北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和五年度二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2024.02.10-2024.02.11)

2024-02-09 20:23:41 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 体調を又崩してしまいましたが皆様も季節の変わり目にはご自愛ください。

 今週末の自衛隊関連行事は執り行われません。やはり年度末ということもあるのですが、もともとこの降雪期には行事を行いにくい点とともに、部隊行事をこの時期に設定しますと、年度末改編準備などと重なった際に行事が執り行えなくなる、という問題がありますので例年この季節には自衛隊関連行事が設定されていないという事情はあります。

 年度末、といいますと部隊改編と装備用途廃止という節目の季節となりますが、一方で、自衛隊行事がないからこそ撮影しておくこうした装備品の節目を記録する貴重な季節と言えるのかもしれません。例えば輸送機部隊に配備されているC-1輸送機などは、少し前には全国の基地を日常的に飛行していたものですが、現役でいるのはもうあとわずか。

 C-1輸送機、入間基地と美保基地に配備されていまして、このほかに先日定期整備を終えた岐阜基地のC-1FTBなどが運用されています。入間基地と美保基地のC-1,といいましても既に美保基地はC-2輸送機へ機種転換を完了していまして、入間基地に若干数が残るのみとなっています。ただ、昔は全国の基地でふつうにみることができました。

 基地と補給処を結ぶ業務輸送に、C-1輸送機は調布押されていまして、何よりC-1輸送機は戦闘機用のJ-79エンジンを二基同時に運ぶ能力を求められて設計されていましたから、空挺部隊の輸送など華々しい用途よりは、全国の基地に展開する戦闘機やレーダーサイトの運用を兵站面で支える事こそ本来任務であった訳です、故に全国を飛び回ります。

 小牧基地を撮影していますと、小牧は輸送機の基地でC-130H輸送機が配備されている基地なのですが、やはり業務輸送でC-1輸送機というものはよく飛来しました。岐阜基地には第二補給処がありますので、飛行開発実験団にも配備されているC-1輸送機とは別の輸送機が業務輸送のために時折展開していました、そう、日常風景だったのですね。

 C-2輸送機に機種転換していまして、パレット輸送等の様子を見てもC-2の方が遥かに大型の航空機ですから、ああ取り回しも楽そうだなあ、とその作業の様子を眺めていて思ったものですが、素晴らしい後輩に道を譲ることになるC-1とはいっても、見慣れた航空機が退役してもう見ることができなくなる、というのはどうしても一抹の寂しさが。

 入間基地航空祭は、本来ならば一月に予定されていたのですが、これも前に触れました通り、能登半島地震が発生し、被災地の中央部に位置する輪島分屯基地は入間基地の分屯基地であった関係から、災害派遣に専念するとしてC-1輸送機最後の晴れ舞台となるはずでありました入間基地航空祭は中止されてしまった、という仕方ないことがあった。

 こういう行事のない時だからこそ、とはいっても日曜日には飛行しませんので有休をやり取りする必要があるのですが、平日撮影というものを計画してみてもいいのかもしれません。もっとも、お上りさんといいますか、あまり慣れていない基地周辺でいきなり言って迷子になりませんように、いろいろと休日の内に研究しておくべきなのですけれど。

 もう少ししますと、例年年度末に行われています行事の一部が行われる季節となります。一応節分の翌日は立春なのですから暦の内はもう春を迎えているのですが、しかし例年二月には京都市でさえ雪が降ります。すると、行事がないことへの嘆息はさておき、いまならば撮れる情景、というものを真剣に考え、向き合ってみたいものなのですよね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・行事予定:特になし

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-ミサイルコルベットイワノヴェツ撃沈の分析と両翼包囲狭まるアウディイフカ市街地の概況

2024-02-09 07:00:39 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 複数のUSV無人艇が群狼戦術を行ったもよう。

 ウクライナ海軍によるミサイルコルベットイワノヴェツ撃沈についてイギリス国防省ウクライナ戦況報告は2月6日付版でその概要分析を発表しました。2月1日に行われたこの攻撃では、様々な角度から撮影されたオープンソース映像が存在するため、複数のUSV無人艇が群狼戦術を行い大爆発を誘発させ、撃沈に追い込んだとしています。

 イワノヴェツが撃沈されたのはクリミア半島西方海域といい、当初の分析で推測されたクリミア半島東方のアゾフ海ではないもよう。イワノヴェツはウクライナ占領支援のために哨戒任務中であったとされ、航空機や艦船とのデータリンク能力を持つイワノヴェツは、黒海でのロシア海軍の単艦構造への継続的な脆弱性を示したと分析しています。

 ロシア黒海艦隊はクリミア半島西部での行動を再編させることを余儀なくされる、とイギリス国防省は分析しつつも、ロシア海軍にはまだ黒海において長距離攻撃や哨戒任務と地上戦支援能力を維持していることもまた事実である、と冷静に分析しました。ともあれ、ウクライナの港湾に接するクリミア半島西方情勢は動いているのも事実だ。
■アウディイフカ市街地
 火力不足が響いている。こういう概況を見ると自衛隊の弾薬備蓄も100万発単位でさえ足りないような実情が見て取れるところです。

 アウディイフカ市街地に浸透したロシア軍をウクライナ軍が押し戻している、ISWアメリカ戦争研究所2月6日付ウクライナ戦況報告によれば、ロシア軍はアウディイフカ北部と南部の住宅地での攻撃を継続していますが、アウディイフカ北部ではわずかな前進が確認された一方、南部住宅街ではウクライナ軍が戦術的拠点を奪還したとのこと。

 ウクライナ軍アウディイフカ作戦管理局長ヴィタリーバラバシュ氏の発言をISWが引用したところによれば、アウディイフカ市街地でウクライナ軍はロシア軍の小規模な破壊工作グループと衝突した事は事実であるが、大規模な市街戦には至っていないとのこと。ロシア軍は大統領選までにアウディイフカを占領しようとしている可能性がある、と。

 アウディイフカ以外の戦況ではロシア軍はバフムト北西にあるヴェセレを占領、ドンバス地域ではこのほかにドネツク市の南西にあるノボミハイロフカ東地域で若干の前進をみたとのこと。アメリカ軍事援助中断によりウクライナ軍は毎日、昨年中期の8000発の砲撃から2000発まで減少、ウクライナ軍需産業だけでの補充の難しさが戦況に出ている。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする