北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】第10師団創設61周年守山駐屯地祭【5】74式戦車自衛隊卒業へ(2022-09-05)

2024-02-18 20:22:13 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■戦車大隊最後の展示
 北部方面隊は戦車隊か戦車連隊だけですのでいよいよ年度末に自衛隊から"戦車大隊"というものはなくなるわけです。

 第10師団資料館を背景に96式装輪装甲車、第10戦車大隊の所属車輛である為に年度末改編で師団を去る装備です。後継には日本製鋼所がフィンランド製パトリアAMV装甲車を810両ライセンス生産する事となっていますが、一両当たりの製造費用は五倍以上になる。

 軽装甲機動車と96式装輪装甲車、2700万円と9600万円、性能にはいろいろ文句はあるのかもしれませんが安価に製造した小松製作所の功績は大きい。軽装甲機動車後継にはハーケイ軽装甲車かイーグルⅣ軽装甲車が選定中ですが、調達費用は二億前後と七倍以上だ。

 74式戦車、防衛費がGDP1%という長年のくびきを越えて岸田政権の国家防衛戦略画定と共に急にGDP2%となったのですが、個人的には74式戦車を10式戦車に置換え、狭いのは定員を減らし96式装輪装甲車を一定数普及させた方が良かったのではないかとおもう。

 装甲車部隊の充実とともに攻撃部隊が攻撃準備を整え近接戦闘は白兵戦の段階に進みます。パトリアAMV装甲車が810両も配備されるのであれば、第10師団にも廻ってくるのでしょうが、かなり高価な分、装甲は正面装甲が30mm機関砲弾に耐えるという、重装甲だ。

 96式装輪装甲車を戦車大隊本部から普通科部隊が間借りして、こうして訓練展示に当るのですが、今後師団にパトリアAMVが配備されますと、あの車両は全長7.7mでAAV-7両用戦闘車の8.16mにも迫るおおきさ、砲塔を備える可能性もあり行事の印象は一新しそう。

 AH-1S対戦車ヘリコプターの支援、第5対戦車ヘリコプター隊が明野からの飛来です。自衛隊は戦闘ヘリコプターと対戦車ヘリコプター全廃の方針を固めていますが、代替に無人機を充てるとは言うものの、近接戦闘部隊の在る限り、この種の装備の必要性は不変です。

 航空支援と我がほうの戦車部隊の活躍により、仮設敵の戦車は無力化した。こう思っているとやられた戦車が後送されて修理デモされたのか再度登場、撃破され後送され復活、というやり取りを幾度も挟む、今年は戦車最後の行事ということもあり戦車の活躍がつづく。

 仮設敵陣地に迫る普通科部隊と軽装甲機動車、ハーケイかイーグルⅣかという前述の話題ですが、どれも調達費用が三倍から五倍になり、自衛隊も金持ちになったものだとおもう。装甲車開発で揉めたのは分かるのですが、そんなに小松製作所と縁を切りたいのだろうか。

 74式戦車が支援できる位置に展開し、状況は終了となりました。島国である日本で戦車を使う状況はあるのか、という問いが有るのでしょうけれども、逆に、専守防衛の憲法を堅持したまま戦車を手放す防衛戦略ってなんなのだ、と戦車不要論には全く賛同できません。

 状況終了と装甲車たち。師団改編で96式装輪装甲車は去り軽装甲機動車だけが唯一の装甲車となりますが、政権が変りでもしない限りパトリアAMVの大量調達が始まるので、この様子は外国製装甲車と偵察戦闘車や16 式機動戦闘車の車列に代わる事となるでしょう。

 第10師団の改編は戦車大隊廃止と偵察戦闘大隊新編、特科連隊の方面特科連隊移管となるのですが、要するに師団は海上自衛隊の地方隊のように指揮系統だけが重要で有事の際には隷下部隊を増強し統合任務部隊司令官たる方面総監の直轄部隊となる事を意図している。

 師団改編、しかし必要に応じ戦車は北部方面隊から合流させ火砲は方面隊から戦闘加入させるという運用、これが悠長にできるならば最初から戦闘団編成を組んでいる即応機動連隊の全国での新編と矛盾する為、わたしは平時から戦車等を持つ現行編成が最適だと思う。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-岐阜・柳ケ瀬,名画座探訪の際に頂くステーキのお店

2024-02-18 18:11:37 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 旨いステーキというのはわたしの世代にとっていろいろ美味しいものが増えている中でも最高の御馳走だと思う。

 アメリカの疾病対策センターが遂に先週、COVID-19新型コロナウィルス感染症に関する感染者の五日間の行動制限措置について終了を発表しました。2024年2月、世界はエンデミックへと大きく動いているわけですが、いやアメリカ未だやっていたのか、と驚く。

 アメリカのエドワーズ空軍基地の日本版が岐阜基地、と言われるのですがその岐阜基地周辺、岐阜市中心部はファントム撮影を筆頭にいろいろと岐阜基地を散策する以上にいろいろと探訪しまして、なかでも名画座、昔ながらの商店街、いろいろと興味深い所が多い。

 ステーキハウスくいしんぼ。なにか、“できらぁっえ?同じ値段でステーキを?”という作品を思い出す、しかし、京都のあのピーピングトムよりもお手頃にステーキ、1ポンドステーキとかを出してくれるお店があります。安売りで有名な三ツ星カメラの本店のちかく。

 ハラミステーキを頂く。航空祭の帰路なんかは砂咸補充にがつんと1ポンドステーキをレアで湯気揚がる鉄板の真上にナイフを切り分けかき分けるように千切り分けてはふはふ熱さと厚さの最中を頬張って一日の疲れをステーキで無かった事にしたものでしたけれども。

 北海道ではサガリといって、冷戦時代には北海道内で大半を消費して演習の最中にバーベキューしたものでしたよ、と昔第2施設大隊に居た方からお話を聞きましたが、ハラミという名前ではこちらでもとおっている、ロースよりも独特の酸味が肉の旨味を際立たせ。

 アイスティーとともに、今回は糖質制限というわけではないけれどもライスレスのランチとしました。ライスレスの糖質制限、友人で見事成功した方がそんなにステーキイズムな生活でも大丈夫なのか、という食生活でしたので、ちょっと試してみたのですが、ねえ。

 ステーキハウスくいしんぼ。岐阜の街はCOVID-19の前と今とを比較すると結構な苦境にある印象です、シャッター街という風景はなにか舞鶴とかよりも昼間は深刻に思える、けれども、そんな中心部柳ケ瀬には名画座とかカメラ屋とか高島屋とかが、頑張っています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】近鉄80000系電車特急ひのとり,ビジネス特急に上品質なサービス

2024-02-18 07:00:20 | コラム
■特急ひのとり
 名古屋と大阪を結ぶ近鉄特急ひのとり。

 近鉄80000系電車特急ひのとり、2020年に運行開始となりまして要するにCOVID-19新型コロナウィルス感染症最初の年に鮮烈なデビューを飾った特急電車なのですが、これまでにない近鉄特急の、しかし革新的という意味では近鉄特急の伝統を受け継ぐ車両です。

 ひのとり、全面展望車を敢えて車両全体をハイデッカー構造ということで先頭車に展望を供するとともに、車内にはカフェスポットや多目的ベンチスペースとプレミアムシートに、サービスは角ではないが上品質なものを備えて、移動する際に選択肢、を高めているのだ。

 近鉄21000系電車、近鉄は1989年にアーバンライナーとしてこの車輛を名阪特急に投入していて、ひのとり導入はアーバンライナーの後継車両という位置づけとしたものですが、アーバンライナーそのものが、サービスを過度とせずビジネス特急に徹した設計でした。

 アーバンライナーは、近鉄特急が最も追いつめられたのが1975年といい、国鉄運賃が値上げ前の時点で名古屋から新幹線で新大阪まで1770円という時代があり、この頃に近鉄特急は1600円で所要時間は倍という時代を背景に無理な二階建てなどを排し設計されたという。

 近鉄1200系電車、近鉄は特急以外で名古屋から大阪まで移動しようとしますと接続がJRの東海道本線と比較して悪い部分が有るのですが、対して近鉄特急は、新幹線が運賃値上げとなりました一方で近鉄は割引制度などを充実させる事で旅客需要にこたえたかたち。

 急行については、しかし一編成の車両をクロスシートかLCカーの車両とロングシートの車両を連結するように努めて編成していまして、名古屋と大阪の移動はともかくとして、近郊都市間の移動はゆったり移動できるように配慮されているのも、おもしろいところです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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