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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

富士総合火力演習2018 AAV-7水陸両用車16式機動戦闘車!国内最大公開実弾演習26日実施

2018-08-24 20:11:47 | 北大路機関 広報
■総火演2018-悪天候対策特集
 日曜日挙行の本年富士総合火力演習はAAV-7水陸両用車16式機動戦闘車が初参加する見込みです。でも雨降ったらどうするの?、という素朴な疑問を本日少し考えてみましょう。

 10式戦車の激しく蛇行しつつ高速で目標へ命中させるスラローム射撃の発砲焔、90式戦車の行進間小隊一斉射撃、AH-1S対戦車ヘリコプターから放たれるTOW,遥か遠くの標的を確実に打ち抜く89式装甲戦闘車の79式重MAT,次々と遠距離目標に吸い込まれ片端から砕く中距離多目的誘導弾、富士の遠景を一挙に白閃と爆風で覆う99式自走榴弾砲中隊、凄い。

 日曜日、富士総合火力演習が挙行されます。陸上自衛隊の普通科、特科、機甲科の各種装備の戦術研究と運用研究及び幹部教育を担う富士学校が主催し、現代戦闘の様相を総合火力展示により教育する自衛隊の重要な訓練であるとともに、国民へ広く公開された公開実弾演習です。年々抽選の入場券入手は至難となっていまして、行くならばしっかり見たい。

 富士山の宝永火口が青々と浮かび上がる八月富士の朝、待機と地面を衝く点検射撃の轟音と土煙巻き上げる機械化部隊に乱舞する航空機、この青空の何処に雨が降るというのだ。と、まあ、こういう快晴でも数時間で天候が急変する事は良くあるお話、我が国最大の公開実弾演習である富士総合火力演習、この富士総合火力演習では雨天準備が絶対必要です。

 富士総合火力演習、雨天時の対応、という事で2008年の雨天富士総合火力演習を紹介しました記事にアクセスが急上昇しました。実際問題として台風19号に台風20号という台風が連続で接近しました今週、富士総合火力演習の季節となりましたので悪天候への関心が高まっている事でしょう、が、記事は2008年話題を2013年に伝えたもの。改めて最新版を紹介しましょう。

 富士総合火力演習雨天時の傾向と対策、雨天中止はあるのか、悪天候は演習にどう影響するのか、準備するべき雨具はどんなものか、演習見学中の雨天の他に注意するものはあるのか、落雷は大丈夫か、などなど。勿論、快晴の可能性もあります、ですから雨具準備万端熱中症、とならないように飲料水や帽子等の準備も、怠らないようにしたいものですね。

 雨天中止はありません。勿論暴風警報発令という状況や土砂災害警戒情報が富士地区に発令された場合はこの限りではありませんが、基本、強い雨でなければ自衛隊は行事を行う。その昔に広報の方に問うてみたのは、強い雨とは何か。広報の方が笑って云うには、俺より強い、と。これは機転の利く方の冗談ですが、基本的に雨天でも富士総合火力演習は行われます、演習は、というところが重要だ。

 安全上の変更はある。富士総合火力演習ですが砲弾は実弾を用います、1mの鋼鉄を貫徹するような実弾、安全管理は極めて厳重で、悪天候の場合は幾つか変更があります。第一に視界不良ですと戦闘機や哨戒機は飛行できません、強風ですとヘリコプターへの影響はあり得る、そして霧が出ますと監的壕から標的が見えない場合射撃中止の号令がかかります。つまり演習が行われても全部撃つとは限らない、と。

 降るか?、降る前提で準備した方が良い。東富士演習場と雨天、実は天候が急変します、理由は簡単で富士の裾野ではなく東富士演習場は富士の中腹にあります、標高900m程度と高い為、山の天候は変わりやすい、という登山の鉄則をある程度留意する必要があります。ただ、登山と比べれば遭難する危険が無く、売店も多い為、雨具準備だけでかなり凌げます。そして登山用雨具がお勧めできる。

 傘は演習状況中使用禁止、でも準備する。自衛隊からも周知されている通り後ろの方が何も見えなくなりますので傘は使用できません、使用していますと案内係や警務隊員に注意されます、雨衣が必要となります。ただ、忘れてはならないのは、傘は必要という事、矛盾しているよう思われますが演習の時間よりもシャトルバス待ち時間の方が長く、早くて一時間、長ければ三時間を屋根のない富士の斜面の行列に並びます。当然、ここで傘が無ければ低体温症かその一歩手前となる。

 登山と違い身動き不能。富士総合火力演習中は動けません、人口密度も凄い。演習見学を個々人判断で中断してバス乗り場へ転進する事は出来ますが、基本座ったままです。すると利点がある、大きめのポリ袋を寝袋の様に両足を入れてしまえば状況中は濡れません、カメラバックもポリ袋に入れて包めば相当長時間の豪雨でも動かない事で濡れない。あとは座っていて地面と接する部分が濡れないように野外用座布団があるといい。

 雨宿りは御殿場駅まで不能。富士総合火力演習ではこの鉄則を覚えておくべきです。登山用雨具をお勧めできる理由の一つに登山と同じく雨宿りできません、救護所か売店テントが、と思われるかもしれませんが、救護所は救命措置を行う場所ですので雨宿りで十分二十分とはできません。スタンド席真下も一見雨宿り出来そうに見えますが、骨組だけですので雨宿りなんてことは、できません。

 カメラ用レインコートは必須。観るだけではなく撮影するのならば機能多寡は別として必須です。家電量販店や大型カメラ店で販売しています。無ければ簡易レインコートをカメラ用ももう一つ用意し、袖口部分にレンズを通して撮影するという選択肢もあります。防水布型は長時間使用しますと浸み込む為、嵩張りますがビニール製機材を用意しましょう、しっかり準備すれば私も大丈夫でした。

 低体温症に注意。雨具と傘の準備を見誤りますと東富士演習場では低体温症の危険があります、正常な思考能力が欠如し判断力が鈍り手足が痺れ危険な状況となります。演習状況中よりもシャトルバス待ち時間に数百mの行列が遅々として進まない中等は要注意で、健康被害もさる事ながら高価なカメラ等が判断力が落ちる中でカメラバックごと濡れていても気付かない事が本当にあり濡れて犠牲となりかねず、注意です。

 落雷は大丈夫。意外と知られていませんが対策は充分され安全です。山の天候で恐ろしい落雷は総合火力演習会場では避雷針が一定間隔で設置されています。避雷針頂点からの一定角度内では落雷被害を回避できますので、落雷が始まったからといってパニックに陥る必要はありません。また、想定以上の災害が迫った場合でも、緊急対処計画はあるという。

 準備品は以下の通り。演習状況は二時間ありその間に濡れないよう雨衣を準備する。バス行列と演習前待機時間は四時間ありその間に濡れないよう傘を準備する。大型ポリ袋を予備も含め10枚程度準備する。野外用座布団、カメラを護る為の専用防滴装備を準備する。豪雨飛沫が醸し出す迫力は凄味が利く、その写真を安全に撮る為には準備が必要なのです。

 現地で買えるもの。東富士演習場畑岡地区では富士総合火力演習に併せ模擬店が多数出店しますが、ここで雨具は買えます、傘も過去ありましたが基本はポンチョで自衛隊迷彩柄が五千円程度です、新品雨衣は防水加工が確実に利く。御殿場市内現地調達ですが市役所近くにキタムラ、ぐみ沢にケーズデンキ、新橋にノジマ、川島田にエディオンがあります。

 温泉で暖まりたい。濡れたら温まるしかない、御殿場市印野に御胎内温泉という東富士演習場に程近い温泉があります、大きな駐車場がありますが演習当日も午後早い時間には満車となりますので早めの行動が必要です。この他に御殿場駅から箱根方向へ1km向かいますとスーパー銭湯オアシス御殿場、401号線沿い5km御殿場市温泉会館、足柄SA内に足柄浪漫館あしがら湯、がある。

 富士総合火力演習で想定外の豪雨となった場合の準備はこうしたところでしょうか、演習を見ているときに雨衣で濡れないように、演習が終わった後の移動時間も長いので傘は要る、勿論着換えなども。最近はブーツ用レインカバー等登山用品店で便利なものも多く見つけますので、気付いたものは持っていくようすると後悔ありません。万端の準備をしましょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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