■沖縄で米陸軍ヘリコプター墜落事故
本日1300時過ぎ、沖縄県沖縄本島沖にて米陸軍のUH-60/S-70系統ヘリコプターが海上にて墜落しました。この事故について、事実関係と推測を交え背景を見てみましょう。

報道では米陸軍所属のUH-60汎用ヘリコプターとされていますが、機体形状と塗装の特色から特殊作戦用のMH-60特殊戦ヘリコプターの可能性があります。機体は米事前配備船のワトソン級車両貨物輸送艦レッドクラウド艦上に横倒しになる形で墜落し、これにより17名が搭乗していた内7名の負傷者が出ました。

UH-60は我が国でも多用されており、陸上自衛隊がUH-60JA多用途ヘリコプターとして約40機を、海上自衛隊がSH-60J/K哨戒ヘリコプターとして140機を納入、救難ヘリコプターとしてUH-60JAを20機程度、航空自衛隊も救難ヘリコプターとしてUH-60Jを40機程度導入し運用中であるほか、改良型の開発が進んでいます。

UH-60の機体そのものは米陸軍の汎用ヘリコプターとしてや派生型が海軍の哨戒ヘリコプターや攻撃ヘリコプターとして、空軍の救難ヘリコプターや特殊作戦用として運用されるほか、原型機S-70が我が国以外に周辺国では台湾の中華民国軍と韓国軍、更に天安門事件以前に中国へも輸出され人民解放軍が高山部での汎用ヘリコプターとして少数を運用中です。

事故はうるま市浜比嘉島の東側5kmから10kmの海上で発生し、第一報が海上保安庁に寄せられたのはキャンプ瑞慶覧からです。UH-60は陸軍機で在日米軍ではキャンプ座間第78航空大隊へ5機程度が配備されていますが、在日米軍の機体ではありません。ただ、沖縄にはアメリカ陸軍第1特殊作戦群第1大隊が展開しており、その支援用として特殊作戦仕様のMH-60が展開する事があり、嘉手納基地等に展開しています。

ワトソン級車両貨物輸送艦レッドクラウド艦上にて事故が発生しましたので、事前配備船の点検飛行等をおこなっていたのかと当初は連想しました、事前配備船は揚陸艦とは異なる輸送船で、師団規模の部隊装備を紛争などが想定される地域に近い海上へ事前に数隻の輸送艦に配置し、有事の際に人員のみ輸送機により緊急展開させる事で師団規模の戦闘部隊を急速増派させるもの。

しかし、事前配備船には航空機や航空燃料が搭載されていますし、ワトソン級には停船中に発着可能な飛行甲板は設置されているものの、揚陸艦ではありませんので、整備区画などは元々配置されておらず、何よりも17名の人員が搭乗し飛行するという事は考えにくい事から、若干困惑しました。

この点について、続報に着艦訓練中に発生したもので、ヘリコプターには陸上自衛官も2名搭乗しており、負傷者7名のうち2名がこの陸上自衛官であったというものがありました。報道では、この2名の自衛官は中央即応集団の所属とのことで、中央即応集団隷下の特殊作戦群要員がアメリカ第1特殊作戦群第1大隊の要員と共同訓練を実施していた可能性が浮かびます。

MH-60は前方赤外線監視装置やGPSに気象レーダ装置と機体自衛装置等を搭載し、極限状態で運用される為、リスクの非常に高い状況での運用を想定し訓練します。こうした事情はありますが墜落した機体は尾部とローター部分が破断するなど大きな損傷を受けており、航空事故に対し発生した沖縄県は非常に神経質となっており、海上での事故とはいえ批判の声が予想されます。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
本日1300時過ぎ、沖縄県沖縄本島沖にて米陸軍のUH-60/S-70系統ヘリコプターが海上にて墜落しました。この事故について、事実関係と推測を交え背景を見てみましょう。

報道では米陸軍所属のUH-60汎用ヘリコプターとされていますが、機体形状と塗装の特色から特殊作戦用のMH-60特殊戦ヘリコプターの可能性があります。機体は米事前配備船のワトソン級車両貨物輸送艦レッドクラウド艦上に横倒しになる形で墜落し、これにより17名が搭乗していた内7名の負傷者が出ました。

UH-60は我が国でも多用されており、陸上自衛隊がUH-60JA多用途ヘリコプターとして約40機を、海上自衛隊がSH-60J/K哨戒ヘリコプターとして140機を納入、救難ヘリコプターとしてUH-60JAを20機程度、航空自衛隊も救難ヘリコプターとしてUH-60Jを40機程度導入し運用中であるほか、改良型の開発が進んでいます。

UH-60の機体そのものは米陸軍の汎用ヘリコプターとしてや派生型が海軍の哨戒ヘリコプターや攻撃ヘリコプターとして、空軍の救難ヘリコプターや特殊作戦用として運用されるほか、原型機S-70が我が国以外に周辺国では台湾の中華民国軍と韓国軍、更に天安門事件以前に中国へも輸出され人民解放軍が高山部での汎用ヘリコプターとして少数を運用中です。

事故はうるま市浜比嘉島の東側5kmから10kmの海上で発生し、第一報が海上保安庁に寄せられたのはキャンプ瑞慶覧からです。UH-60は陸軍機で在日米軍ではキャンプ座間第78航空大隊へ5機程度が配備されていますが、在日米軍の機体ではありません。ただ、沖縄にはアメリカ陸軍第1特殊作戦群第1大隊が展開しており、その支援用として特殊作戦仕様のMH-60が展開する事があり、嘉手納基地等に展開しています。

ワトソン級車両貨物輸送艦レッドクラウド艦上にて事故が発生しましたので、事前配備船の点検飛行等をおこなっていたのかと当初は連想しました、事前配備船は揚陸艦とは異なる輸送船で、師団規模の部隊装備を紛争などが想定される地域に近い海上へ事前に数隻の輸送艦に配置し、有事の際に人員のみ輸送機により緊急展開させる事で師団規模の戦闘部隊を急速増派させるもの。

しかし、事前配備船には航空機や航空燃料が搭載されていますし、ワトソン級には停船中に発着可能な飛行甲板は設置されているものの、揚陸艦ではありませんので、整備区画などは元々配置されておらず、何よりも17名の人員が搭乗し飛行するという事は考えにくい事から、若干困惑しました。

この点について、続報に着艦訓練中に発生したもので、ヘリコプターには陸上自衛官も2名搭乗しており、負傷者7名のうち2名がこの陸上自衛官であったというものがありました。報道では、この2名の自衛官は中央即応集団の所属とのことで、中央即応集団隷下の特殊作戦群要員がアメリカ第1特殊作戦群第1大隊の要員と共同訓練を実施していた可能性が浮かびます。

MH-60は前方赤外線監視装置やGPSに気象レーダ装置と機体自衛装置等を搭載し、極限状態で運用される為、リスクの非常に高い状況での運用を想定し訓練します。こうした事情はありますが墜落した機体は尾部とローター部分が破断するなど大きな損傷を受けており、航空事故に対し発生した沖縄県は非常に神経質となっており、海上での事故とはいえ批判の声が予想されます。
北大路機関:はるな くらま
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