■機械化部隊の普遍化と車両整備
今日では歩兵戦闘一つとっても高度に専門化している、従って相応の訓練が必要である、というものを紹介したのが前回まで。
夜間戦闘訓練が暗視装置の普及により夜間戦闘が実施されるために必要となり、通信機材の発展は市街地での戦域通信が可能となった為発生するためやはり訓練が必要に、対戦車火器の発達は歩兵任務へ対戦車戦闘を求めるようになり、戦闘防弾チョッキ等個人用装備は重くなる一方で結局体力が必要となる、それはこの背景です。
そして現代戦は情報連携を前提とした協同戦闘が基本となりますので、長い戦線に均一に大兵力を配置知多としても容易に地形上の弱点を突かれ、若しくは火力と打撃力の集中により防衛線の単線陣地を曳くことはできません、無論、相手の桁違いの大兵力を配置する対抗策は計算上成り立つのですが現実的ではありません。
これが意味するところは大なり小なりの機動力が歩兵部隊に対しても求められるようになり、車両機動や装甲機動と空中機動等がその選択肢に含まれます、そして必然的に各種車両が増大する、車両が増大した分、車両整備も求められるようになりましたが、これを整備し運用しなければならなくなります。
軍用車両は一般の普通乗用車よりも、基本的一般車通行禁止の地域を踏破するのですし、過酷な状況下で運用されるため、特に都市部での自家用車程自衛隊の車両の自隊整備は楽ではありません。一定以上は武器科、つまり専門の整備を担当する部隊が対応してくれるのですが、A整備とB整備、一定以下の整備は自分の部隊で行わなければならず、ハイテク化でも扱うのは人間、という部分を忘れるべきではないでしょう。
実際、タイヤ交換一つとっても自分では余り行わない方が多い我が国にあって、装甲車両の整備や膨大な車両の日常整備、これを僅かな徴兵期間で教育しなければならない徴兵制度を採っていては徴兵期間全体を教育機関に使っても足りず、第一線部隊への負担は大きくなり、それでも執銃訓練の時間さえ車両整備教育へとられてしまうでしょう。
徴兵制が我が国で施行されていました第二次世界大戦の時代までは、小銃を扱え、行軍し銃剣で戦うだけで第一線戦闘を担えました、基本的にはこの範疇で変わらないのですが、現代戦は、暗視装置と照準補助装置により夜間戦闘と市街地戦闘が加わり、通信の発展は指揮系統を複雑化、機械化の発展は旧陸軍で特殊技術であった車両操縦と整備が普遍的に求められ、対戦車火器の発展は積極的な対戦車戦闘も歩兵の任務に含めています。
夜間戦闘といっても、暗視装置を身に着け手さぐりで右往左往し遭遇した相手に発砲する、という前近代的な運用では格好の的となりまして、数km単位で相手の部隊動向を把握し、各個人が数百mで夜間戦闘を展開します、地形把握と指揮官の指揮に併せ行動する技量が無ければ、文字通りカモにされかねません。
市街地戦闘も、単純に市街地を一つ一つ建物を捜索する方式は、防御側からカモにされ、または死角が多く同士討ちなどで莫大な出血と損耗を強いられることとなりますので、数m以内でのと不期遭遇戦闘と数百mの躍進機動の連続を繰り返し、併せて死角と障害物が多い中で相互に火力支援を行い通信を確保出来る状況で判断し、行動がもとめられます。
銃さえ扱えれば第一線で戦い成果を上げられる、こんな発想は幻想にほかなりません。映画やアニメの様にトヨタのピックップトラックの荷台にロケット砲と機関銃を括り付け何十台単位で大群で相手に肉薄する、こんな方式では現代戦を戦うことが出来ず、専門知識に裏打ちされた戦闘要員の養成はそれなりに時間を要します。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
今日では歩兵戦闘一つとっても高度に専門化している、従って相応の訓練が必要である、というものを紹介したのが前回まで。
夜間戦闘訓練が暗視装置の普及により夜間戦闘が実施されるために必要となり、通信機材の発展は市街地での戦域通信が可能となった為発生するためやはり訓練が必要に、対戦車火器の発達は歩兵任務へ対戦車戦闘を求めるようになり、戦闘防弾チョッキ等個人用装備は重くなる一方で結局体力が必要となる、それはこの背景です。
そして現代戦は情報連携を前提とした協同戦闘が基本となりますので、長い戦線に均一に大兵力を配置知多としても容易に地形上の弱点を突かれ、若しくは火力と打撃力の集中により防衛線の単線陣地を曳くことはできません、無論、相手の桁違いの大兵力を配置する対抗策は計算上成り立つのですが現実的ではありません。
これが意味するところは大なり小なりの機動力が歩兵部隊に対しても求められるようになり、車両機動や装甲機動と空中機動等がその選択肢に含まれます、そして必然的に各種車両が増大する、車両が増大した分、車両整備も求められるようになりましたが、これを整備し運用しなければならなくなります。
軍用車両は一般の普通乗用車よりも、基本的一般車通行禁止の地域を踏破するのですし、過酷な状況下で運用されるため、特に都市部での自家用車程自衛隊の車両の自隊整備は楽ではありません。一定以上は武器科、つまり専門の整備を担当する部隊が対応してくれるのですが、A整備とB整備、一定以下の整備は自分の部隊で行わなければならず、ハイテク化でも扱うのは人間、という部分を忘れるべきではないでしょう。
実際、タイヤ交換一つとっても自分では余り行わない方が多い我が国にあって、装甲車両の整備や膨大な車両の日常整備、これを僅かな徴兵期間で教育しなければならない徴兵制度を採っていては徴兵期間全体を教育機関に使っても足りず、第一線部隊への負担は大きくなり、それでも執銃訓練の時間さえ車両整備教育へとられてしまうでしょう。
徴兵制が我が国で施行されていました第二次世界大戦の時代までは、小銃を扱え、行軍し銃剣で戦うだけで第一線戦闘を担えました、基本的にはこの範疇で変わらないのですが、現代戦は、暗視装置と照準補助装置により夜間戦闘と市街地戦闘が加わり、通信の発展は指揮系統を複雑化、機械化の発展は旧陸軍で特殊技術であった車両操縦と整備が普遍的に求められ、対戦車火器の発展は積極的な対戦車戦闘も歩兵の任務に含めています。
夜間戦闘といっても、暗視装置を身に着け手さぐりで右往左往し遭遇した相手に発砲する、という前近代的な運用では格好の的となりまして、数km単位で相手の部隊動向を把握し、各個人が数百mで夜間戦闘を展開します、地形把握と指揮官の指揮に併せ行動する技量が無ければ、文字通りカモにされかねません。
市街地戦闘も、単純に市街地を一つ一つ建物を捜索する方式は、防御側からカモにされ、または死角が多く同士討ちなどで莫大な出血と損耗を強いられることとなりますので、数m以内でのと不期遭遇戦闘と数百mの躍進機動の連続を繰り返し、併せて死角と障害物が多い中で相互に火力支援を行い通信を確保出来る状況で判断し、行動がもとめられます。
銃さえ扱えれば第一線で戦い成果を上げられる、こんな発想は幻想にほかなりません。映画やアニメの様にトヨタのピックップトラックの荷台にロケット砲と機関銃を括り付け何十台単位で大群で相手に肉薄する、こんな方式では現代戦を戦うことが出来ず、専門知識に裏打ちされた戦闘要員の養成はそれなりに時間を要します。
北大路機関:はるな くらま
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