■はぐろ,第八のイージス艦誕生
令和時代初の護衛艦進水式、第八のイージス艦となる新しいイージス艦が本日進水式を迎え命名式を完了しました。
はぐろ。まや型護衛艦二番艦、28DDG平成28年度護衛艦としてジャパンマリンユナイテッド横浜事業所磯子工場にて建造されて参りました新護衛艦が本日進水式を迎え、新護衛艦の艦名は、はぐろ、と命名されました。初のイージス艦こんごう、より数えて八隻目のイージス艦であり、艦番号はDDG-180,令和時代に入り最初の護衛艦進水式でもあります。
イージス艦八隻体制完成へ、これは海上自衛隊護衛艦隊が1974年に四個護衛隊群体制を完成させ、護衛隊群に各2隻のミサイル護衛艦を配備する防衛力整備事業を継続しており、ターターシステム艦とイージスシステム艦の護衛艦を建造して参りましたが、まや、はぐろ建造により護衛艦隊隷下の護衛隊群へ各2隻のイージス艦配備が完了する事を意味する。
羽黒、先代の羽黒は妙高型重巡洋艦四番艦として1929年に竣工しました。基準排水量は10940tで近代化改装により基準排水量は13000tとなり、太平洋戦争緒戦ではフィリピン攻略戦参加、南方作戦に際し発生したスラバヤ沖海戦では僚艦那智と共に敵巡洋艦2隻を撃沈します。アリューシャン方面作戦やマリアナ沖海戦、レイテ沖海戦にも参加しました。
妙高型巡洋艦は条約型巡洋艦に区分されワシントン海軍軍縮条約に定義された艦砲8インチ以下排水量一万t以下の定義に従い建造され、要するに一万tの船体に8インチ砲をどれだけ搭載できるかという設計ですが、設計努力により10門を搭載しています。羽黒は幾度も海戦を乗員の努力と練度により乗り切りましたが、1945年5月南方ペナン沖に戦没する。
まや型護衛艦、基準排水量8200tと前型にあたる護衛艦あたご型の7700tよりも大型化しており、満載排水量は10200tとなります。イージス艦は艦隊広域防空艦で、まや型は建造時点でCEC共同交戦能力を有し、航空自衛隊が運用するF-35A戦闘機やE-2D早期警戒機からのミサイル誘導が可能、更に建造時点で弾道ミサイル防空システムを盛り込んでいる。
まや。一番艦まや、は昨年に同じくジャパンマリンユナイテッド横浜事業所磯子工場にて平成最後の護衛艦として進水式を迎え建造中です。護衛艦隊には広域防空艦として旧型のターターシステム搭載艦である護衛艦はたかぜ型、はたかぜ、しまかぜ、が残っており、まや型2隻の就役とともにこれら2隻は練習艦隊へ移管される、ともいわれています。
こんごう就役が1993年、イージス艦8隻体制の整備には多くの時間を要しましたが海上自衛隊はオペレーションリサーチを進め、日本のシーレーン防衛には他の装備以上に優先度の高い装備品としてイージス艦を位置づけ、整備しました。この視点は僥倖にも当り1998年に北朝鮮弾道ミサイルテポドン実験を受け急浮上の弾道ミサイル防衛に対応できました。
イージスシステムはその目に当るSPY-1レーダーの後継としてアメリカ海軍は最新鋭ズムウォルト級駆逐艦用にSPY-4レーダーを開発、2010年代にはSPY-1は世代遅れとなる公算がありました。しかしSPY-4は技術的に難航し2010年に開発中止、結果SPY-1の改良型が開発され続ける事となり、イージス駆逐艦量産も続行した事は日本にも僥倖といえる。
広域防空艦であるイージス艦の最大の能力は同時に12から21目標を迎撃できる事です。では22基来たらばお手上げかと問われれば真逆で最初のミサイルが同時に命中する頃には次発ミサイルの一群と目標までの距離によっては次々発のミサイル群も飛行中、加えて艦隊の他の護衛艦とも電子的に連携しより多くの脅威と同時に向合う事ができるというもの。
スタンダードミサイルは艦隊防空、その主武装です。対航空機用のスタンダードSM-2は射程が目標高度により70kmから110km、弾道ミサイル迎撃用のスタンダードSM-3は更に射程が大きく1100kmとなります。ミサイルがアクティヴ誘導方式という自己誘導する射程370kmから450kmのスタンダードSM-6,スタンダード2ブロック3Cも開発された。
イージス艦の量産は護衛艦はぐろ竣工の二年後を以て一段落します、それは2021年です。しかし同時に陸上配備型イージスシステム、イージスアショアの山口縁と秋田県への整備事業という次のイージス艦、陸上イージス艦というべき弾道ミサイル防衛システムの建設が待っています。この建設費は二基6500億円、まや型イージス艦1700億円の四倍近い。
こんごう、きりしま、みょうこう、ちょうかい、あたご、あしがら、まや、そして本艦はぐろ。ただし初のイージス艦こんごう艦齢は本艦竣工時で艦齢28年となっており、護衛艦の寿命は従来24年、現在は延命により35年程度となっていますので、更なる延命を行うか、はぐろ竣工の5年後には次のイージス艦進水式を行い、次のイージス艦を建造することとなるのでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
令和時代初の護衛艦進水式、第八のイージス艦となる新しいイージス艦が本日進水式を迎え命名式を完了しました。
はぐろ。まや型護衛艦二番艦、28DDG平成28年度護衛艦としてジャパンマリンユナイテッド横浜事業所磯子工場にて建造されて参りました新護衛艦が本日進水式を迎え、新護衛艦の艦名は、はぐろ、と命名されました。初のイージス艦こんごう、より数えて八隻目のイージス艦であり、艦番号はDDG-180,令和時代に入り最初の護衛艦進水式でもあります。
イージス艦八隻体制完成へ、これは海上自衛隊護衛艦隊が1974年に四個護衛隊群体制を完成させ、護衛隊群に各2隻のミサイル護衛艦を配備する防衛力整備事業を継続しており、ターターシステム艦とイージスシステム艦の護衛艦を建造して参りましたが、まや、はぐろ建造により護衛艦隊隷下の護衛隊群へ各2隻のイージス艦配備が完了する事を意味する。
羽黒、先代の羽黒は妙高型重巡洋艦四番艦として1929年に竣工しました。基準排水量は10940tで近代化改装により基準排水量は13000tとなり、太平洋戦争緒戦ではフィリピン攻略戦参加、南方作戦に際し発生したスラバヤ沖海戦では僚艦那智と共に敵巡洋艦2隻を撃沈します。アリューシャン方面作戦やマリアナ沖海戦、レイテ沖海戦にも参加しました。
妙高型巡洋艦は条約型巡洋艦に区分されワシントン海軍軍縮条約に定義された艦砲8インチ以下排水量一万t以下の定義に従い建造され、要するに一万tの船体に8インチ砲をどれだけ搭載できるかという設計ですが、設計努力により10門を搭載しています。羽黒は幾度も海戦を乗員の努力と練度により乗り切りましたが、1945年5月南方ペナン沖に戦没する。
まや型護衛艦、基準排水量8200tと前型にあたる護衛艦あたご型の7700tよりも大型化しており、満載排水量は10200tとなります。イージス艦は艦隊広域防空艦で、まや型は建造時点でCEC共同交戦能力を有し、航空自衛隊が運用するF-35A戦闘機やE-2D早期警戒機からのミサイル誘導が可能、更に建造時点で弾道ミサイル防空システムを盛り込んでいる。
まや。一番艦まや、は昨年に同じくジャパンマリンユナイテッド横浜事業所磯子工場にて平成最後の護衛艦として進水式を迎え建造中です。護衛艦隊には広域防空艦として旧型のターターシステム搭載艦である護衛艦はたかぜ型、はたかぜ、しまかぜ、が残っており、まや型2隻の就役とともにこれら2隻は練習艦隊へ移管される、ともいわれています。
こんごう就役が1993年、イージス艦8隻体制の整備には多くの時間を要しましたが海上自衛隊はオペレーションリサーチを進め、日本のシーレーン防衛には他の装備以上に優先度の高い装備品としてイージス艦を位置づけ、整備しました。この視点は僥倖にも当り1998年に北朝鮮弾道ミサイルテポドン実験を受け急浮上の弾道ミサイル防衛に対応できました。
イージスシステムはその目に当るSPY-1レーダーの後継としてアメリカ海軍は最新鋭ズムウォルト級駆逐艦用にSPY-4レーダーを開発、2010年代にはSPY-1は世代遅れとなる公算がありました。しかしSPY-4は技術的に難航し2010年に開発中止、結果SPY-1の改良型が開発され続ける事となり、イージス駆逐艦量産も続行した事は日本にも僥倖といえる。
広域防空艦であるイージス艦の最大の能力は同時に12から21目標を迎撃できる事です。では22基来たらばお手上げかと問われれば真逆で最初のミサイルが同時に命中する頃には次発ミサイルの一群と目標までの距離によっては次々発のミサイル群も飛行中、加えて艦隊の他の護衛艦とも電子的に連携しより多くの脅威と同時に向合う事ができるというもの。
スタンダードミサイルは艦隊防空、その主武装です。対航空機用のスタンダードSM-2は射程が目標高度により70kmから110km、弾道ミサイル迎撃用のスタンダードSM-3は更に射程が大きく1100kmとなります。ミサイルがアクティヴ誘導方式という自己誘導する射程370kmから450kmのスタンダードSM-6,スタンダード2ブロック3Cも開発された。
イージス艦の量産は護衛艦はぐろ竣工の二年後を以て一段落します、それは2021年です。しかし同時に陸上配備型イージスシステム、イージスアショアの山口縁と秋田県への整備事業という次のイージス艦、陸上イージス艦というべき弾道ミサイル防衛システムの建設が待っています。この建設費は二基6500億円、まや型イージス艦1700億円の四倍近い。
こんごう、きりしま、みょうこう、ちょうかい、あたご、あしがら、まや、そして本艦はぐろ。ただし初のイージス艦こんごう艦齢は本艦竣工時で艦齢28年となっており、護衛艦の寿命は従来24年、現在は延命により35年程度となっていますので、更なる延命を行うか、はぐろ竣工の5年後には次のイージス艦進水式を行い、次のイージス艦を建造することとなるのでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
DEのポジションを引き継ぐという訳ですね?
国名、地域名等と被らない河川名なら日本にごまんとあるでしょうが、あまりの小川では箔がつきませんし・・・使えるのはどのくらいあるかな~?(^^)
>イージスアショアのライフサイクルコスト:2基で6000億円
>イージス艦のライフサイクルコスト:2隻で8000億円
2つコメントがあります。
・イージスアショアが想像以上に高価ですが、それは新しいレーダーを使っていることはどれくらい寄与しているのでしょうね。レーダー単体の性能としては、現状の最新の「はぐろ」搭載のものより、大幅に高性能なはずです。世代が違うので。
#逆に言うと、「こんごう」後継など、次期イージス艦は、大変な金額になりそうです。
・イージス艦は、稼働率の関係で、2隻では一つの作戦拠点すら維持できませんが(最低3隻、基本的には4隻必要)、一方で、アショアの稼働率はどのくらいなのでしょうか。公式な数字があると良いのですが。24時間365日という説明がネットにありますが、さすがに無理でしょう(それでは、レーダー面の清掃や塗装、レーダー面前方の各機器のメンテナンスすらできない)。でも、8割くらいは、稼動できそうかなぁと思いますが(根拠なし)。
#稼働率を補正すると、対北朝鮮の弾道弾防衛という一点に限れば、この値段だとしても、イージスアショアの圧勝ですね。。。
PS しかし高い。陸自がハイテク装備を手に入れたのは良いことと思います。しかし、どこからこの維持費を捻出するのでしょうね。。。
3900t型、結局あさぎり型よりは大型化し、しかも後期建造型は大型化の余地が残る、艦名はどうなるのでしょう、ね
個人的には軽巡の継承で河川名、という選択肢もあるのかな、と思いつつ。しかし潜水艦の瑞祥動物がそろそろ限界に来ていますので、河川名は潜水艦に、とも思ったりします
ファクトチェック感謝
イージス艦のライフサイクルコスト:2隻で8000億円
長船の羽黒、横浜で復活ですね。長船は、こんごう、きりしま、みょうこう、あたご、あしがら。横浜は旧IHI東京時代含め、ちょうかい、まや、はぐろ。イージス艦の老舗は長船、という構図、さて次は、と気が早いか
なんにしてもこれで暫く山岳名はないでしょう。
これから続々と建造されるFFMの命名基準は「雑木林」ではなくDDGが山岳名になって以来途絶えている「かぜ」系列を希望します!
長崎で働いた経験のある者として、羽黒の名前を受け継ぐ艦が生まれてうれしいです。