■戦時下ドイツで設計の戦車構想
イルカがせめてきたぞっ。有名なイラストですが聞けばガレージキットでイルカ兵の立体化が行われているという。そのイルカ軍戦車に自衛隊の戦車は対抗できるのか。
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イルカ。映画“オルカ”では石油施設を爆破するなど大暴れしていますが、実際のイルカを見ますと、知能が高いという事でロシアやアメリカの海軍特殊部隊で特殊部隊員を支援する任務に当り、軍用犬の水中版のように活躍しています、アメリカ海軍の特殊作戦用潜水艇にはイルカ用の区画がありまして、肺呼吸のイルカに海中でも呼吸できる設備がある。
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ジョーズ3、映画の中では巨大サメに立ち向かうも歯が立たない描写が在りましたが、実は逆で特殊部隊員が海中でサメに襲われた場合は、サメの弱点は鰓であり、この部分は衝撃に弱くイルカが体当たりしますと簡単に窒息させられる、特に巨大なサメは動きが概して鈍重で、意外にも小柄なイルカは爆撃機を襲撃する戦闘機の如く優位を保てるといいます。
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イルカがせめてきたぞっ、イラストのイルカは酸素ボンベを背負っており、肺呼吸だろう、と反論があるようですが、考え方によっては呼吸出来ない経路を水路侵入に用いて奇襲したか、若しくは考えたくない事ですが、イルカの国は化学兵器禁止条約に批准していない事から、化学兵器や生物兵器を使っている可能性も。人類は海中に色々遺棄しましたからね。
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ポルシェ245型軽戦車、イルカがせめてきたぞっ!イラストの特徴を満たす戦車はこのポルシェ245型軽戦車が該当します。第二次世界大戦中、ポルシェ博士が中心となり数々の重戦車を歴史に残しています、しかし、ポルシェ社は戦時中に、巨大で強力だが生産性の低い重戦車と共に汎用性の高い軽戦車についても相応の研究開発を行っていました。
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特殊車両Vとして開発されていたポルシェ245型軽戦車は、多目的戦車として設計され、複数の種類の装備体系を統合するという、戦時における補給体系の簡略化を期していた、ポルシェ博士なりの戦時急造設計でした。もっとも、イルカがせめてきたぞっ、イラストは一枚だけであり、どのようにしてこの戦車の情報がイルカ軍に渡ったかは正に謎という。
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多目的戦車、軽量な車体に高い防御力を持たせるという難題に果敢に挑んでいます、その車体重量は18tを見込んでおり、Ⅲ号戦車が23tですので、これよりも小型となっています。軽量と防御力、矛盾する要求をポルシェ博士は被弾経始構造と傾斜装甲採用により装甲厚を稼ぐ設計で応える事としたもよう。車体部分は既存設計を用い早期量産を重視する。
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38(t)戦車、車体部分はチェコスロバキアの併合により鹵獲した38t戦車の車体を利用します、38(t)とは重量が38トンと云う訳ではなく38年式戦車の意味、ドイツ軍では初期の電撃戦に国産戦車不足を補うと共に末期戦に際しては車体製造ラインを用いPaK39-75mm対戦車砲を搭載した駆逐戦車ヘッツァーとして運用し、ポルシェ博士もここに着目した。
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Ⅲ号戦車の正面装甲は57mmで側面及び後部装甲は30mmとなっていますが、これよりも二割以上軽量なポルシェ245型軽戦車はドーム型砲塔を採用する事で60mmの防御装甲を確保する構想でした、もっともその分、砲塔内部の容積は局限化されます。ポルシェ245型軽戦車は、この砲塔内部の極小化に際し、新型砲を搭載する事で装填手を廃止しました。
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新型砲とは短砲身の55mm口径機関砲を示し、ベルト給弾式機関砲を採用する事で装填手の空間を廃止し小さな砲塔に重装甲という無理を実現しようとした構図です。そして機関砲という戦車砲以外の火砲を搭載する為、仰角90度、つまり頭上まで操砲可能という構造を採用しており、例えば対空戦車としての運用も想定しています。砲塔形状とも合うもの。
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55mm口径機関砲を搭載する多目的戦車、乗員は車長と砲手に操縦手の3名で全長4.61mに全幅2.15m、全高は2.42mと砲塔形状から軽戦車としてはやや高く、エンジンは新設計のポルシェタイプ101エンジンを採用、原型のプラガEPAエンジンの125hpよりも遥かに強力な316hpを発揮し、また小型化されている為、車体戦闘室を広く採れる計画でした。
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強力な新型戦車と見えましたが、軍需省兵器局は生産を却下しました、38(t)車体を利用してもエンジン配置とエンジンを別物とする事は兵站上の負担を増大させ、またドーム型砲塔は鋳造式となり量産に不向き、更に肝心の55mm機関砲の開発目処も立たず、55mm砲弾では対戦車用に威力不充分、1943年の戦時下では必要性に見合わないと判断したのです。
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小松崎茂先生も何故イラストにポルシェ245型軽戦車の形状をそれっぽく流用したのか、今となては謎ですが、イルカさんたちも、試作車は無いものを終戦のどさくさに海没処分された設計図を、あのポルシェ博士の設計ならばと量産したのでしょうか、しかし、そんな戦車では当時開発中の74式戦車は勿論、61式戦車に対しても対抗は難しいでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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イルカがせめてきたぞっ。有名なイラストですが聞けばガレージキットでイルカ兵の立体化が行われているという。そのイルカ軍戦車に自衛隊の戦車は対抗できるのか。
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イルカ。映画“オルカ”では石油施設を爆破するなど大暴れしていますが、実際のイルカを見ますと、知能が高いという事でロシアやアメリカの海軍特殊部隊で特殊部隊員を支援する任務に当り、軍用犬の水中版のように活躍しています、アメリカ海軍の特殊作戦用潜水艇にはイルカ用の区画がありまして、肺呼吸のイルカに海中でも呼吸できる設備がある。
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ジョーズ3、映画の中では巨大サメに立ち向かうも歯が立たない描写が在りましたが、実は逆で特殊部隊員が海中でサメに襲われた場合は、サメの弱点は鰓であり、この部分は衝撃に弱くイルカが体当たりしますと簡単に窒息させられる、特に巨大なサメは動きが概して鈍重で、意外にも小柄なイルカは爆撃機を襲撃する戦闘機の如く優位を保てるといいます。
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イルカがせめてきたぞっ、イラストのイルカは酸素ボンベを背負っており、肺呼吸だろう、と反論があるようですが、考え方によっては呼吸出来ない経路を水路侵入に用いて奇襲したか、若しくは考えたくない事ですが、イルカの国は化学兵器禁止条約に批准していない事から、化学兵器や生物兵器を使っている可能性も。人類は海中に色々遺棄しましたからね。
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ポルシェ245型軽戦車、イルカがせめてきたぞっ!イラストの特徴を満たす戦車はこのポルシェ245型軽戦車が該当します。第二次世界大戦中、ポルシェ博士が中心となり数々の重戦車を歴史に残しています、しかし、ポルシェ社は戦時中に、巨大で強力だが生産性の低い重戦車と共に汎用性の高い軽戦車についても相応の研究開発を行っていました。
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特殊車両Vとして開発されていたポルシェ245型軽戦車は、多目的戦車として設計され、複数の種類の装備体系を統合するという、戦時における補給体系の簡略化を期していた、ポルシェ博士なりの戦時急造設計でした。もっとも、イルカがせめてきたぞっ、イラストは一枚だけであり、どのようにしてこの戦車の情報がイルカ軍に渡ったかは正に謎という。
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多目的戦車、軽量な車体に高い防御力を持たせるという難題に果敢に挑んでいます、その車体重量は18tを見込んでおり、Ⅲ号戦車が23tですので、これよりも小型となっています。軽量と防御力、矛盾する要求をポルシェ博士は被弾経始構造と傾斜装甲採用により装甲厚を稼ぐ設計で応える事としたもよう。車体部分は既存設計を用い早期量産を重視する。
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38(t)戦車、車体部分はチェコスロバキアの併合により鹵獲した38t戦車の車体を利用します、38(t)とは重量が38トンと云う訳ではなく38年式戦車の意味、ドイツ軍では初期の電撃戦に国産戦車不足を補うと共に末期戦に際しては車体製造ラインを用いPaK39-75mm対戦車砲を搭載した駆逐戦車ヘッツァーとして運用し、ポルシェ博士もここに着目した。
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Ⅲ号戦車の正面装甲は57mmで側面及び後部装甲は30mmとなっていますが、これよりも二割以上軽量なポルシェ245型軽戦車はドーム型砲塔を採用する事で60mmの防御装甲を確保する構想でした、もっともその分、砲塔内部の容積は局限化されます。ポルシェ245型軽戦車は、この砲塔内部の極小化に際し、新型砲を搭載する事で装填手を廃止しました。
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新型砲とは短砲身の55mm口径機関砲を示し、ベルト給弾式機関砲を採用する事で装填手の空間を廃止し小さな砲塔に重装甲という無理を実現しようとした構図です。そして機関砲という戦車砲以外の火砲を搭載する為、仰角90度、つまり頭上まで操砲可能という構造を採用しており、例えば対空戦車としての運用も想定しています。砲塔形状とも合うもの。
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55mm口径機関砲を搭載する多目的戦車、乗員は車長と砲手に操縦手の3名で全長4.61mに全幅2.15m、全高は2.42mと砲塔形状から軽戦車としてはやや高く、エンジンは新設計のポルシェタイプ101エンジンを採用、原型のプラガEPAエンジンの125hpよりも遥かに強力な316hpを発揮し、また小型化されている為、車体戦闘室を広く採れる計画でした。
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強力な新型戦車と見えましたが、軍需省兵器局は生産を却下しました、38(t)車体を利用してもエンジン配置とエンジンを別物とする事は兵站上の負担を増大させ、またドーム型砲塔は鋳造式となり量産に不向き、更に肝心の55mm機関砲の開発目処も立たず、55mm砲弾では対戦車用に威力不充分、1943年の戦時下では必要性に見合わないと判断したのです。
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小松崎茂先生も何故イラストにポルシェ245型軽戦車の形状をそれっぽく流用したのか、今となては謎ですが、イルカさんたちも、試作車は無いものを終戦のどさくさに海没処分された設計図を、あのポルシェ博士の設計ならばと量産したのでしょうか、しかし、そんな戦車では当時開発中の74式戦車は勿論、61式戦車に対しても対抗は難しいでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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