■バルカとルー
オオカミについてここまで北大路機関で語るとは自分も考えていなかったのですが。
赤ずきんが、オオカミを悪者にしたのかなあ、とおもえば、狼と香辛料には頑張ってもらいたい、と切に願い愛蔵版を最近そろえたのですが、とかく、欧米の価値基準ではオオカミは悪者にされている、その背景には牧畜などオオカミの食害に悩んだゆえだから。
ウルフの語源、これは古代アーリア語のVarkaがそのまま英語でWolf,仏語でLoupとなっています。その語源については略奪者、という意味があるのですが、同時に勇ましい名前でもあり、ローマを滅亡の淵に追いやったハンニバルバルカというような名ともなる。
ハンニバルバルカを一つ名前として出した訳ですが、その上で忘れてはならないのは、人類の言語の歴史は古代アーリア語よりも更に遡ることができるという点でして、そこまで遡りますと、同時にそれは人類文明の黎明期まで遡ることにはなるのですけれども。
Varka,古代サクソン語Wulf,古代ノルド語ではUlfr,このあたりはウルフでほぼほぼ共通点を見出せるのです。ここに略奪者という語意を含めるのは、狩猟に際して特に冬季などで獲物が少ない時期においては重大な競合相手であり、また人を襲った歴史もありますが。
文字、ただ、これを人類の黎明期であるシュメール時代まで遡りますと、大分意味が違ってきます。初期絵文字はエジプト文明において神聖文字へと発達してゆきますが、表意文字は解読は簡単ですが普及がむずかしい、紀元前2800年ごろの後期絵文字から変化が。
初期楔形文字が成立するのが紀元前2500年ごろですが、表意文字から文字そのもののられつが意味を持つようになりますと、人類文明は大きく飛躍します、それは文字によってでは必ずしもなく、文字を必要とした背景により人類文明が広範に広がるのですが。
農耕、人類が文字を必要とする背景には、狩猟採集の時代には文字はそれほど必要とされませんでした、職業の分化、ここが文字を必要とする背景に繋がるのです。それは保管可能な農作物に価値が生まれたため、なのですが、文字の話をしていると狼からはなれた。
ルー、シュメール時代という人類の黎明期、ホモサピエンスから人類という、いわば動物学から人類学への分岐点において初期絵文字等の解読から狼はこう発音されていたようです。そして驚くことに、オオカミはこの時点では文字上、悪い意味は持っていなかった。
農耕、重要なのは人類が文字を発明した時代は農耕という、漸く冬に絶滅するかどうかという不安を払しょくできた過渡期であったためでして、興味深いことに農耕という技術を手に入れますと人類は、金属精錬、そして車輪と立て続けに発明を続けているのだが。
オオカミはこの時点で、文字上、悪い意味を持っていなかった、という実情の背景には、農耕とオオカミ、という関係があったと推測するのが妥当なところでしょう。それは、オオカミはほかの人類に関係する動物との間で農耕へ悪影響が少なかったということで。
車輪の発明とともに、運搬にもちいる動物、牽引するための動物が必要となりますので、もちろんこのための馬や牛という存在はオオカミの標的となったことは想像に難くはないのですが、楔形文字の時代にはそうした脅威を想定して尚、オオカミの敵視はない。
人類文明の曙では、そうした関係性があったのですね。同時に、この時代は牧畜せずとも捕獲できるほど野生動物は豊富で、それを市場で交換する事で食料としての精肉を得られたという時代背景があるのですが、人類とオオカミの関係を見るうえでこの視点は重要だ。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
オオカミについてここまで北大路機関で語るとは自分も考えていなかったのですが。
赤ずきんが、オオカミを悪者にしたのかなあ、とおもえば、狼と香辛料には頑張ってもらいたい、と切に願い愛蔵版を最近そろえたのですが、とかく、欧米の価値基準ではオオカミは悪者にされている、その背景には牧畜などオオカミの食害に悩んだゆえだから。
ウルフの語源、これは古代アーリア語のVarkaがそのまま英語でWolf,仏語でLoupとなっています。その語源については略奪者、という意味があるのですが、同時に勇ましい名前でもあり、ローマを滅亡の淵に追いやったハンニバルバルカというような名ともなる。
ハンニバルバルカを一つ名前として出した訳ですが、その上で忘れてはならないのは、人類の言語の歴史は古代アーリア語よりも更に遡ることができるという点でして、そこまで遡りますと、同時にそれは人類文明の黎明期まで遡ることにはなるのですけれども。
Varka,古代サクソン語Wulf,古代ノルド語ではUlfr,このあたりはウルフでほぼほぼ共通点を見出せるのです。ここに略奪者という語意を含めるのは、狩猟に際して特に冬季などで獲物が少ない時期においては重大な競合相手であり、また人を襲った歴史もありますが。
文字、ただ、これを人類の黎明期であるシュメール時代まで遡りますと、大分意味が違ってきます。初期絵文字はエジプト文明において神聖文字へと発達してゆきますが、表意文字は解読は簡単ですが普及がむずかしい、紀元前2800年ごろの後期絵文字から変化が。
初期楔形文字が成立するのが紀元前2500年ごろですが、表意文字から文字そのもののられつが意味を持つようになりますと、人類文明は大きく飛躍します、それは文字によってでは必ずしもなく、文字を必要とした背景により人類文明が広範に広がるのですが。
農耕、人類が文字を必要とする背景には、狩猟採集の時代には文字はそれほど必要とされませんでした、職業の分化、ここが文字を必要とする背景に繋がるのです。それは保管可能な農作物に価値が生まれたため、なのですが、文字の話をしていると狼からはなれた。
ルー、シュメール時代という人類の黎明期、ホモサピエンスから人類という、いわば動物学から人類学への分岐点において初期絵文字等の解読から狼はこう発音されていたようです。そして驚くことに、オオカミはこの時点では文字上、悪い意味は持っていなかった。
農耕、重要なのは人類が文字を発明した時代は農耕という、漸く冬に絶滅するかどうかという不安を払しょくできた過渡期であったためでして、興味深いことに農耕という技術を手に入れますと人類は、金属精錬、そして車輪と立て続けに発明を続けているのだが。
オオカミはこの時点で、文字上、悪い意味を持っていなかった、という実情の背景には、農耕とオオカミ、という関係があったと推測するのが妥当なところでしょう。それは、オオカミはほかの人類に関係する動物との間で農耕へ悪影響が少なかったということで。
車輪の発明とともに、運搬にもちいる動物、牽引するための動物が必要となりますので、もちろんこのための馬や牛という存在はオオカミの標的となったことは想像に難くはないのですが、楔形文字の時代にはそうした脅威を想定して尚、オオカミの敵視はない。
人類文明の曙では、そうした関係性があったのですね。同時に、この時代は牧畜せずとも捕獲できるほど野生動物は豊富で、それを市場で交換する事で食料としての精肉を得られたという時代背景があるのですが、人類とオオカミの関係を見るうえでこの視点は重要だ。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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