◆朝雲新聞報じる
岐阜基地航空祭2008で、格納庫の隅ながら鮮烈なデビューを果たした無人航空機であるが、間もなく硫黄島での試験飛行が開始される旨、朝雲新聞が報じた。
6月25日付の朝雲新聞によれば、無人機研究システムの実飛行による試験が、間もなく硫黄島において開始されるとのことだ。F-104等を改造した無人標的機の試験は既に硫黄島などで実施されているが、この無人機は、ステルスを考慮した形状を採用するとともに、自律飛行が可能な装備として研究開発されており、仮に電子妨害などによりデータリンクから外れたとしても、任務継続が可能となっている。
無人偵察機は、F-15戦闘機に搭載され、上空で発進、可視及び赤外線カメラで収集した画像情報を即時伝送することが可能だ。無人機は、全長5.2㍍、全幅2.5㍍、重量は0.75㌧。三時間の滞空が可能とされており、偵察後に飛行場へ着陸が可能な往還機として、既に四号機までが試作されている。
技術研究本部において開発中のこの無人機は、滞空時間を重視した、一種の戦場監視機として米軍で運用されているRQ/MQ-1プレデターやMQ-9リーパー、開発中のMQ-1Cスカイウォーリアなどとくらべ、速力などを重視した、一種の高速標的機や巡航ミサイルを髣髴とさせる形態を採っており、低速で長時間を飛行する戦場監視機では対応できないような状況、例えば強行偵察のような任務への対応を想定している機体という事が判る。
無人機としては、無人標的機を改造した無人偵察機を、陸上自衛隊が第101無人偵察機隊として運用しており、このほか、西部方面特科隊や富士教導団などが、遠隔操縦観測システムとして無人ヘリコプターなどを運用しているが、今回の航空自衛隊の無人機システムは、運用範囲等の面でさらに進んだ機体である。
他方で、この無人機について、目下のところ最大の課題は、航空法の問題であろう。現行の航空法では、無人機は、文字通り一種のラジコンという位置づけにあり、例えば日本が無人偵察機を実任務において運用する可能性の高い南西諸島や日本海沿岸の飛行場での運用は航空法上難しく、硫黄島のような例外的な飛行場でなければ、現時点では試験にも障壁がある段階である。技術的問題のほかに、このように解決すべき問題もあるのだろう、と考える次第。
HARUNA
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どう見ても対艦ミサイル。航続距離と高速性重視と聞くと巡航ミサイル。と深読みしてしまう私は馬鹿でしょうか?技術は同じような気がしてなりませんね。
まあ、無人偵察機を開発しているのでしょうけど裏で巡航ミサイルの要素技術データ取得も含まれているのではないでしょうか?
公表されていませんが、巡航速度と航続距離(時間)が気になるところですね。
旧ソ連製の巡航ミサイルを髣髴させる形状、撃ったら戻ってくるイラン輸出仕様シルクワームと同じように、ちゃんと戻ってきて着陸もできるなど、・・・、な機能はあるようですが・・・。
それにしても、戦場監視という概念は航空自衛隊には、無いのですかね・・・?、低速ですが長時間飛行できる機体、グローバルホークのような機体は洋上監視に使えるということで海上自衛隊に、プレデター(どちらかというとオーバースペックですが)のような低速の無人機は戦場監視に使用できるので陸上自衛隊に、運用させた方がいいのかも!?