■臨時情報-ウクライナ情勢
本日は長崎原爆慰霊の日ですがウクライナでは激しい戦闘が続き台湾周辺では開戦前夜とも受け取れる中国軍軍事演習が続きます。
ロシア軍は今年5月13日、ルガンスク州ドネツ川渡河作戦に際し、ウクライナ軍が新しく装備したカエサル自走榴弾砲やM-777榴弾砲からの精密誘導砲弾集中射撃を受けBTG大隊戦術群が丸ごと全滅する大きな損失を被りました。そしてウクライナ戦争はウクライナ軍が時折、柔軟な戦術転換を行い効果を上げていますが、次の転換は近いかもしれない。
HIMARS高機動ロケット砲システム20両とイギリスやドイツとノルウェーが供与したMLRSは6両、ウクライナ軍には縮小編成ながらMLRS大隊に近い全般支援火力が揃う事となりました。すると、現在のGPS誘導ロケット弾により精密攻撃から、全量射撃、つまりロケット弾のもっとも威力を発揮する面制圧という運用が可能となる段階に至りました。
全量射撃、ウクライナ軍のMLRS/HIMARS部隊は現在、GPSにより精密誘導可能なM-30とM-31ロケット弾により、弾薬集積所や燃料補給処と指揮中枢や地対空ミサイル部隊など点目標を制圧する用途に用いています、しかし、MLRSは冷戦時代、クラスター弾で“大地を埋め尽くして侵攻するソ連軍戦車軍団を面制圧で撃破する”という運用が本来のもの。
点目標に対する運用、ロシア軍を大いに悩ませていますが、言い換えればHIMARSの数が足りない為に、これしか運用法が無かった為ともいえる、アメリカが最初に供与したHIMARSは4両であり、これでは24発のロケット弾しか投射できません、これで面制圧を行えば、効果不充分であるばかりか射撃位置を暴露する懸念の方が問題となるでしょう。
面制圧、しかしHIMARS高機動ロケット砲システム20両とMLRSが6両あるならば、192発を同時発射可能となり、点制圧から面制圧への運用転換が可能となります。例えば、この一カ月間、ロシア軍はHIMARSによる攻撃が断続的に続いている事で大規模な攻勢に出る事が不可能となっていますが、同時に損傷車両を整備し、攻撃準備の徴候はあります。
ロシア軍の視点ではウクライナ軍のHIMARS,MLRS運用は点目標への精密射撃なのかもしれませんが、仮にロシア軍が今年2月から5月にかけて実施したような大規模な攻勢を行った場合、ウクライナ軍がMLRS,HIMARSの運用を転換させる可能性があり、これはロシア軍の基本作戦単位である大隊戦術群を丸ごと撃破する規模となるのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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本日は長崎原爆慰霊の日ですがウクライナでは激しい戦闘が続き台湾周辺では開戦前夜とも受け取れる中国軍軍事演習が続きます。
ロシア軍は今年5月13日、ルガンスク州ドネツ川渡河作戦に際し、ウクライナ軍が新しく装備したカエサル自走榴弾砲やM-777榴弾砲からの精密誘導砲弾集中射撃を受けBTG大隊戦術群が丸ごと全滅する大きな損失を被りました。そしてウクライナ戦争はウクライナ軍が時折、柔軟な戦術転換を行い効果を上げていますが、次の転換は近いかもしれない。
HIMARS高機動ロケット砲システム20両とイギリスやドイツとノルウェーが供与したMLRSは6両、ウクライナ軍には縮小編成ながらMLRS大隊に近い全般支援火力が揃う事となりました。すると、現在のGPS誘導ロケット弾により精密攻撃から、全量射撃、つまりロケット弾のもっとも威力を発揮する面制圧という運用が可能となる段階に至りました。
全量射撃、ウクライナ軍のMLRS/HIMARS部隊は現在、GPSにより精密誘導可能なM-30とM-31ロケット弾により、弾薬集積所や燃料補給処と指揮中枢や地対空ミサイル部隊など点目標を制圧する用途に用いています、しかし、MLRSは冷戦時代、クラスター弾で“大地を埋め尽くして侵攻するソ連軍戦車軍団を面制圧で撃破する”という運用が本来のもの。
点目標に対する運用、ロシア軍を大いに悩ませていますが、言い換えればHIMARSの数が足りない為に、これしか運用法が無かった為ともいえる、アメリカが最初に供与したHIMARSは4両であり、これでは24発のロケット弾しか投射できません、これで面制圧を行えば、効果不充分であるばかりか射撃位置を暴露する懸念の方が問題となるでしょう。
面制圧、しかしHIMARS高機動ロケット砲システム20両とMLRSが6両あるならば、192発を同時発射可能となり、点制圧から面制圧への運用転換が可能となります。例えば、この一カ月間、ロシア軍はHIMARSによる攻撃が断続的に続いている事で大規模な攻勢に出る事が不可能となっていますが、同時に損傷車両を整備し、攻撃準備の徴候はあります。
ロシア軍の視点ではウクライナ軍のHIMARS,MLRS運用は点目標への精密射撃なのかもしれませんが、仮にロシア軍が今年2月から5月にかけて実施したような大規模な攻勢を行った場合、ウクライナ軍がMLRS,HIMARSの運用を転換させる可能性があり、これはロシア軍の基本作戦単位である大隊戦術群を丸ごと撃破する規模となるのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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