■防衛フォーラム
今回は空軍関連の話題ですが全般的に思うのは何とかして日本はF-2戦闘機のラインを維持して派生型と改良型を造り続けていればなあという嘆息です。
トルコ空軍が希望するF-16block70戦闘機40機の導入交渉が山場を迎えつつあります。トルコはNATO加盟国であり、F-16戦闘機多数を運用していますが、トルコは併せて国内のクルド系武装勢力問題を抱えており、この件について長年、クルド系武装勢力の受け皿となっていたスウェーデンと政治的係争関係にありました、そしてこの問題は。
スウェーデンは2022年にロシアウクライナ戦争勃発を受け従来の重武装中立政策を修正しNATO加盟を希望した際、新加盟国全会一致原則に基づき協議に諮られましたが、トルコはこの問題からスウェーデンとは価値観を一致させることができないとして反対していました、ただ、この同時期にアメリカがF-16追加輸出に難色を示し圧力となった。
F-16戦闘機、しかしトルコはようやくスウェーデンのNATO加盟を了承する姿勢に転じましたが、アメリカは元々NATO問題とF-16問題は無関係であるとして特に上院外交委員会の一部が根強い反対を示しF-16輸出を許可していません。導入希望のF-16戦闘機40機は200億ドル規模、輸出が認められるかは両国関係に大きな影響を及ぼしそうです。
■クウェートユーロファイター
F-2の写真で代用しているところですが今年こそ日本に来るらしいドイツ空軍機が三沢か新田原以外の基地に来るならば写真を撮りに行こうと思う。
クウェート空軍はユーロファイター戦闘機の受領を開始しました。国営クウェート通信が報じたところによれば、クウェートへのユーロファイター納入は10月21日頃から順次開始され、先ず最初の4機がクウェートに到着しています。クウェート空軍は28機のユーロファイター戦闘機を導入する計画で4機を筆頭に13機を受領するという。
ユーロファイター戦闘機のクウェート導入に関しては2021年の導入決定以降、イタリア空軍が全面的に支援を行っていて、クウェート空軍操縦士や整備兵の養成はもちろんクウェートでの現地支援、さらには、今回クウェートまでのユーロファイター戦闘機回航にあたってもイタリア空軍のKC-767空中給油輸送機が空中給油支援を実施しています。
■タイフーン戦闘機40機
地上滑走から中々空に勧めないトルコ国産戦闘機に繋ぎの案という。
トルコ政府はユーロファイタータイフーン戦闘機40機導入を計画していると発表しました。これはトルコのヤサルギュレル国防相が11月16日に議会で発言、トルコ空軍は近代化改修の対象外となっているF-16戦闘機やクルナス改修を行ったものの拡張限界を迎えているF-4戦闘機などの旧式化を払しょくする次期戦闘機を必要としています。
F-35戦闘機、当初はトルコ空軍はこの第五世代戦闘機を導入するべく部分開発国としてJSF統合打撃戦闘機計画時代より参画していましたが2019年、ロシア製S-400地対空ミサイルをトルコ軍が導入した事によりデータリンク上の情報漏洩リスクが生じ、当時のアメリカトランプ政権がトルコのF-35計画除外を発表、バイデン政権も踏襲した。
TFX計画として、トルコは独自の次世代戦闘機計画を進めており、ステルス設計の機体を既に開発させていますが、ようやく滑走路上の高速滑走試験を開始したばかりであり、運用開始は早くとも2028年とされています。この場合ファントムは2030年代の運用を考える必要があり、先ずこれらの近々課題に対応する暫定戦闘機が迫られていました。
■E-99-AEW&C
E-99-AEW&Cというのは最近はやりのビジネスジェット派生の手頃だが使い勝手のいい早期警戒機のひとつ。
ブラジル空軍はE-99-AEW&C早期警戒機5号機を受領しました。E-99はブラジルのエンブラエル社が開発したEBC-145リージョナルジェットが原型機であり、スウェーデンのサーブエレクトリックディフェンスシステムズ社のエリアイ空中警戒レーダーシステムを搭載したもので、周辺300度の範囲内にて450㎞の距離で低高度目標を探知する。
E-99-AEW&Cは5機導入予定で、3機が情報収集機と2機が早期警戒機としての運用を想定しているとの事。JAS-39戦闘機25機の導入を開始したブラジル空軍ですが主力戦闘機は42機の古いF-5E軽戦闘機と46機のAMX軽攻撃機のみであり、いずれも早期警戒機とのデータリンクは乏しく近代化はいよいよこれからとなっています。
■JF-17-blockⅢ
F-2の1990年代初頭には最新鋭技術であったAESAレーダーも2020年代半ばには廉価機に搭載されるようになったというから30年間というのは凄いのだ。
パキスタン空軍は新型のJF-17-blockⅢ戦闘機の導入を開始しました。JF-17戦闘機は通称サンダー、中国の成都航空機公司とパキスタン航空複合企業が共同開発したもので非常に安価な機体である一方で中射程空対空ミサイルや空対艦ミサイルと巡航ミサイル運用能力を有し、格闘性能も良好、中小国空軍を中心に採用が伸びている戦闘機です。
JF-17-blockⅢ戦闘機最大の特色は2000年代まで最先端技術と言われていたAESAレーダーを搭載している点です、このレーダーは中国の南京電子技術研究所が開発したKLJ-V2を改良したもので、既にこのレーダーを搭載した試作機は2022年のパキスタン建軍記念日に飛行していましたが、11月中旬に入り第一線部隊へ配備開始が確認されました。
■テジャス戦闘機97機
一挙にF-2戦闘機の生産数並の発注だ。
インド空軍はテジャス戦闘機97機導入予算の議会承認を受けました。インド国防評議会の11月30日議決にこの戦闘機導入予算が含まれていたものでその総額は22億3000万ルピー規模、航空機関連予算のほかに戦車や装輪自走榴弾砲とヘリコプターや海軍超音速巡航ミサイル、改良型砲弾や対艦ミサイル予算なども盛り込まれています。
ヒンドゥスタンエアロノーティクスリミテッド社からの調達としてテジャスLCH-Mk1A戦闘機が97機含まれ、これにより本格的な量産開始となりました。ただ、すべての戦闘機生産をテジャスに注力したわけではなく、この予算では重ねて既存のロシア製Su-30MKI戦闘機のヒンドゥスタンエアロノーティクスリミテッド独自の改良予算も含まれます。
■MARPAT合同海上航空哨戒任務
F-2ほどではなくともほどほどの性能の戦闘機でも抑止力というかカウンターパートナーとして任務を果たせるという。
フィリピン空軍は11月23日までフィリピン海上においてアメリカ空軍と合同哨戒を実施しました、MARPAT合同海上航空哨戒任務へはアメリカ空軍がF-15戦闘機を派遣しフィリピン空軍はFA-50戦闘機を投入していまして、フィリピン空軍とアメリカインド太平洋空軍とのカウンターパート協力強化の一環として行われたとのことです。
FA-50は超音速戦闘機、MARPAT合同海上航空哨戒任務、この重要性はこれまでまともな空軍力を持たないと称されたフィリピン空軍が戦闘機をアメリカ空軍と対等に運用できる体制を確立させたことを大きく示したもので、特に中国による周辺地域での行動に対し一定の抑止力を、アメリカ空軍とともに示す事ができたという点が挙げられます。
■バードストライク
F-2などはバードストライクを想定しすぎたキャノピーがいろいろいわれているわけですが韓国はまさかボラメことイヌワシにやられるとは。
韓国空軍はバードストライクで損傷のF-35戦闘機修理を断念しました。これは2022年1月に発生したバードストライク事故によるもので、当該機は緊急着陸に成功しています。そして空軍装備審議委員会では修理を模索していたものの、新規取得費用が110億ウォンであるのに対し修理費用は140億ウォンに上ることから退役を選択したという。
F-35戦闘機のバードストライクによる全損は世界でも初めての事例となりますが、エアインテイク部分から入った鳥、大型のハゲワシがステルス設計として屈曲した吸気系統に留まることで長期間熱交換器や油圧系統に損傷を与え続け、油圧系統を全損させてしまったことが原因とのこと。空軍は12月1日、修理断念を正式発表しました。
■フランケンバード
要するにニコイチだ。
アメリカ空軍は部分損傷で全損のF-35戦闘機2機を繋ぐ修復試験を行っています。ユタ州のヒル空軍基地において、F-35戦闘機の製造を担当するロッキードマーティン社のプロジェクトチームと空軍第388戦闘航空団、そしてオクデン航空兵站複合施設の要員が協力し2014年と2020年に事故で全損となった機体を繋ぎ、修復可能かを試験中です。
フランケンバードというこの試み、F-35戦闘機の2014年6月23日にエンジン火災により全損となった27号機と、2020年6月8日に着陸失敗により機首部分を喪失し全損となった211号機を分解し、つなぎ合わせるというこころみ。これにより今後部分破損により全損となった機体をどのように部品とり用予備機として活用できるのかを模索中です。
■ユーロファイターEK電子戦機
日本のF-2もこうした電子戦型や偵察型など支援戦闘機任務に留まらない派生型に発展していても良かったように思うのだ。
ドイツ空軍はユーロファイター戦闘機15機を電子戦機ユーロファイターEKに改修する計画です。現在ドイツ空軍はトーネード攻撃機の派生型としてトーネードECR電子戦闘偵察機を運用しており、対艦戦闘や航空攻撃任務に際しての電子妨害支援や攻撃に先立つ敵防空部隊の位置標定と対レーダーミサイルによる防空制圧任務を行っています。
トーネードECR電子戦闘偵察機は通常のトーネード攻撃機に必要な電子ポッドを搭載しており、空軍のトーネード攻撃機と協調運用が可能となっていますが、問題はトーネード攻撃機が退役する過程にあり後継機が必要とされていました。ユーロファイターEKはサーブ社製電子戦装置やノースロップグラマン社製AARGM対レーダーミサイルを積む。
ユーロファイターEK電子戦機の導入について、意外であったのはドイツ空軍がF/A-18F戦闘攻撃機の派生型であるEA-18Gグロウラー電子攻撃機を採用する選択肢を避けた点です、F/A-18E/Fスーパーホーネットは、ドイツとフランスの次世代戦闘機開発に支障をきたさないよう、F-35戦闘機に代えて一時はドイツ空軍次期戦闘機となった機種でした。
■IRIS-T空対空ミサイル
GCAP戦闘機も然りなのですがサウジアラビアというのはなかなか複雑な国家となっています。
サウジアラビア政府が求めたIRIS-T空対空ミサイル150発の輸出をドイツ政府が認可しました。ドイツ政府は2018年のイスタンブールのサウジ総領事館で起きたサウジアラビアジャーナリスト謀殺事件を受けサウジアラビアへの武器輸出を停止してきましたが、ドイツは2023年12月に5年ぶりとなる防衛装備品移転を許可することとなりました。
IRIS-Tとは赤外線画像式推力偏向制御型ミサイルの略称で、赤外線誘導方式の短射程ミサイルですが射程は25㎞と比較的長いものとなっています。サウジアラビア空軍はユーロファイター戦闘機を運用しており、またIRIS-Tには地上発射型のIRIS-T-SLなども開発されており、中間指令誘導方式の併用でこちらは長射程型の射程が80㎞に達します。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回は空軍関連の話題ですが全般的に思うのは何とかして日本はF-2戦闘機のラインを維持して派生型と改良型を造り続けていればなあという嘆息です。
トルコ空軍が希望するF-16block70戦闘機40機の導入交渉が山場を迎えつつあります。トルコはNATO加盟国であり、F-16戦闘機多数を運用していますが、トルコは併せて国内のクルド系武装勢力問題を抱えており、この件について長年、クルド系武装勢力の受け皿となっていたスウェーデンと政治的係争関係にありました、そしてこの問題は。
スウェーデンは2022年にロシアウクライナ戦争勃発を受け従来の重武装中立政策を修正しNATO加盟を希望した際、新加盟国全会一致原則に基づき協議に諮られましたが、トルコはこの問題からスウェーデンとは価値観を一致させることができないとして反対していました、ただ、この同時期にアメリカがF-16追加輸出に難色を示し圧力となった。
F-16戦闘機、しかしトルコはようやくスウェーデンのNATO加盟を了承する姿勢に転じましたが、アメリカは元々NATO問題とF-16問題は無関係であるとして特に上院外交委員会の一部が根強い反対を示しF-16輸出を許可していません。導入希望のF-16戦闘機40機は200億ドル規模、輸出が認められるかは両国関係に大きな影響を及ぼしそうです。
■クウェートユーロファイター
F-2の写真で代用しているところですが今年こそ日本に来るらしいドイツ空軍機が三沢か新田原以外の基地に来るならば写真を撮りに行こうと思う。
クウェート空軍はユーロファイター戦闘機の受領を開始しました。国営クウェート通信が報じたところによれば、クウェートへのユーロファイター納入は10月21日頃から順次開始され、先ず最初の4機がクウェートに到着しています。クウェート空軍は28機のユーロファイター戦闘機を導入する計画で4機を筆頭に13機を受領するという。
ユーロファイター戦闘機のクウェート導入に関しては2021年の導入決定以降、イタリア空軍が全面的に支援を行っていて、クウェート空軍操縦士や整備兵の養成はもちろんクウェートでの現地支援、さらには、今回クウェートまでのユーロファイター戦闘機回航にあたってもイタリア空軍のKC-767空中給油輸送機が空中給油支援を実施しています。
■タイフーン戦闘機40機
地上滑走から中々空に勧めないトルコ国産戦闘機に繋ぎの案という。
トルコ政府はユーロファイタータイフーン戦闘機40機導入を計画していると発表しました。これはトルコのヤサルギュレル国防相が11月16日に議会で発言、トルコ空軍は近代化改修の対象外となっているF-16戦闘機やクルナス改修を行ったものの拡張限界を迎えているF-4戦闘機などの旧式化を払しょくする次期戦闘機を必要としています。
F-35戦闘機、当初はトルコ空軍はこの第五世代戦闘機を導入するべく部分開発国としてJSF統合打撃戦闘機計画時代より参画していましたが2019年、ロシア製S-400地対空ミサイルをトルコ軍が導入した事によりデータリンク上の情報漏洩リスクが生じ、当時のアメリカトランプ政権がトルコのF-35計画除外を発表、バイデン政権も踏襲した。
TFX計画として、トルコは独自の次世代戦闘機計画を進めており、ステルス設計の機体を既に開発させていますが、ようやく滑走路上の高速滑走試験を開始したばかりであり、運用開始は早くとも2028年とされています。この場合ファントムは2030年代の運用を考える必要があり、先ずこれらの近々課題に対応する暫定戦闘機が迫られていました。
■E-99-AEW&C
E-99-AEW&Cというのは最近はやりのビジネスジェット派生の手頃だが使い勝手のいい早期警戒機のひとつ。
ブラジル空軍はE-99-AEW&C早期警戒機5号機を受領しました。E-99はブラジルのエンブラエル社が開発したEBC-145リージョナルジェットが原型機であり、スウェーデンのサーブエレクトリックディフェンスシステムズ社のエリアイ空中警戒レーダーシステムを搭載したもので、周辺300度の範囲内にて450㎞の距離で低高度目標を探知する。
E-99-AEW&Cは5機導入予定で、3機が情報収集機と2機が早期警戒機としての運用を想定しているとの事。JAS-39戦闘機25機の導入を開始したブラジル空軍ですが主力戦闘機は42機の古いF-5E軽戦闘機と46機のAMX軽攻撃機のみであり、いずれも早期警戒機とのデータリンクは乏しく近代化はいよいよこれからとなっています。
■JF-17-blockⅢ
F-2の1990年代初頭には最新鋭技術であったAESAレーダーも2020年代半ばには廉価機に搭載されるようになったというから30年間というのは凄いのだ。
パキスタン空軍は新型のJF-17-blockⅢ戦闘機の導入を開始しました。JF-17戦闘機は通称サンダー、中国の成都航空機公司とパキスタン航空複合企業が共同開発したもので非常に安価な機体である一方で中射程空対空ミサイルや空対艦ミサイルと巡航ミサイル運用能力を有し、格闘性能も良好、中小国空軍を中心に採用が伸びている戦闘機です。
JF-17-blockⅢ戦闘機最大の特色は2000年代まで最先端技術と言われていたAESAレーダーを搭載している点です、このレーダーは中国の南京電子技術研究所が開発したKLJ-V2を改良したもので、既にこのレーダーを搭載した試作機は2022年のパキスタン建軍記念日に飛行していましたが、11月中旬に入り第一線部隊へ配備開始が確認されました。
■テジャス戦闘機97機
一挙にF-2戦闘機の生産数並の発注だ。
インド空軍はテジャス戦闘機97機導入予算の議会承認を受けました。インド国防評議会の11月30日議決にこの戦闘機導入予算が含まれていたものでその総額は22億3000万ルピー規模、航空機関連予算のほかに戦車や装輪自走榴弾砲とヘリコプターや海軍超音速巡航ミサイル、改良型砲弾や対艦ミサイル予算なども盛り込まれています。
ヒンドゥスタンエアロノーティクスリミテッド社からの調達としてテジャスLCH-Mk1A戦闘機が97機含まれ、これにより本格的な量産開始となりました。ただ、すべての戦闘機生産をテジャスに注力したわけではなく、この予算では重ねて既存のロシア製Su-30MKI戦闘機のヒンドゥスタンエアロノーティクスリミテッド独自の改良予算も含まれます。
■MARPAT合同海上航空哨戒任務
F-2ほどではなくともほどほどの性能の戦闘機でも抑止力というかカウンターパートナーとして任務を果たせるという。
フィリピン空軍は11月23日までフィリピン海上においてアメリカ空軍と合同哨戒を実施しました、MARPAT合同海上航空哨戒任務へはアメリカ空軍がF-15戦闘機を派遣しフィリピン空軍はFA-50戦闘機を投入していまして、フィリピン空軍とアメリカインド太平洋空軍とのカウンターパート協力強化の一環として行われたとのことです。
FA-50は超音速戦闘機、MARPAT合同海上航空哨戒任務、この重要性はこれまでまともな空軍力を持たないと称されたフィリピン空軍が戦闘機をアメリカ空軍と対等に運用できる体制を確立させたことを大きく示したもので、特に中国による周辺地域での行動に対し一定の抑止力を、アメリカ空軍とともに示す事ができたという点が挙げられます。
■バードストライク
F-2などはバードストライクを想定しすぎたキャノピーがいろいろいわれているわけですが韓国はまさかボラメことイヌワシにやられるとは。
韓国空軍はバードストライクで損傷のF-35戦闘機修理を断念しました。これは2022年1月に発生したバードストライク事故によるもので、当該機は緊急着陸に成功しています。そして空軍装備審議委員会では修理を模索していたものの、新規取得費用が110億ウォンであるのに対し修理費用は140億ウォンに上ることから退役を選択したという。
F-35戦闘機のバードストライクによる全損は世界でも初めての事例となりますが、エアインテイク部分から入った鳥、大型のハゲワシがステルス設計として屈曲した吸気系統に留まることで長期間熱交換器や油圧系統に損傷を与え続け、油圧系統を全損させてしまったことが原因とのこと。空軍は12月1日、修理断念を正式発表しました。
■フランケンバード
要するにニコイチだ。
アメリカ空軍は部分損傷で全損のF-35戦闘機2機を繋ぐ修復試験を行っています。ユタ州のヒル空軍基地において、F-35戦闘機の製造を担当するロッキードマーティン社のプロジェクトチームと空軍第388戦闘航空団、そしてオクデン航空兵站複合施設の要員が協力し2014年と2020年に事故で全損となった機体を繋ぎ、修復可能かを試験中です。
フランケンバードというこの試み、F-35戦闘機の2014年6月23日にエンジン火災により全損となった27号機と、2020年6月8日に着陸失敗により機首部分を喪失し全損となった211号機を分解し、つなぎ合わせるというこころみ。これにより今後部分破損により全損となった機体をどのように部品とり用予備機として活用できるのかを模索中です。
■ユーロファイターEK電子戦機
日本のF-2もこうした電子戦型や偵察型など支援戦闘機任務に留まらない派生型に発展していても良かったように思うのだ。
ドイツ空軍はユーロファイター戦闘機15機を電子戦機ユーロファイターEKに改修する計画です。現在ドイツ空軍はトーネード攻撃機の派生型としてトーネードECR電子戦闘偵察機を運用しており、対艦戦闘や航空攻撃任務に際しての電子妨害支援や攻撃に先立つ敵防空部隊の位置標定と対レーダーミサイルによる防空制圧任務を行っています。
トーネードECR電子戦闘偵察機は通常のトーネード攻撃機に必要な電子ポッドを搭載しており、空軍のトーネード攻撃機と協調運用が可能となっていますが、問題はトーネード攻撃機が退役する過程にあり後継機が必要とされていました。ユーロファイターEKはサーブ社製電子戦装置やノースロップグラマン社製AARGM対レーダーミサイルを積む。
ユーロファイターEK電子戦機の導入について、意外であったのはドイツ空軍がF/A-18F戦闘攻撃機の派生型であるEA-18Gグロウラー電子攻撃機を採用する選択肢を避けた点です、F/A-18E/Fスーパーホーネットは、ドイツとフランスの次世代戦闘機開発に支障をきたさないよう、F-35戦闘機に代えて一時はドイツ空軍次期戦闘機となった機種でした。
■IRIS-T空対空ミサイル
GCAP戦闘機も然りなのですがサウジアラビアというのはなかなか複雑な国家となっています。
サウジアラビア政府が求めたIRIS-T空対空ミサイル150発の輸出をドイツ政府が認可しました。ドイツ政府は2018年のイスタンブールのサウジ総領事館で起きたサウジアラビアジャーナリスト謀殺事件を受けサウジアラビアへの武器輸出を停止してきましたが、ドイツは2023年12月に5年ぶりとなる防衛装備品移転を許可することとなりました。
IRIS-Tとは赤外線画像式推力偏向制御型ミサイルの略称で、赤外線誘導方式の短射程ミサイルですが射程は25㎞と比較的長いものとなっています。サウジアラビア空軍はユーロファイター戦闘機を運用しており、またIRIS-Tには地上発射型のIRIS-T-SLなども開発されており、中間指令誘導方式の併用でこちらは長射程型の射程が80㎞に達します。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)