◆国産最新鋭戦車の量産車納入
時事通信などの報道によれば10式戦車の量産型の配備が開始されたとのことです。
本日1月10日、静岡県小山町陸上自衛隊駐屯地において量産一号車の納車式が行われ部隊マークの入魂式が行われた、とのことです。小山町の陸上自衛隊駐屯地といいますと富士駐屯地の富士教導団でしょうか、第一機甲教育隊が駐屯するのは駒門駐屯地、こちらは静岡県御殿場市ですから、富士駐屯地ということなのでしょうね。
富士教導弾への配備と同時期に第一機甲教育隊への配備が行われる、と考えていましたので、部隊マークの入魂式の実施が先に行われたのは、ある意味当然ではあるのですが駒門駐屯地への配備も間もなくなのだろうか、と考えたりします。なんとなれ自衛隊の最新鋭戦車、世界では西側初の40t台に重量を抑えた第三世代戦車です。
富士教導団戦車教導隊は、富士学校に所属し陸上自衛隊の機甲科部隊に関する新装備運用試験、そして戦術研究と幹部教育を司る機関で、おそらく戦車教導隊を構成する中隊の中でも74式戦車を以て編成されている中隊が10式戦車機関の編成に置き換わるのでしょう、新年度の富士学校祭には相応の数が出てくるやもしれません。他方でるよう三型は試作車両から改良された点もあるとのこと。
従来の90式戦車と比較した場合、防御力と機動力を増強させ、主砲の火力を強化したうえで更に軽量化し、日本本土での任務に備える、という設計要求はある種無理を押し付けたもの、と考えられたのですが、10式戦車は90式戦車よりも性能を向上させたうえでの軽量化に成功しています。こうしたうえで今までの一般公開では特に加速力と安定性が驚かされたものですが、量産車は試作車の問題点を反映しているとのことですから、どう強化されたか、興味は尽きません。
10式戦車が上記の難題を乗り越えることが出来た背景として、アクティヴサスペンションの採用による軽量車体での高威力火砲の搭載と、新型戦車砲に新型砲弾の開発、そして新型トランスミッションによる機動力確保や装甲素材の技術革新がこの難題を可能としました。
日本は戦後、61式戦車以来、74式戦車、90式戦車と戦車の世代が変わると共にこれに対応する国産戦車を開発してきましたが、90式戦車が属する第三世代戦車が防御力強化の飽くなき追求によりその重量は年々追加防御力により肥大化し、特に日本をはじめ地形に制限のある地域では運用に制限が加わるに至りました。特に山間部の道路では重量の大きな戦車では、どうしても不安が残ってしまうのでしょう。
こうして開発された新型戦車が、旧式化する74式戦車を置き換えることとなるのですが、限られた少数の部隊により国土を防衛するという陸上自衛隊の任務特性から戦車は是が非でも数を揃えなければなりません、この点で今後の進展を期待するところです。一方で四月の駒門駐屯地祭に第一機甲教育隊への配備が行われるか、というところにも関心が集まるのですが、ね。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)