■第二次トランプ政権
日本時間今朝未明にアメリカでは大統領宣誓式と就任式が行われバイデン政権からトランプ政権へのこうたいが行われました。
アメリカにおいてトランプ第二次政権が発足しました。アメリカ第一主義を掲げる第二次トランプ政権、幾つかの不確定要素が存在する事は確かなのですが、アメリカ第一主義を掲げるアメリカと日本の関係について考えてゆきましょう。まず、過度に警戒する必要はあるのかということと、過度に安堵できるのかということが並立している点です。
第一次トランプ政権は不確定要素が多すぎましたので過度な警戒が必要でした、それは、アメリカ第一主義がモンロー主義を想わせたためです。モンロードクトリン、つまりアメリカが世界政治から距離を置き、結果的に世界におけるアメリカのポテンシャルが農産物と原油生産くらいに留め、軍事的なバランスが低下するのではないか、という事でした。
しかし、これは杞憂に終わります、具体的に言えば、アメリカ第一主義とは、アメリカ本土に引きこもるモンロードクトリンへの回帰を意味するものではなく、世界におけるアメリカのポテンシャルを維持する、というものであったためです。それは結果的に、自由主義世界におけるアメリカのグローバルな視点での地位の維持というものにつながっている。
過度に警戒する必要はない、NATOからアメリカが脱退する事で欧州が全部ロシアの勢力圏に繋がり、中国の海洋進出に対しても無関心となることでハワイ近海までアメリカ海軍が中国海軍に押しとどめられることを良しとする政権ではなく、特に中国の存在をアメリカへの最大の脅威、競争相手という段階ではなく脅威と位置付けている点が全てを示す。
過度に安堵できない可能性もある。これは、第一次トランプ政権において、政権を構成した閣僚が、ここまで人脈があったのか、という経験者を集めて成立していました。ただ、第二次トランプ政権は反エリート主義という、日本の民主党鳩山政権のような主張を行っていますので、アメリカのハトヤマ政権のようになるのではないか、という危惧はある。
安堵できない、こう揚言しましたが、それは過度にという視点であり、その背景として、アメリカ国内のシンクタンクでは保守系人材の大量要請が行われており、トランプ政権へ人材を供給しています。それは反エリート主義という視座からは完全に合致しないものの、全員素人では政策を具体化しても実際の制作として具現化出来ない為、ということ。
アメリカ政治は、結局のところ無駄が多いという指摘から効率化を求める声があるのですが、これを言ってしまいますとそもそも連邦制というものが連邦政府と州政府というものの関係にまでひびが入ります、するとこの過度な効率化を進めるというものも、連邦制度を破綻させるような憲法の逸脱、つまり合衆国崩壊を望まない限り、ありえません。
外交政策については、非常に懸念する要素が揃っています、ただ、地名を変えろという圧力や政治制度への干渉というものは、日本も隣国との間で何度も経験していますので、此処をどのようにひょんきにとらえるのか、そう受け止めないのかという視点については、まだまだ余地はあるでしょう、いきなり真珠湾、ではなく、最後まで外交があるのだから。
ポピュリズム、結果論ですが、アメリカ国内は新聞配達空白地が増えていますし、テレビ放送も有料放送の比率が高くなり、いわゆるファクトチェックを充分に行えるメディアと有権者の接点が低くなっている実情がある、日本では本屋の無い市町村がありますが、アメリカでは新聞が基本的に存在していない市町村がそれなりにある、ということです。
陰謀論など、要するにファクトチェックを行わず大衆迎合的な視座に基づく世論攻勢は、こうしたメディアの空白地帯に生じるのですが、同時に、理路整然と持論を持つ人も、Twitterのつぶやきさえ最後まで理解しない人も、等しく一票を持っている、というものが自由選挙の国の実情です。ここにポピュリズムが入り込むと、結果的に厄介となります。
トランプ政権はこうしたポピュリズムの受け皿となった訳ですが、いったんはまってしまうと、ファクトチェックとは煩雑である上に費用が掛かるもので、受け手がその必要性を理解して分担し支出しなければならない、この重要性を低い優先度に収斂させるところにポピュリズムの温床が成立するのです、すると、最終的にその受け皿が求められる。
アメリカ大統領は三選禁止ですが、年齢的に憲法修正を行っても三選は厳しいでしょう、そうした上でアメリカのポピュリズムの受け皿となり、またアメリカにおいてポピュリズムが国家元首まで至る道程に終止符を打つ存在として、トランプ政権は望まれて私事と共に誕生したといえる、そのアメリカといかに向き合うかも、外交というものなのですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
日本時間今朝未明にアメリカでは大統領宣誓式と就任式が行われバイデン政権からトランプ政権へのこうたいが行われました。
アメリカにおいてトランプ第二次政権が発足しました。アメリカ第一主義を掲げる第二次トランプ政権、幾つかの不確定要素が存在する事は確かなのですが、アメリカ第一主義を掲げるアメリカと日本の関係について考えてゆきましょう。まず、過度に警戒する必要はあるのかということと、過度に安堵できるのかということが並立している点です。
第一次トランプ政権は不確定要素が多すぎましたので過度な警戒が必要でした、それは、アメリカ第一主義がモンロー主義を想わせたためです。モンロードクトリン、つまりアメリカが世界政治から距離を置き、結果的に世界におけるアメリカのポテンシャルが農産物と原油生産くらいに留め、軍事的なバランスが低下するのではないか、という事でした。
しかし、これは杞憂に終わります、具体的に言えば、アメリカ第一主義とは、アメリカ本土に引きこもるモンロードクトリンへの回帰を意味するものではなく、世界におけるアメリカのポテンシャルを維持する、というものであったためです。それは結果的に、自由主義世界におけるアメリカのグローバルな視点での地位の維持というものにつながっている。
過度に警戒する必要はない、NATOからアメリカが脱退する事で欧州が全部ロシアの勢力圏に繋がり、中国の海洋進出に対しても無関心となることでハワイ近海までアメリカ海軍が中国海軍に押しとどめられることを良しとする政権ではなく、特に中国の存在をアメリカへの最大の脅威、競争相手という段階ではなく脅威と位置付けている点が全てを示す。
過度に安堵できない可能性もある。これは、第一次トランプ政権において、政権を構成した閣僚が、ここまで人脈があったのか、という経験者を集めて成立していました。ただ、第二次トランプ政権は反エリート主義という、日本の民主党鳩山政権のような主張を行っていますので、アメリカのハトヤマ政権のようになるのではないか、という危惧はある。
安堵できない、こう揚言しましたが、それは過度にという視点であり、その背景として、アメリカ国内のシンクタンクでは保守系人材の大量要請が行われており、トランプ政権へ人材を供給しています。それは反エリート主義という視座からは完全に合致しないものの、全員素人では政策を具体化しても実際の制作として具現化出来ない為、ということ。
アメリカ政治は、結局のところ無駄が多いという指摘から効率化を求める声があるのですが、これを言ってしまいますとそもそも連邦制というものが連邦政府と州政府というものの関係にまでひびが入ります、するとこの過度な効率化を進めるというものも、連邦制度を破綻させるような憲法の逸脱、つまり合衆国崩壊を望まない限り、ありえません。
外交政策については、非常に懸念する要素が揃っています、ただ、地名を変えろという圧力や政治制度への干渉というものは、日本も隣国との間で何度も経験していますので、此処をどのようにひょんきにとらえるのか、そう受け止めないのかという視点については、まだまだ余地はあるでしょう、いきなり真珠湾、ではなく、最後まで外交があるのだから。
ポピュリズム、結果論ですが、アメリカ国内は新聞配達空白地が増えていますし、テレビ放送も有料放送の比率が高くなり、いわゆるファクトチェックを充分に行えるメディアと有権者の接点が低くなっている実情がある、日本では本屋の無い市町村がありますが、アメリカでは新聞が基本的に存在していない市町村がそれなりにある、ということです。
陰謀論など、要するにファクトチェックを行わず大衆迎合的な視座に基づく世論攻勢は、こうしたメディアの空白地帯に生じるのですが、同時に、理路整然と持論を持つ人も、Twitterのつぶやきさえ最後まで理解しない人も、等しく一票を持っている、というものが自由選挙の国の実情です。ここにポピュリズムが入り込むと、結果的に厄介となります。
トランプ政権はこうしたポピュリズムの受け皿となった訳ですが、いったんはまってしまうと、ファクトチェックとは煩雑である上に費用が掛かるもので、受け手がその必要性を理解して分担し支出しなければならない、この重要性を低い優先度に収斂させるところにポピュリズムの温床が成立するのです、すると、最終的にその受け皿が求められる。
アメリカ大統領は三選禁止ですが、年齢的に憲法修正を行っても三選は厳しいでしょう、そうした上でアメリカのポピュリズムの受け皿となり、またアメリカにおいてポピュリズムが国家元首まで至る道程に終止符を打つ存在として、トランプ政権は望まれて私事と共に誕生したといえる、そのアメリカといかに向き合うかも、外交というものなのですね。
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