鞍馬さんの総監部グルメ日誌
鞍馬さんの総監部グルメ日誌を朝から掲載しますが本日は鞍馬さんの特別な日ですのでこうした話題をお伝えしたい。
京都御所のとなりのタイ料理店、こういえばもうイーサンという名前は誰でも思い浮かぶと思うほど、いまや京都のタイ料理店では老舗となっています。タイ料理、日本の料理体系とは一線を画した香辛料の扱いに習熟した美味しさと味覚との出会いが、ある。
香辛料は、私以外は単に辛すぎるという感想が返ってきたのですが、辛い、けれども単に刺激のある山葵のような暴力でも唐辛子のような一方通行の刺激でもない、考えれば一九九〇年代のタイ料理店で思い浮かぶところが少ないのですが、ここがその出会い。
御所の隣に、あるじゃないか。これがこのお店の、まあ、定期的に頂いているあじわいとなっています。ランチタイムのバイキングは有名になっていますが、わたしは、前菜にソムタムを頂きトムヤンクンで気分を高揚させたあと主菜はヌアヤーン、という流れ。
ソムタム。イスラエルの個性的な自走砲ばかり開発する火砲メーカーではありません、あれはソルタムだ。青パパイヤを叩いて叩いて歯ごたえが出るほどに繊維以外を叩き潰した独特の食感に、カニとエビと果汁を荷重で潰した甘酸っぱいが辛いソースで和えた。
青パパイヤといってもそれそのものには甘みがあるわけではなく、歯ごたえが肝心、これを例えると、なんて聞かれることがあるのですが、日本食ではほかに比較するものがない、いれこれ大根のみずみずしさを持った牛蒡のようなレタス、というところでしょうか。
メコンを。大学の比較文化論を教える教授の先生に、いやあれひどいもんだよねえ、と言われた覚えがある飲み物で、確かに、これはウィスキーよりもエチルアルコールにカラメルを足したような、なんて昔は思っていたのですが、いまではこのアクの強さが必要だ。
ウィスキーを注文するとイーサンでは海老煎餅が肴で取り合わせてくれまして、そうだよタイといえばエビなんだ、怪盗ブラックタイガーとか居たしなあ、と思いつつ、うっと来る、ぐっと来るんじゃないんだ、メコンのロックを流し込み、熱いものが喉を過ぎる。
トムヤンクンは、エビのスープ。いや残念なことに昔はここ、フクロタケを使った本格的なタイ料理のトムヤンクンをのませてくれたのだけれど、最近は円安の影響か物価高の影響か、フクロダケを使わないシメジその他で誤魔化している、これはちょっと、なあ。
シン・トムヤンクン、みたいなかたちで多少値段が上がってもいいから、値段据え置きトムヤンクンとは別に二割くらいなら値段が違っていいですよ、二割五分でも、三割はどうしようかな、昔の味をそのままにして、そういうのをメニューに加えてもらいたい。
エビの、スープ。トムヤンクンはそういう説明で為されるのだけれど、これ、やはりタイ料理の特色、酸っぱいのです。日本料理では御酢はありますし発酵食品は酸味のあるものがあり、また果実もカボスを絞れば酸味は来るが、そんな小手先の酸味ではないのだ。
ヌアヤーンは、水牛のステーキ、で肉料理です。これも昔はもう少しステーキステーキしていたのが、今では中華料理風になっているのがちょっと寂しい、けれどもタイ料理でメインディッシュを、と考えるとなぜかこれを思い浮かべるようになってしまい今に至る。
ビーフなのだけれども水牛なので多少は硬いのです、けれども細かく切られていますしこれが牛肉本来の味わいなのだろうなあ、と雰囲気で頂いている。それをメコンの流れで流してゆく、京都の街角でタイ料理の香辛料が香り立つ、そんな日常も、あるのです。
わたしがタイ料理を知ったのは子供の頃、といってもお寺巡りでバンコックまで足を延ばしたのではなく、長野県のスキーリゾートへ家族旅行の際にレストランを和食かタイ料理か選べまして、知らない味覚ということで試してみたのは出会いだったのですが、京都にもこんな一時が過ごせるのだ。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
鞍馬さんの総監部グルメ日誌を朝から掲載しますが本日は鞍馬さんの特別な日ですのでこうした話題をお伝えしたい。
京都御所のとなりのタイ料理店、こういえばもうイーサンという名前は誰でも思い浮かぶと思うほど、いまや京都のタイ料理店では老舗となっています。タイ料理、日本の料理体系とは一線を画した香辛料の扱いに習熟した美味しさと味覚との出会いが、ある。
香辛料は、私以外は単に辛すぎるという感想が返ってきたのですが、辛い、けれども単に刺激のある山葵のような暴力でも唐辛子のような一方通行の刺激でもない、考えれば一九九〇年代のタイ料理店で思い浮かぶところが少ないのですが、ここがその出会い。
御所の隣に、あるじゃないか。これがこのお店の、まあ、定期的に頂いているあじわいとなっています。ランチタイムのバイキングは有名になっていますが、わたしは、前菜にソムタムを頂きトムヤンクンで気分を高揚させたあと主菜はヌアヤーン、という流れ。
ソムタム。イスラエルの個性的な自走砲ばかり開発する火砲メーカーではありません、あれはソルタムだ。青パパイヤを叩いて叩いて歯ごたえが出るほどに繊維以外を叩き潰した独特の食感に、カニとエビと果汁を荷重で潰した甘酸っぱいが辛いソースで和えた。
青パパイヤといってもそれそのものには甘みがあるわけではなく、歯ごたえが肝心、これを例えると、なんて聞かれることがあるのですが、日本食ではほかに比較するものがない、いれこれ大根のみずみずしさを持った牛蒡のようなレタス、というところでしょうか。
メコンを。大学の比較文化論を教える教授の先生に、いやあれひどいもんだよねえ、と言われた覚えがある飲み物で、確かに、これはウィスキーよりもエチルアルコールにカラメルを足したような、なんて昔は思っていたのですが、いまではこのアクの強さが必要だ。
ウィスキーを注文するとイーサンでは海老煎餅が肴で取り合わせてくれまして、そうだよタイといえばエビなんだ、怪盗ブラックタイガーとか居たしなあ、と思いつつ、うっと来る、ぐっと来るんじゃないんだ、メコンのロックを流し込み、熱いものが喉を過ぎる。
トムヤンクンは、エビのスープ。いや残念なことに昔はここ、フクロタケを使った本格的なタイ料理のトムヤンクンをのませてくれたのだけれど、最近は円安の影響か物価高の影響か、フクロダケを使わないシメジその他で誤魔化している、これはちょっと、なあ。
シン・トムヤンクン、みたいなかたちで多少値段が上がってもいいから、値段据え置きトムヤンクンとは別に二割くらいなら値段が違っていいですよ、二割五分でも、三割はどうしようかな、昔の味をそのままにして、そういうのをメニューに加えてもらいたい。
エビの、スープ。トムヤンクンはそういう説明で為されるのだけれど、これ、やはりタイ料理の特色、酸っぱいのです。日本料理では御酢はありますし発酵食品は酸味のあるものがあり、また果実もカボスを絞れば酸味は来るが、そんな小手先の酸味ではないのだ。
ヌアヤーンは、水牛のステーキ、で肉料理です。これも昔はもう少しステーキステーキしていたのが、今では中華料理風になっているのがちょっと寂しい、けれどもタイ料理でメインディッシュを、と考えるとなぜかこれを思い浮かべるようになってしまい今に至る。
ビーフなのだけれども水牛なので多少は硬いのです、けれども細かく切られていますしこれが牛肉本来の味わいなのだろうなあ、と雰囲気で頂いている。それをメコンの流れで流してゆく、京都の街角でタイ料理の香辛料が香り立つ、そんな日常も、あるのです。
わたしがタイ料理を知ったのは子供の頃、といってもお寺巡りでバンコックまで足を延ばしたのではなく、長野県のスキーリゾートへ家族旅行の際にレストランを和食かタイ料理か選べまして、知らない味覚ということで試してみたのは出会いだったのですが、京都にもこんな一時が過ごせるのだ。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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京都のお店というと観光客向けで強気の価格というイメージがあるのですけど、これは面白そうな店ですね。何かの機会に友達を連れて行ってみようかな?