路の自由維持というのは国際公共財なのですし、日本はその恩恵に依存し、且つ日本の国力から考え防衛への支出というものは決して諸外国に比べ熱心ではありません。このあたり、考える必要はもっとあるのだろう、とも思うのですが、負担と危険からは逃避することが美徳のようになっている現状では、それも難しいのでしょうか。ただ、それでは世界からの信頼は得られないと思うだけではなく、最後の時に難を被るのはこちら側になるとも思うのですが。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)