北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G7X撮影速報】平成三〇年度富士総合火力演習,AAV7&16MCV射撃初展示(2018-08-26)

2018-08-27 20:03:42 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■平成最後の富士総合火力演習
 日曜日、東富士演習場畑岡は晴天後霧、こうした天候下で小野寺防衛大臣が視察する中、平成最後の富士総合火力演習が行われました。

 富士総合火力演習、行って参りました。沼津での日英揚陸訓練を調整していますと、ここに台風19号と台風20号の直撃をうけまして、しかし、実施するのか、行ってみなければと空振り覚悟で準備していますと、統幕から正式に中止の発表、となりました次第です。

 実はもったいないことに23日の予行にお誘いいただいていまして、凄く行きたかったのですが、お誘いいただいた後に日英揚陸訓練予定の発表、その後の二転三転で、調整いただきました件、ご迷惑をおかけしましてこの場を借りてお詫び申し上げたい、ごめんなさい。

 水陸機動力、自衛隊にとり喫緊の課題です。その昔、軍事研究誌の誌上に元将官が、水陸機動団だけでは不十分、3個水陸機動旅団を、と提唱されていましたが、当方はなにをいうのか、と考えました次第、何故なら自衛隊の師団旅団に離島を管区に持たない部隊はない。

 すべての師団と旅団に水陸両用連隊があってもいい。即応機動連隊と同様に水陸機動連隊を、もちろんAAV-7のような大げさな装備ではなく災害にも使えそうなBvS10全地形車両や空中機動に威力を発揮する高機動車と舟艇中隊、という水準で必要だ、と考えています。

 AAV-7水陸両用車、AAVなのだから両用強襲車というべきですが、本年の富士総合火力演習、このAAV-7が大胆にポスターへ描かれていまして、よくよくみますと、16式機動戦闘車とF-2戦闘機は描かれているものの陸上自衛隊の看板装備である戦車が描かれていない。

 富士学校主催の富士総合火力演習ですが、そのポスターに富士学校へはあ装備されていないAAV-7が大きく描かれていた点に本当に驚かされました、2002年に軽装甲機動車が投入されていた転換点と比較して久々の、そう16年ぶりの、大転換になるのではないか、と。

 水陸機動団、長崎県佐世保の相浦駐屯地に団本部をおき、本年創設されたばかりの部隊ですが、堂々登場しました。相浦駐屯地祭、行きたかったが行けなかった、という当方、水陸機動団の戦闘上陸大隊所属AAV-7が登場しました際には来て良かった、ちょっと跳んだ。

 平成最後の富士総合火力演習、シナリオ仕立ての後段演習は、島嶼防衛を主体に警戒監視にあたる即応機動連隊と奪還の第一歩を担う水陸機動団、という展開でした。即応機動連隊と水陸機動団の創設は文字通り今年の自衛隊改編を代表する一大転換といえましょう。

 16式機動戦闘車の射撃展示も、凄かった。16式機動戦闘車は戦車駆逐車であり、主力戦車と殴り合いをできる装備ではありません、しかし、高初速砲を採用していますので、直接照準火砲を装備する戦闘車両の中、例外的に主力戦車に対抗できる装備、と考えています。

 善通寺で初めて並んだ16式機動戦闘車を目の当たりにした際、これだけの数を揃える程、自衛隊は統合機動防衛力に本気か、驚かされました。あの日まで二個中隊を即応機動連隊が揃えたとは知りませんでしたから。能力の一端を見せられ、いや、叩きつけられた感じ。

 戦車教導隊は、改編で発展的に消滅します。機甲教導連隊が創設される訳です。第1機甲教育隊と戦車教導隊に偵察教導隊が統合し新編される。歴史ある部隊を溶かし連隊を創る、機動戦闘車転換成った戦車教導隊第四中隊は富士総合火力演習で有終の美を飾りました。

 もっとも、G7X撮影速報、かなしいかな、富士総合火力演習、のような極限状態での撮影となりますと、戦車射撃に砲迫火力と装甲車機動展開、コンデジでは手がでません。撮影速報は文字通り、点検射を紹介するだけとなってしまいましたが、今年は凄かったです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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