北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

アデン湾ソマリア沖海賊対処任務第十一次派遣水上部隊編成 第1護衛隊むらさめ・はるさめ

2012-01-12 22:52:27 | 防衛・安全保障

◆出国行事は1月21日横須賀基地

防衛省によれば海賊対処派遣部隊第十一次派遣部隊の派遣が決定したとのことです。

Img_1359 ソマリア沖海賊対処任務は世界の海上交易の事由を維持するという観点から開始され海上自衛隊も常時二隻の護衛艦を派遣していますが、同じく水上戦闘艦部隊と航空部隊を派遣している欧州諸国は経済危機の影響から派遣部隊を縮小する計画を立てており、ますます海上自衛隊への期待は高まるというところ。

Img_1315 今回派遣されるのは横須賀基地の第1護衛隊群より第1護衛隊に所属する護衛艦むらさめ、護衛艦はるさめ。派遣部隊は1月21日に出国式を執り行い、その後に横須賀基地を遙かアフリカ沖アデン湾へ向けて出港、現地で第十次派遣部隊から任務を引き継ぐとのことです。

Img_1401 指揮官は第1護衛隊司令山本克也1佐、以下司令部要員30名、護衛艦むらさめ艦長松野征治2佐以下乗員170名、護衛艦はるさめ艦長佐藤誠2佐以下上院180名、隊員380名のほか海上保安官8名が乗艦し任務にあたるとのことです。むらさめ型は乗員165名が定数でしたから、人員は完全以上に充足しているもよう。

Img_6683 ソマリア沖海賊対処任務派遣第十次派遣水上部隊は、同じく横須賀基地より派遣されている護衛艦たかなみ、護衛艦おおなみ。派遣部隊は現地で交代しますから、アデン湾にきせずして四隻の横須賀母港の護衛艦が集まるということに、これは同時に横須賀から一時的に四隻を派遣していることにもなるのですが。

Img_7415 海賊対処任務、たかが二隻の派遣とは考えないでください、海上自衛隊の護衛艦は現在定数48隻、しかし訓練と定期整備で稼働率が左右され高練度即応艦は概ね三割から四割ですから対応できるのは16隻、常時二隻を派遣するということは交代の期間には四隻が日本を離れるということ。

Img_7462 四隻が離れる期間といっても、派遣先がアフリカ沖ですので、展開までの期間は一定期間を要することになり、その分だけ負担が大きいのですが、海上自衛隊には欧州海軍と違い南西諸島の警戒監視任務と北方監視任務が残っております。これが重要で、少し気を抜けばすぐに潜水艦が日本の領海によって来るのですから余裕はありません。

Img_7540 写真は呉基地へ第九次派遣水上部隊の帰国へ向かう様子。炎天下での任務、寄港できる港湾も限られているので任務は激務です。こうしたなか欧州の派遣規模縮小と経団連からの派遣規模拡充の提言、日本周辺の脅威増大とこれにともなう警戒監視任務の重要性。どれもこれも難題ですが、確かなのは任務の多様化と広域化に対して護衛艦が不足している、というところでしょうか。

北大路機関:はるな

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コメント (6)
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