■比較:航空自衛隊と中国空軍
前回までの掲載の通り、中国空軍の規模は航空自衛隊の規模よりも大きいことは確かです。
中国はフランカーシリーズで377機あり、対する我が航空自衛隊はF-15戦闘機200機なるほど優勢です、航空自衛隊は戦闘機を300機ようやく超える程度ですが、もともと中国空軍は数千機を有する空軍でしたので、近代化と共に質的向上と数的縮小が並行したとして、まだ十分な規模を有している事が分かるでしょう。
ただ、多数装備されたMiG-17戦闘機コピーのJ-5戦闘機は1992年に、MiG-19戦闘機をコピーしたJ-6戦闘機も2010年に全廃となっています、特にJ-6戦闘機は3000機が生産され一応超音速飛行が可能であったため中国空軍の数的大きさの象徴となっていましたが、こちらはSu-27などの配備とともに急速に姿をけし、除籍されました。
日本まで飛んでこれる脅威はどの程度なのか。仮に膨大な空軍力を以て対峙したとして、どの程度の航空機が展開し得るのかが脅威の実数です、そして我が国は島国であり海洋国家ですから、本土防空戦へは国境が隣接していない、海洋を以て隔てている、との強みが非常に大きい。
純粋に脅威対象となる航空機はフランカーシリーズの377機、生産が続くJ-10戦闘機が250機、です。航空自衛隊の倍以上の機数ですが、しかし航空自衛隊の作戦機の規模から考えますと、対処は特に大陸側が我が国だけにすべての戦闘機を投入する訳ではありませんので対処不能ではなく、現実的な範疇の脅威ではあります。
更に稼働率という面から双方の航空機の特性を見てみますとまた地穿った一面が垣間見えます、元々の設計はアメリカや欧州の戦闘機の基本理念が稼働率を最大限高めるものに対し、旧ソ連製航空機が最低稼動率を高めて第一線に投入可能な航空機数を維持するとの思想背景があり、中国機は後者のもの。
アメリカや欧州の戦闘機は最高稼動率が高いものの整備負担などを無視すれば最低稼動率が非常に低いものが多いのに対し、旧ソ連製航空機は最小稼働率が比較的高く、ある程度整備不良であっても離陸できるものの最高稼動率が低くなっています、中国は自国内に生産基盤を有し整備能力を高めていますが、稼働率には限界がある、という事を示しています。
従って、適切な防空体制を我が国が構築し、稼働率の維持と戦闘基盤の強化、基点となる飛行場の確保と何よりも航空作戦を継続的に展開する為の基地と補給基点の補給網を構築しておくならば、仮に大陸側からの大きな軍事的圧力が掛けられた場合にあっても、一定期間防空を継続する事は可能だ、といえるでしょう。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
前回までの掲載の通り、中国空軍の規模は航空自衛隊の規模よりも大きいことは確かです。
中国はフランカーシリーズで377機あり、対する我が航空自衛隊はF-15戦闘機200機なるほど優勢です、航空自衛隊は戦闘機を300機ようやく超える程度ですが、もともと中国空軍は数千機を有する空軍でしたので、近代化と共に質的向上と数的縮小が並行したとして、まだ十分な規模を有している事が分かるでしょう。
ただ、多数装備されたMiG-17戦闘機コピーのJ-5戦闘機は1992年に、MiG-19戦闘機をコピーしたJ-6戦闘機も2010年に全廃となっています、特にJ-6戦闘機は3000機が生産され一応超音速飛行が可能であったため中国空軍の数的大きさの象徴となっていましたが、こちらはSu-27などの配備とともに急速に姿をけし、除籍されました。
日本まで飛んでこれる脅威はどの程度なのか。仮に膨大な空軍力を以て対峙したとして、どの程度の航空機が展開し得るのかが脅威の実数です、そして我が国は島国であり海洋国家ですから、本土防空戦へは国境が隣接していない、海洋を以て隔てている、との強みが非常に大きい。
純粋に脅威対象となる航空機はフランカーシリーズの377機、生産が続くJ-10戦闘機が250機、です。航空自衛隊の倍以上の機数ですが、しかし航空自衛隊の作戦機の規模から考えますと、対処は特に大陸側が我が国だけにすべての戦闘機を投入する訳ではありませんので対処不能ではなく、現実的な範疇の脅威ではあります。
更に稼働率という面から双方の航空機の特性を見てみますとまた地穿った一面が垣間見えます、元々の設計はアメリカや欧州の戦闘機の基本理念が稼働率を最大限高めるものに対し、旧ソ連製航空機が最低稼動率を高めて第一線に投入可能な航空機数を維持するとの思想背景があり、中国機は後者のもの。
アメリカや欧州の戦闘機は最高稼動率が高いものの整備負担などを無視すれば最低稼動率が非常に低いものが多いのに対し、旧ソ連製航空機は最小稼働率が比較的高く、ある程度整備不良であっても離陸できるものの最高稼動率が低くなっています、中国は自国内に生産基盤を有し整備能力を高めていますが、稼働率には限界がある、という事を示しています。
従って、適切な防空体制を我が国が構築し、稼働率の維持と戦闘基盤の強化、基点となる飛行場の確保と何よりも航空作戦を継続的に展開する為の基地と補給基点の補給網を構築しておくならば、仮に大陸側からの大きな軍事的圧力が掛けられた場合にあっても、一定期間防空を継続する事は可能だ、といえるでしょう。
北大路機関:はるな くらま
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