■防衛フォーラム
10式戦車は優れた戦車だとは思うのですがハイブリット方式の電動戦車がかりに技術的に可能であるならば、それは世代交代で1世代前の戦車となってしまうのかもしれない。
イギリスのロールスロイス社は戦車用ハイブリッドエンジンを発表しました。ユーロサトリ2024において発表されたエンジンはコンセプトモデルで、1100kwの出力を有しており、その基幹部分はドイツのMTU社製SERIES199エンジンを原型としたものです。既にハイブリッドエンジンは特殊部隊用車両として広く採用されています。
1100kw級ハイブリッドエンジンは最大70t級の戦車用動力として運用可能で、ロールスロイス社によれば、待ち伏せなど静粛性が求められる状況では事前充電した電源が赤外線放出を含め敵に暴露する事を回避し、またデータリンクシステムなど停車時に大量の電力を必要とする現状で、アイドリング防止は燃料消費や整備間隔を効率化します。
MTU-SERIES199エンジンの原型となる通常型はASCOD装甲戦闘車共通プラットフォームから開発されたエイジャックス装甲偵察車やM-10ブッカー装甲機動砲に採用されていて、新鋭装甲車両に採用される背景にはモジュール設計方式を採用しコンパクトであるとともに既存設計車両の機関部区画への適合性の高さが影響しているようです。
■セントリー対戦車地雷システム
自分で敷いた地雷原ならば友軍部隊が通過する瞬間だけ管制操作で不活性化して飢えを踏んで通過できる、ものなのかなあ心理的に。
フィンランドのフォーシットディフェンス社はセントリー対戦車地雷システムを発表しました。ユーザー2024の会場に展示された地雷は一見して従来型の対戦車地雷と違いがありませんが、最大の相違点は地雷本体ではなく、その隣に置かれた防水タブレット型端末と並べられていたことでしょう。そして地雷そのものが通信能力を持つ。
セントリー対戦車地雷システムは地雷敷設により暗号通信を用いてどの地域にどの地雷が敷設されたかを通信し、地図上に地雷原を表示可能、地雷原に戦車などの移動に伴う振動が伝わると、これらデータも送信され、また友軍が通行する場合には遠隔操作により起爆装置を解除し、通過終了後敵が接近する状況で起爆装置を再設定できます。
■空地共同型ロボット
MUM運用ではなくUM運用だけを目指す。
アメリカのテレダインフリアー社は空地共同型ロボットを発表しました。ユーロサトリ2024国際装備展では無人機はユーロサトリでの典型的な未来戦闘技術の提案となっていましたが、テレダインフリアー社が発表したのは携帯型ドローンを運搬する無人車両という、これまで携帯型ドローンは人員が携行する常識に一石を投じたもの。
テレダインフリアー社は超小型無人機ブラックホーネットを開発していますが、今回提示されたのはブラックホーネット4を搭載したSUGV-325というUGV無人戦闘車両でした。ただ、この無人車両そのものが可搬性を持つもので、車体規模と無人機の規模から、建物内での戦闘で階段を上る前などに無人機を偵察に充てる構想のもよう。
■中国製小銃搭載型ロボット犬
能登半島地震では使い物にならなかっただけに最前線まで運ぶのはクワッドドローンでも無ければたどり着けないようにも思うが警備用とか防御陣地の逆襲部隊用ならば使い道はあるのか。
中国製小銃搭載型ロボット犬の脅威について、アメリカ議会下院年次防衛権限法案検討会は国防総省にその脅威度の強化を求める文書を採択しました。CCTV中国中央テレビでは5月25日の放送にカンボジアでの軍事演習において猛士高機動車から展開するロボット犬が小銃を携行し射撃しつつ前進する様子などが紹介されていました。
アメリカ軍ではロボットの軍事利用をかなり前から進めていますが、歩兵と協同する用途では主として武器運搬などに用いており、戦闘用ロボットは限られた研究段階のものとなっていますが、ブルパップ式小銃を背中に載せた中国製犬型ロボットはこれまでにない発想で、今後アメリカ軍の海外展開への脅威度を調査するよう危機感があったもよう。
■PULS精密ロケットシステム
HIMARS用の弾薬も使えるというメーカー主張を信じて調達してGMLRS弾薬メーカーからいや無理ですよと言われてしまった装備だ。
デンマーク軍はPULS精密ロケットシステムの初射撃試験を実施しました。PULSはイスラエルのエルビットシステムズ社製のトラック式ロケット砲で様々な口径のロケット弾に対応していて、ロシアウクライナ戦争を受け砲兵能力近代化の切迫性を痛感したデンマーク軍が、比較的短期間で納入可能というイスラエル製PULSを採用したかたち。
PULSの発射試験はデンマークの北海沿岸にあるオクスボル射撃試験場にて実施され、ロケット弾は弾頭を搭載せず射撃のみ実施、ロケット弾は10km先の北海に無事着弾しました。今回の試験は発射時にトラック部分を含めデンマーク国内法に基づく環境基準に騒音レベルや排気ガス排気基準が合致しているかを確認したかたちです。
■TAM中戦車近代化
74式戦車は最後まで抜本改造はされず。
アルゼンチン軍のTAM中戦車近代化改修計画が更なる遅延に見舞われているもよう。TAM-2CA2戦車として改修が進められている戦車は2010年より近代化改修計画が始まり、既に14年が経過しているものの未だ一両も改修が完了できておらず、一応2027年までに現有のTAM戦車200両のうち74両を近代化改修する事となっています。
TAM中戦車はドイツのマルダー装甲戦闘車に105mm砲塔を搭載したもので、アルゼンチン国内の防衛企業が主体として当初近代化改修を行う計画でしたが手に負えずイスラエルのエルビットシステムズ社が参加しています、予定では9月に改修完了1号車を納入する予定ですが、第602武器大隊で行われた改修完了車は未だ試験を開始していません。
■アクティヴ防御装置
遠隔操作式銃塔に自動散弾銃を仕込めれば最適と思う。
アラブ首長国連邦のビンヒラルエンタープライズ社はトップアタック攻撃への防御装置開発に関して、アメリカのアルティス社との間で合弁企業を設立しました。近年、装甲戦闘車量全般は自爆用無人機による車体上部を狙うトップアタック攻撃に対して防御能力強化を迫られています。両社はユーロサトリ会場にて合弁会社設立に署名した。
アルティス社はアイアンカーテンという車体上部への攻撃から戦車などを防護するアクティヴ防御装置を2024年1月に発表、この性能は既にウェストヴァージニア州の試験場において実証実験を完了しています。ビンヒラルエンタープライズ社は、この装備を自国に普及させるとともに国内防衛産業基盤強化に貢献する狙いがあるのでしょう。
■スタウト近距離防空システム
タネ車となる車体が大量にあるとこういう96式装輪装甲車では実現しなかった運用が可能となるのだ。
アメリカ陸軍はストライカー装甲車防空型の名称をスタウト近距離防空システムと命名しました。スタウトとはアメリカ陸軍のミッチェルウィリアムスタウト軍曹が名前の由来であり、スタウト軍曹はヴェトナム戦争中の1970年3月12日、投げ込まれた敵の手榴弾から戦友たちを守るべく自分の体を使って手榴弾の爆発を防ぎ戦死したという。
スタウト軍曹はこの勇気ある行為により議会名誉勲章を叙勲、軍曹は陸軍防空砲兵隊に所属していたことから、防空砲兵では過去唯一名誉勲章を叙勲した英雄です。スタウト近距離防空システムはストライカー装甲車にレーダーと30mm機関砲及びスティンガーミサイル4連装発射装置、地上発射型ヘルファイアミサイル2発を搭載したものです。
■RBS-15Mk2地対艦誘導弾
日本も宇都宮などから減らしはしましたSSMですが保管しておけばいまここまで右往左往せず済んだ。
スウェーデン国防軍はRBS-15Mk2地対艦誘導弾を受領しました。もともとはスウェーデン沿岸砲兵隊に配備されていた装備ですが2000年の沿岸砲兵隊廃止により、スウェーデン水陸両用千軍団が創設されたものの、この軍団隷下には1個連隊があるのみであり、その生産は僅か1基に留められていました、一時廃止されるも2016年に再生する。
RBS-15Mk2地対艦誘導弾は射程200㎞、配備されていたものの大半がRBS-15地対艦誘導弾であったものの、Mk2までは必要とされないとの判断であったようですが、今回、バルト海沿岸の安全保障情勢緊迫化を背景に再生される事となりました。スウェーデン軍では既存のMk2を最新型のMk4に近代化改修する計画も検討されています。
■H-145Mヘリコプター
ドイツはこれで日本はUH-2をガンシップ化して対戦車攻撃に充てるそうですが防弾が無かったゼロ戦が散々な目にあったとNHKなどで特集して何も学ばないのかと怒りさえ感じる。
ベルギー軍はH-145Mヘリコプター15機を導入します。計画では陸軍が15機を導入するとともに国家警察も2機を導入するというもので、ベルギー国防軍近代化を進めるSTAR計画の一環として進められます。H-145Mヘリコプターはエアバスヘリコプターズ社製、MBB/川崎BK-117C1軽ヘリコプターの拡大改良型となっています。
H-145Mヘリコプターは兵員9名を輸送可能で、ベルギー軍では練習機や口腔衛生機及び偵察と軽攻撃任務にも用いる構想、またこの航空機は武装キットを搭載することでスパイク対戦車ミサイルの運用能力を付与する事が可能となっていて、例えばドイツ連邦軍はPAH-2戦闘ヘリコプターの後継機にこの攻撃キットの搭載型を導入する計画です。
■K-9自走榴弾砲
日本も方面特科連隊に装備するならば99HSPのような大柄だが堅固な防御力をもつ装備に集約すべきだったのではと思う。
ルーマニア軍は韓国製K-9自走榴弾砲54門を導入します、ルーマニア政府は韓国のハンファディフェンス社との間で7月10日、K-9自走榴弾砲調達に関する10億ドル規模の正式契約を成立させました、この契約には自走榴弾砲本体と共にK-10弾薬補給車36両の調達費用も含まれており、これにより陸軍砲兵火力の大規模近代化を目指します。
K-9自走榴弾砲は現在世界で最も量産されている自走榴弾砲で、韓国軍に大量採用されたことで量産体制が整い短期間で納入できるのが強み、K-9採用国は10か国となりK-10弾薬補給車採用も3か国目、NATO加盟国の採用も、トルコ、ポーランド、ノルウェー、フィンランド、エストニアに続く採用でルーマニアは2027年より導入します。
■島嶼防衛用高速滑空弾
自衛隊の次世代装備だ。
防衛省防衛装備庁は島嶼防衛用高速滑空弾の事前発射試験を実施しました。これは地対艦ミサイルを補完する次世代の装備品であり、いったん宇宙空間まで上昇し極超音速で滑空、敵対勢力の迎撃システムを速度で突破し命中破壊するもの。今回の情報開示は7月に入ってからのものですが、試験そのものは2024年3月23日に実施したもの。
島嶼防衛用高速滑空弾の事前発射試験は試験用単発架台より発射し、主としてミサイル本体の性能よりも計測装置の試験が主眼であったもよう。初期型はblock1であり射程は数百km、概ね900km程度とされていますが、block2では極超音速飛行時の衝撃はによる圧縮空気を用い滑空するウェブライダー方式により極超音速関空を行う。
自衛隊ではblock2を射程2000km前後とし、更にblock2Bとして射程を3000kmにまで延伸する構想で、これはとてつもなく敵対勢力の後方策源地を叩けることを意味しますが、極超音速滑空は距離に準じて飛翔速度の減衰が必至であることから最大射程での速度は不明です。なお防衛装備庁は同様の試験を4月7日にも実施したとのこと。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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10式戦車は優れた戦車だとは思うのですがハイブリット方式の電動戦車がかりに技術的に可能であるならば、それは世代交代で1世代前の戦車となってしまうのかもしれない。
イギリスのロールスロイス社は戦車用ハイブリッドエンジンを発表しました。ユーロサトリ2024において発表されたエンジンはコンセプトモデルで、1100kwの出力を有しており、その基幹部分はドイツのMTU社製SERIES199エンジンを原型としたものです。既にハイブリッドエンジンは特殊部隊用車両として広く採用されています。
1100kw級ハイブリッドエンジンは最大70t級の戦車用動力として運用可能で、ロールスロイス社によれば、待ち伏せなど静粛性が求められる状況では事前充電した電源が赤外線放出を含め敵に暴露する事を回避し、またデータリンクシステムなど停車時に大量の電力を必要とする現状で、アイドリング防止は燃料消費や整備間隔を効率化します。
MTU-SERIES199エンジンの原型となる通常型はASCOD装甲戦闘車共通プラットフォームから開発されたエイジャックス装甲偵察車やM-10ブッカー装甲機動砲に採用されていて、新鋭装甲車両に採用される背景にはモジュール設計方式を採用しコンパクトであるとともに既存設計車両の機関部区画への適合性の高さが影響しているようです。
■セントリー対戦車地雷システム
自分で敷いた地雷原ならば友軍部隊が通過する瞬間だけ管制操作で不活性化して飢えを踏んで通過できる、ものなのかなあ心理的に。
フィンランドのフォーシットディフェンス社はセントリー対戦車地雷システムを発表しました。ユーザー2024の会場に展示された地雷は一見して従来型の対戦車地雷と違いがありませんが、最大の相違点は地雷本体ではなく、その隣に置かれた防水タブレット型端末と並べられていたことでしょう。そして地雷そのものが通信能力を持つ。
セントリー対戦車地雷システムは地雷敷設により暗号通信を用いてどの地域にどの地雷が敷設されたかを通信し、地図上に地雷原を表示可能、地雷原に戦車などの移動に伴う振動が伝わると、これらデータも送信され、また友軍が通行する場合には遠隔操作により起爆装置を解除し、通過終了後敵が接近する状況で起爆装置を再設定できます。
■空地共同型ロボット
MUM運用ではなくUM運用だけを目指す。
アメリカのテレダインフリアー社は空地共同型ロボットを発表しました。ユーロサトリ2024国際装備展では無人機はユーロサトリでの典型的な未来戦闘技術の提案となっていましたが、テレダインフリアー社が発表したのは携帯型ドローンを運搬する無人車両という、これまで携帯型ドローンは人員が携行する常識に一石を投じたもの。
テレダインフリアー社は超小型無人機ブラックホーネットを開発していますが、今回提示されたのはブラックホーネット4を搭載したSUGV-325というUGV無人戦闘車両でした。ただ、この無人車両そのものが可搬性を持つもので、車体規模と無人機の規模から、建物内での戦闘で階段を上る前などに無人機を偵察に充てる構想のもよう。
■中国製小銃搭載型ロボット犬
能登半島地震では使い物にならなかっただけに最前線まで運ぶのはクワッドドローンでも無ければたどり着けないようにも思うが警備用とか防御陣地の逆襲部隊用ならば使い道はあるのか。
中国製小銃搭載型ロボット犬の脅威について、アメリカ議会下院年次防衛権限法案検討会は国防総省にその脅威度の強化を求める文書を採択しました。CCTV中国中央テレビでは5月25日の放送にカンボジアでの軍事演習において猛士高機動車から展開するロボット犬が小銃を携行し射撃しつつ前進する様子などが紹介されていました。
アメリカ軍ではロボットの軍事利用をかなり前から進めていますが、歩兵と協同する用途では主として武器運搬などに用いており、戦闘用ロボットは限られた研究段階のものとなっていますが、ブルパップ式小銃を背中に載せた中国製犬型ロボットはこれまでにない発想で、今後アメリカ軍の海外展開への脅威度を調査するよう危機感があったもよう。
■PULS精密ロケットシステム
HIMARS用の弾薬も使えるというメーカー主張を信じて調達してGMLRS弾薬メーカーからいや無理ですよと言われてしまった装備だ。
デンマーク軍はPULS精密ロケットシステムの初射撃試験を実施しました。PULSはイスラエルのエルビットシステムズ社製のトラック式ロケット砲で様々な口径のロケット弾に対応していて、ロシアウクライナ戦争を受け砲兵能力近代化の切迫性を痛感したデンマーク軍が、比較的短期間で納入可能というイスラエル製PULSを採用したかたち。
PULSの発射試験はデンマークの北海沿岸にあるオクスボル射撃試験場にて実施され、ロケット弾は弾頭を搭載せず射撃のみ実施、ロケット弾は10km先の北海に無事着弾しました。今回の試験は発射時にトラック部分を含めデンマーク国内法に基づく環境基準に騒音レベルや排気ガス排気基準が合致しているかを確認したかたちです。
■TAM中戦車近代化
74式戦車は最後まで抜本改造はされず。
アルゼンチン軍のTAM中戦車近代化改修計画が更なる遅延に見舞われているもよう。TAM-2CA2戦車として改修が進められている戦車は2010年より近代化改修計画が始まり、既に14年が経過しているものの未だ一両も改修が完了できておらず、一応2027年までに現有のTAM戦車200両のうち74両を近代化改修する事となっています。
TAM中戦車はドイツのマルダー装甲戦闘車に105mm砲塔を搭載したもので、アルゼンチン国内の防衛企業が主体として当初近代化改修を行う計画でしたが手に負えずイスラエルのエルビットシステムズ社が参加しています、予定では9月に改修完了1号車を納入する予定ですが、第602武器大隊で行われた改修完了車は未だ試験を開始していません。
■アクティヴ防御装置
遠隔操作式銃塔に自動散弾銃を仕込めれば最適と思う。
アラブ首長国連邦のビンヒラルエンタープライズ社はトップアタック攻撃への防御装置開発に関して、アメリカのアルティス社との間で合弁企業を設立しました。近年、装甲戦闘車量全般は自爆用無人機による車体上部を狙うトップアタック攻撃に対して防御能力強化を迫られています。両社はユーロサトリ会場にて合弁会社設立に署名した。
アルティス社はアイアンカーテンという車体上部への攻撃から戦車などを防護するアクティヴ防御装置を2024年1月に発表、この性能は既にウェストヴァージニア州の試験場において実証実験を完了しています。ビンヒラルエンタープライズ社は、この装備を自国に普及させるとともに国内防衛産業基盤強化に貢献する狙いがあるのでしょう。
■スタウト近距離防空システム
タネ車となる車体が大量にあるとこういう96式装輪装甲車では実現しなかった運用が可能となるのだ。
アメリカ陸軍はストライカー装甲車防空型の名称をスタウト近距離防空システムと命名しました。スタウトとはアメリカ陸軍のミッチェルウィリアムスタウト軍曹が名前の由来であり、スタウト軍曹はヴェトナム戦争中の1970年3月12日、投げ込まれた敵の手榴弾から戦友たちを守るべく自分の体を使って手榴弾の爆発を防ぎ戦死したという。
スタウト軍曹はこの勇気ある行為により議会名誉勲章を叙勲、軍曹は陸軍防空砲兵隊に所属していたことから、防空砲兵では過去唯一名誉勲章を叙勲した英雄です。スタウト近距離防空システムはストライカー装甲車にレーダーと30mm機関砲及びスティンガーミサイル4連装発射装置、地上発射型ヘルファイアミサイル2発を搭載したものです。
■RBS-15Mk2地対艦誘導弾
日本も宇都宮などから減らしはしましたSSMですが保管しておけばいまここまで右往左往せず済んだ。
スウェーデン国防軍はRBS-15Mk2地対艦誘導弾を受領しました。もともとはスウェーデン沿岸砲兵隊に配備されていた装備ですが2000年の沿岸砲兵隊廃止により、スウェーデン水陸両用千軍団が創設されたものの、この軍団隷下には1個連隊があるのみであり、その生産は僅か1基に留められていました、一時廃止されるも2016年に再生する。
RBS-15Mk2地対艦誘導弾は射程200㎞、配備されていたものの大半がRBS-15地対艦誘導弾であったものの、Mk2までは必要とされないとの判断であったようですが、今回、バルト海沿岸の安全保障情勢緊迫化を背景に再生される事となりました。スウェーデン軍では既存のMk2を最新型のMk4に近代化改修する計画も検討されています。
■H-145Mヘリコプター
ドイツはこれで日本はUH-2をガンシップ化して対戦車攻撃に充てるそうですが防弾が無かったゼロ戦が散々な目にあったとNHKなどで特集して何も学ばないのかと怒りさえ感じる。
ベルギー軍はH-145Mヘリコプター15機を導入します。計画では陸軍が15機を導入するとともに国家警察も2機を導入するというもので、ベルギー国防軍近代化を進めるSTAR計画の一環として進められます。H-145Mヘリコプターはエアバスヘリコプターズ社製、MBB/川崎BK-117C1軽ヘリコプターの拡大改良型となっています。
H-145Mヘリコプターは兵員9名を輸送可能で、ベルギー軍では練習機や口腔衛生機及び偵察と軽攻撃任務にも用いる構想、またこの航空機は武装キットを搭載することでスパイク対戦車ミサイルの運用能力を付与する事が可能となっていて、例えばドイツ連邦軍はPAH-2戦闘ヘリコプターの後継機にこの攻撃キットの搭載型を導入する計画です。
■K-9自走榴弾砲
日本も方面特科連隊に装備するならば99HSPのような大柄だが堅固な防御力をもつ装備に集約すべきだったのではと思う。
ルーマニア軍は韓国製K-9自走榴弾砲54門を導入します、ルーマニア政府は韓国のハンファディフェンス社との間で7月10日、K-9自走榴弾砲調達に関する10億ドル規模の正式契約を成立させました、この契約には自走榴弾砲本体と共にK-10弾薬補給車36両の調達費用も含まれており、これにより陸軍砲兵火力の大規模近代化を目指します。
K-9自走榴弾砲は現在世界で最も量産されている自走榴弾砲で、韓国軍に大量採用されたことで量産体制が整い短期間で納入できるのが強み、K-9採用国は10か国となりK-10弾薬補給車採用も3か国目、NATO加盟国の採用も、トルコ、ポーランド、ノルウェー、フィンランド、エストニアに続く採用でルーマニアは2027年より導入します。
■島嶼防衛用高速滑空弾
自衛隊の次世代装備だ。
防衛省防衛装備庁は島嶼防衛用高速滑空弾の事前発射試験を実施しました。これは地対艦ミサイルを補完する次世代の装備品であり、いったん宇宙空間まで上昇し極超音速で滑空、敵対勢力の迎撃システムを速度で突破し命中破壊するもの。今回の情報開示は7月に入ってからのものですが、試験そのものは2024年3月23日に実施したもの。
島嶼防衛用高速滑空弾の事前発射試験は試験用単発架台より発射し、主としてミサイル本体の性能よりも計測装置の試験が主眼であったもよう。初期型はblock1であり射程は数百km、概ね900km程度とされていますが、block2では極超音速飛行時の衝撃はによる圧縮空気を用い滑空するウェブライダー方式により極超音速関空を行う。
自衛隊ではblock2を射程2000km前後とし、更にblock2Bとして射程を3000kmにまで延伸する構想で、これはとてつもなく敵対勢力の後方策源地を叩けることを意味しますが、極超音速滑空は距離に準じて飛翔速度の減衰が必至であることから最大射程での速度は不明です。なお防衛装備庁は同様の試験を4月7日にも実施したとのこと。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)