■防衛フォーラム
自衛隊のアパッチ全廃路線の背景が全く分からない、専守防衛とはいいますが北京から四川省まで届くミサイルを導入する一方で戦闘ヘリコプターは紛争拡大阻止など様々な用途に使えるのに。

オランダ軍が進めるアパッチ能力向上改修の初号機二号機が帰国しました。オランダ軍は従来運用していたAH-64Dアパッチロングボウ戦闘ヘリコプターのAH-64Eアパッチガーディアンへの能力向上改修を実施しており、これらの改修はアメリカ本土において行っていました、これがこのほど、アメリカ空軍のC-17輸送機により完成機が帰国した。

AH-64Eアパッチガーディアンへの改修機最初の2機はオランダのユトレヒト空軍基地へ帰国、今回の改修はAH-64E-V6仕様とのこと。オランダ空軍は20機のアパッチガーディアン改修を計画委していまして、残りは18機が改修予定です。これらの機体も2025年までにオランダ空軍へ復帰し、2050年までアパッチの運用を継続する計画です。

オランダ陸軍は第11空中機動旅団と第43機械化歩兵旅団の2個旅団を基幹としており、第11空中機動旅団は81mm迫撃砲までの火力に限り、また第43機械化歩兵旅団は冷戦事例に1000両以上あった戦車を全廃、現在は周辺情勢を受け一個中隊のみ再装備する検討を行う段階で、戦闘ヘリコプターの打撃力は非常に重要な位置づけとなっています。
■AN/TPQ-50
無人航空機などにも有用な小型レーダーの開発が進んでいます。変な話即応機動連隊など独立運用する部隊にはこの種のレーダーが無ければどうにもならなくなるのではと思うのだ。

アラブ首長国連邦はアメリカ製AN/TPQ-50レーダーの輸出認可を受けました、取得費用はAN/TPQ-50レーダー18基と関連機材を合わせて8500万ドルとのこと。AN/TPQ-50レーダーは人力搬送可能という小型化した対迫レーダ装置であり、建物の屋上に持ち込め、ハンヴィーの車体にも搭載可能という自己完結型のレーダ装置となっています。

AN/TPQ-50レーダー、現代の対砲兵戦において敵の位置を標定するには対砲レーダ装置が不可欠ですが、現代に標準的となった射程40㎞の火砲を相手とするレーダ装置は大型であるため、隔靴掻痒がいなめません、そこでこのAN/TPQ-50レーダーは探知範囲を15㎞と大幅に抑えたうえで小型化したもので、迫撃砲や中口径ロケット弾を探知します。
■AS-9ハンツマン
日本の99式自走榴弾砲も費用面と性能では負けていないのですが防衛産業など下賤の仕事と云わんばかりに輸出を規制していた結果製造業で後れを取り始めているのだ。

オーストラリア陸軍はAS-9ハンツマン自走榴弾砲初の実射試験を実施しました。AS-9ハンツマンとは韓国のハンファディフェンス社製K-9自走榴弾砲のオーストラリア軍仕様のもので、この射撃試験は2023年11月21日、ポートウェイクフィールド射撃場において実施され、技術試験ではなく関係者への射撃展示という意味合いによるものです。

AS-9ハンツマン自走榴弾砲とともに弾薬車としてAS-10をオーストラリア軍は導入、このオーストラリアへの導入計画はLAND-8116として進められていたもので、ハンファディフェンス社のオーストラリア現地法人であるハンファディフェンスオーストラリア社と、イスラエルの防衛企業であるプラサン社がこの装備計画の事業者となっています。
■バジャー装輪装甲車
自衛隊も96式装輪装甲車の後継に810両を調達する装甲車ですが南アフリカの話を聞きましたのは随分前ですから、これ追加発注なのかと思いましたよ。

南アフリカ軍は大幅に遅延していたバジャー装輪装甲車の運用を開始しました。ブクホルム2023演習としてロハトラ南アフリカ軍訓練センターにおいて行われた展示演習に大幅に計画が遅れていた、フィンランドのパトリアAMV装輪装甲車の南アフリカ軍仕様であるバジャー装輪装甲車が初めて参加することとなり、機動力な砲塔操砲を展示しました。

パトリアAMV装甲車を見間にアフリカ軍が導入発表したのは2007年であり、実に16年前の決定です。そして2010年には試作車が完成し、その際に264両の調達も発表されていましたが、予算面の問題や南アフリカ国内の防衛産業の限界などから遅れに遅れ、2022年内の納入も実現せず2023年に入り漸く動く車両を展示できたという遅れでした。
■K-9PL
やはり爆発反応装甲は必要なのかなあ。

ポーランド陸軍は韓国製K-2戦車に自国製爆発反応装甲を装着しました。ポーランド軍はT-72戦車を原型としたポーランド独自生産型であるPT-91戦車にERAWA-ERA爆発反応装甲を採用していますが、これが今回ポーランド軍で採用したK-2戦車にも装着されたかたちです。ポーランド仕様のものはK-9PLといい、納入後に装着されたかたち。

K-9PL戦車へのERAWA-ERA爆発反応装甲装着は主として側面部分に集中しており、複合装甲の継ぎ目となる部分の防御力を強化した形です。この部位は戦車砲が側面から命中した場合には戦闘室内部へは貫徹しない位置ですが、真横から横腹を狙われた場合には戦闘室に貫徹する可能性があり、伏兵の対戦車火器攻撃を警戒しているのでしょう。
■メルサー自走迫撃砲
かなり凝った構造の無理矢理自動装填装置ですので自衛隊のものと方向性の違いにちょっと驚きました。

スイス国防省はメルサー16自走迫撃砲12両の追加調達を行うとのこと。メルサー自走迫撃砲は元々のスイス設計であったジェネラルダイナミクスモワク社製ピラニアⅣ装輪装甲車へスイスのRUAG-AG社製コブラ迫撃砲システムを搭載したもので、当初2016年の計画では4億0400万スイスフランにより32両が調達される計画で、追加発注となった。

メルサー自走迫撃砲の追加発注は12両で契約規模は1億フラン、2016年契約分の納入は2025年より開始され、今回追加された分の契約は2026年より納入開始とのこと。スイス軍は2009年までM-113装甲車を原型とした64/91型自走迫撃砲を運用していましたが、後継車両を待つことなく退役していて、深刻な火力ギャップが生じていました。

コブラ迫撃砲システムは120mm口径、システム基部の弾架に砲弾を並べるだけで補助動力装置が砲口部分まで砲弾を運び装填するという、前填式迫撃砲ながら砲手が露出せず装填が可能という自動装填装置を備えた自動迫撃砲で、射撃に際して照準はINTAFF射撃統制装置により正確に行われ、MRSI同時弾着射撃能力も付与されています。
■H-145M
自衛隊はAH-1Sの96機をOH-6Dの180機をそのまま廃止して純減としてしまいましたがBK-117を270機調達とか考えた方がいいのではないか。

ドイツ国防省はエアバスH-145M多用途ヘリコプター最大82機を調達するエアバスヘリコプターズ社との契約を結びました。契約では機体と共に兵装キットを取得、調達確定機が62機として正式契約しオプション契約として20機の追加調達を含めたもの。連邦軍では陸軍が57機を導入し、このほかに空軍特殊部隊所要として5機を配備する見通し。

H-145M多用途ヘリコプターは既にドイツ連邦軍では特殊部隊使用としてH-145M-LUHを運用中であり、またエアバスヘリコプターズ社によれば納入開始が2024年と契約から一年以内に連邦軍受領開始が可能である点も選定された理由としています。ドイツ連邦軍は併せてエアバスヘリコプターズ社製PAH-2ティーゲル戦闘ヘリコプターを退役させる。

H-Force兵装管理システム、連邦軍はH-145M多用途ヘリコプターへミニガンなどのほか、H-Force兵装管理システムを装備させ武装ヘリコプターとして用いる計画で、機関砲ポッドやロケット弾発射器とスパイク対戦車ミサイル運用能力が付与されます。H-145Mについて、ドイツのほか、アメリカ陸軍州兵がUH-72A/Bラコタヘリコプターを運用中です。
■MGCS計画参加
日本が戦車を輸出する場合は自衛隊所要の更新時期を耐用年数の半分以下とした上で中古車体を格安貸与する方式を模索した方がいいよう思う、イタリアの戦車国産計画はOF33の頃から何かあるのですよねえ。

イタリア陸軍はレオパルト2A8戦車取得とMGCS計画参加を決定しました。アリエテ主力戦車の深刻な稼働不足と陳腐化に悩まされているイタリア軍は打開案として予てより検討していたドイツ製主力戦車導入を決定、その内容が国防計画報告書2023-2025として発表されるとともに、正式にドイツのKNDS社と覚書に署名したとのことです。

レオパルト2A8戦車は、イタリア軍が緊迫化する国際情勢を背景に比較的短期間に確実に導入することができる数少ない選択肢であるとし、またこの戦車を導入するとともにイタリアのレオナルド社がレオパルト2A8戦車の改修部品や維持部品のライセンス生産などを協力するとし、またこの戦車を暫定戦車と位置づけ、将来戦車計画にも参加する。

MGCS計画はドイツとフランスが進める将来戦車計画で、一つの基本車両を念頭に主力戦車や偵察戦車と偵察車両や戦術ミサイル自走発射装置などの派生型を開発するというものです。レオパルト2A8戦車について最近、イタリアのほか一時戦車を全廃したオランダ軍が現在18両の戦車を再生していますが、新規に52両を調達する計画があります。
■チョンゴムミサイル
日本はこの分野の国産化はあまり遣らないのですよね。

韓国国防省はヘリコプター搭載のTAipersチョンゴムミサイル量産を決定しました。このミサイルは韓国のハンファディフェンス社が独自開発したもので発射前ロックオン方式の光ファイヴァー誘導方式を採用し空中発射の場合は200m毎秒の速度で飛翔、射程8㎞に達し、圧延均一鋼板装甲に対して1000mm相当の貫徹能力を有するとしています。

TAipersチョンゴムミサイルは、発射前ロックオン方式を採用したことで発射から命中まで40秒間という比較的長い時間を誘導し続ける必要があり、発射時には一定以上の高度を母機が飛行している必要があるのですが、発射ののちは原理上光ファイバーからの光学誘導を受けるため、母機は敵防空火器を警戒し低空に退避することは可能なのでしょう。

タンクスナイパーズの略称であるTAipersミサイルは、KAI韓国航空宇宙産業が開発を進めるLAH軽武装ヘリコプターや海兵隊用に開発が進んでいるMUH-1マリノン武装ヘリコプターの搭載装備として期待されています。またハンファディフェンス社ではTAipersの地上発射型を提案していて、自走対戦車ミサイルや哨戒艇搭載型などが見込まれます。
■HISAR-O7+
ミサイルは本邦でも時間がかかりました。

トルコ陸軍は新型のHISAR-O7+地対空ミサイルの配備を認可しました。トルコにおける地対空ミサイルといえば、過去にトルコがロシアよりS-400地対空ミサイルをNATO加盟国として初めて導入しようとした際、当時トルコも部分開発国として参加していたJSF統合打撃戦闘機計画へのS-400データリンク能力侵入が懸念されていましたが。

S-400地対空ミサイル採用により当時のアメリカトランプ政権はトルコをJSF計画から排除し、F-35戦闘機の取得が不可能となった上、この決定は現在のバイデン政権においても踏襲され今に至ります。しかしトルコには高価な欧州製ミサイルを調達することも出来ず、地対空ミサイルは重大な課題となっていた一方、国産開発も模索していました。

HISAR-O7+地対空ミサイルは2007年頃からアセルサン社とロケサン社が中心となり開発されていたもので、垂直発射方式を採用しており射程を角型に分けていて長射程型は100㎞から150㎞程度として開発していました。今回のHISAR-O7+地対空ミサイルは中射程型といい、今後トルコは長射程型の開発にも注力してゆくもようです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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自衛隊のアパッチ全廃路線の背景が全く分からない、専守防衛とはいいますが北京から四川省まで届くミサイルを導入する一方で戦闘ヘリコプターは紛争拡大阻止など様々な用途に使えるのに。

オランダ軍が進めるアパッチ能力向上改修の初号機二号機が帰国しました。オランダ軍は従来運用していたAH-64Dアパッチロングボウ戦闘ヘリコプターのAH-64Eアパッチガーディアンへの能力向上改修を実施しており、これらの改修はアメリカ本土において行っていました、これがこのほど、アメリカ空軍のC-17輸送機により完成機が帰国した。

AH-64Eアパッチガーディアンへの改修機最初の2機はオランダのユトレヒト空軍基地へ帰国、今回の改修はAH-64E-V6仕様とのこと。オランダ空軍は20機のアパッチガーディアン改修を計画委していまして、残りは18機が改修予定です。これらの機体も2025年までにオランダ空軍へ復帰し、2050年までアパッチの運用を継続する計画です。

オランダ陸軍は第11空中機動旅団と第43機械化歩兵旅団の2個旅団を基幹としており、第11空中機動旅団は81mm迫撃砲までの火力に限り、また第43機械化歩兵旅団は冷戦事例に1000両以上あった戦車を全廃、現在は周辺情勢を受け一個中隊のみ再装備する検討を行う段階で、戦闘ヘリコプターの打撃力は非常に重要な位置づけとなっています。
■AN/TPQ-50
無人航空機などにも有用な小型レーダーの開発が進んでいます。変な話即応機動連隊など独立運用する部隊にはこの種のレーダーが無ければどうにもならなくなるのではと思うのだ。

アラブ首長国連邦はアメリカ製AN/TPQ-50レーダーの輸出認可を受けました、取得費用はAN/TPQ-50レーダー18基と関連機材を合わせて8500万ドルとのこと。AN/TPQ-50レーダーは人力搬送可能という小型化した対迫レーダ装置であり、建物の屋上に持ち込め、ハンヴィーの車体にも搭載可能という自己完結型のレーダ装置となっています。

AN/TPQ-50レーダー、現代の対砲兵戦において敵の位置を標定するには対砲レーダ装置が不可欠ですが、現代に標準的となった射程40㎞の火砲を相手とするレーダ装置は大型であるため、隔靴掻痒がいなめません、そこでこのAN/TPQ-50レーダーは探知範囲を15㎞と大幅に抑えたうえで小型化したもので、迫撃砲や中口径ロケット弾を探知します。
■AS-9ハンツマン
日本の99式自走榴弾砲も費用面と性能では負けていないのですが防衛産業など下賤の仕事と云わんばかりに輸出を規制していた結果製造業で後れを取り始めているのだ。

オーストラリア陸軍はAS-9ハンツマン自走榴弾砲初の実射試験を実施しました。AS-9ハンツマンとは韓国のハンファディフェンス社製K-9自走榴弾砲のオーストラリア軍仕様のもので、この射撃試験は2023年11月21日、ポートウェイクフィールド射撃場において実施され、技術試験ではなく関係者への射撃展示という意味合いによるものです。

AS-9ハンツマン自走榴弾砲とともに弾薬車としてAS-10をオーストラリア軍は導入、このオーストラリアへの導入計画はLAND-8116として進められていたもので、ハンファディフェンス社のオーストラリア現地法人であるハンファディフェンスオーストラリア社と、イスラエルの防衛企業であるプラサン社がこの装備計画の事業者となっています。
■バジャー装輪装甲車
自衛隊も96式装輪装甲車の後継に810両を調達する装甲車ですが南アフリカの話を聞きましたのは随分前ですから、これ追加発注なのかと思いましたよ。

南アフリカ軍は大幅に遅延していたバジャー装輪装甲車の運用を開始しました。ブクホルム2023演習としてロハトラ南アフリカ軍訓練センターにおいて行われた展示演習に大幅に計画が遅れていた、フィンランドのパトリアAMV装輪装甲車の南アフリカ軍仕様であるバジャー装輪装甲車が初めて参加することとなり、機動力な砲塔操砲を展示しました。

パトリアAMV装甲車を見間にアフリカ軍が導入発表したのは2007年であり、実に16年前の決定です。そして2010年には試作車が完成し、その際に264両の調達も発表されていましたが、予算面の問題や南アフリカ国内の防衛産業の限界などから遅れに遅れ、2022年内の納入も実現せず2023年に入り漸く動く車両を展示できたという遅れでした。
■K-9PL
やはり爆発反応装甲は必要なのかなあ。

ポーランド陸軍は韓国製K-2戦車に自国製爆発反応装甲を装着しました。ポーランド軍はT-72戦車を原型としたポーランド独自生産型であるPT-91戦車にERAWA-ERA爆発反応装甲を採用していますが、これが今回ポーランド軍で採用したK-2戦車にも装着されたかたちです。ポーランド仕様のものはK-9PLといい、納入後に装着されたかたち。

K-9PL戦車へのERAWA-ERA爆発反応装甲装着は主として側面部分に集中しており、複合装甲の継ぎ目となる部分の防御力を強化した形です。この部位は戦車砲が側面から命中した場合には戦闘室内部へは貫徹しない位置ですが、真横から横腹を狙われた場合には戦闘室に貫徹する可能性があり、伏兵の対戦車火器攻撃を警戒しているのでしょう。
■メルサー自走迫撃砲
かなり凝った構造の無理矢理自動装填装置ですので自衛隊のものと方向性の違いにちょっと驚きました。

スイス国防省はメルサー16自走迫撃砲12両の追加調達を行うとのこと。メルサー自走迫撃砲は元々のスイス設計であったジェネラルダイナミクスモワク社製ピラニアⅣ装輪装甲車へスイスのRUAG-AG社製コブラ迫撃砲システムを搭載したもので、当初2016年の計画では4億0400万スイスフランにより32両が調達される計画で、追加発注となった。

メルサー自走迫撃砲の追加発注は12両で契約規模は1億フラン、2016年契約分の納入は2025年より開始され、今回追加された分の契約は2026年より納入開始とのこと。スイス軍は2009年までM-113装甲車を原型とした64/91型自走迫撃砲を運用していましたが、後継車両を待つことなく退役していて、深刻な火力ギャップが生じていました。

コブラ迫撃砲システムは120mm口径、システム基部の弾架に砲弾を並べるだけで補助動力装置が砲口部分まで砲弾を運び装填するという、前填式迫撃砲ながら砲手が露出せず装填が可能という自動装填装置を備えた自動迫撃砲で、射撃に際して照準はINTAFF射撃統制装置により正確に行われ、MRSI同時弾着射撃能力も付与されています。
■H-145M
自衛隊はAH-1Sの96機をOH-6Dの180機をそのまま廃止して純減としてしまいましたがBK-117を270機調達とか考えた方がいいのではないか。

ドイツ国防省はエアバスH-145M多用途ヘリコプター最大82機を調達するエアバスヘリコプターズ社との契約を結びました。契約では機体と共に兵装キットを取得、調達確定機が62機として正式契約しオプション契約として20機の追加調達を含めたもの。連邦軍では陸軍が57機を導入し、このほかに空軍特殊部隊所要として5機を配備する見通し。

H-145M多用途ヘリコプターは既にドイツ連邦軍では特殊部隊使用としてH-145M-LUHを運用中であり、またエアバスヘリコプターズ社によれば納入開始が2024年と契約から一年以内に連邦軍受領開始が可能である点も選定された理由としています。ドイツ連邦軍は併せてエアバスヘリコプターズ社製PAH-2ティーゲル戦闘ヘリコプターを退役させる。

H-Force兵装管理システム、連邦軍はH-145M多用途ヘリコプターへミニガンなどのほか、H-Force兵装管理システムを装備させ武装ヘリコプターとして用いる計画で、機関砲ポッドやロケット弾発射器とスパイク対戦車ミサイル運用能力が付与されます。H-145Mについて、ドイツのほか、アメリカ陸軍州兵がUH-72A/Bラコタヘリコプターを運用中です。
■MGCS計画参加
日本が戦車を輸出する場合は自衛隊所要の更新時期を耐用年数の半分以下とした上で中古車体を格安貸与する方式を模索した方がいいよう思う、イタリアの戦車国産計画はOF33の頃から何かあるのですよねえ。

イタリア陸軍はレオパルト2A8戦車取得とMGCS計画参加を決定しました。アリエテ主力戦車の深刻な稼働不足と陳腐化に悩まされているイタリア軍は打開案として予てより検討していたドイツ製主力戦車導入を決定、その内容が国防計画報告書2023-2025として発表されるとともに、正式にドイツのKNDS社と覚書に署名したとのことです。

レオパルト2A8戦車は、イタリア軍が緊迫化する国際情勢を背景に比較的短期間に確実に導入することができる数少ない選択肢であるとし、またこの戦車を導入するとともにイタリアのレオナルド社がレオパルト2A8戦車の改修部品や維持部品のライセンス生産などを協力するとし、またこの戦車を暫定戦車と位置づけ、将来戦車計画にも参加する。

MGCS計画はドイツとフランスが進める将来戦車計画で、一つの基本車両を念頭に主力戦車や偵察戦車と偵察車両や戦術ミサイル自走発射装置などの派生型を開発するというものです。レオパルト2A8戦車について最近、イタリアのほか一時戦車を全廃したオランダ軍が現在18両の戦車を再生していますが、新規に52両を調達する計画があります。
■チョンゴムミサイル
日本はこの分野の国産化はあまり遣らないのですよね。

韓国国防省はヘリコプター搭載のTAipersチョンゴムミサイル量産を決定しました。このミサイルは韓国のハンファディフェンス社が独自開発したもので発射前ロックオン方式の光ファイヴァー誘導方式を採用し空中発射の場合は200m毎秒の速度で飛翔、射程8㎞に達し、圧延均一鋼板装甲に対して1000mm相当の貫徹能力を有するとしています。

TAipersチョンゴムミサイルは、発射前ロックオン方式を採用したことで発射から命中まで40秒間という比較的長い時間を誘導し続ける必要があり、発射時には一定以上の高度を母機が飛行している必要があるのですが、発射ののちは原理上光ファイバーからの光学誘導を受けるため、母機は敵防空火器を警戒し低空に退避することは可能なのでしょう。

タンクスナイパーズの略称であるTAipersミサイルは、KAI韓国航空宇宙産業が開発を進めるLAH軽武装ヘリコプターや海兵隊用に開発が進んでいるMUH-1マリノン武装ヘリコプターの搭載装備として期待されています。またハンファディフェンス社ではTAipersの地上発射型を提案していて、自走対戦車ミサイルや哨戒艇搭載型などが見込まれます。
■HISAR-O7+
ミサイルは本邦でも時間がかかりました。

トルコ陸軍は新型のHISAR-O7+地対空ミサイルの配備を認可しました。トルコにおける地対空ミサイルといえば、過去にトルコがロシアよりS-400地対空ミサイルをNATO加盟国として初めて導入しようとした際、当時トルコも部分開発国として参加していたJSF統合打撃戦闘機計画へのS-400データリンク能力侵入が懸念されていましたが。

S-400地対空ミサイル採用により当時のアメリカトランプ政権はトルコをJSF計画から排除し、F-35戦闘機の取得が不可能となった上、この決定は現在のバイデン政権においても踏襲され今に至ります。しかしトルコには高価な欧州製ミサイルを調達することも出来ず、地対空ミサイルは重大な課題となっていた一方、国産開発も模索していました。

HISAR-O7+地対空ミサイルは2007年頃からアセルサン社とロケサン社が中心となり開発されていたもので、垂直発射方式を採用しており射程を角型に分けていて長射程型は100㎞から150㎞程度として開発していました。今回のHISAR-O7+地対空ミサイルは中射程型といい、今後トルコは長射程型の開発にも注力してゆくもようです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)