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アメリカ国務省,スーダン在住アメリカ市民1万6000名に24時間以内の退去勧告-情勢悪化の懸念

2023-04-29 07:00:17 | 国際・政治
■臨時情報-スーダン情勢
 自衛隊が救出したスーダン脱出邦人は希望者の日本への帰国が開始されましたが。

 アメリカ政府はスーダン在住のアメリカ市民へ48時間以内に出国するよう勧告しました。この勧告は昨日朝のものですから正確には残り時間は24時間となります。そして驚いたのですが、スーダン国内のアメリカ市民は人数が多く、これによりアメリカ政府は日本を含めた各国政府が実施しているような自国民救出作戦を実施していないのですけれども。

 1万6000名、桁を間違えた訳ではないのですが1万6000名のアメリカ市民がスーダン国内に取り残されているとニューズウィーク紙は報道しています。スーダン情勢の更なる緊迫化が懸念される為に、国外退避をアメリカ国務省が勧告しているのですが、これは72時間停戦が停戦時間終了後に劇的に悪化する懸念があるために、独力で退避しろ、という。

 日本の自衛隊は、邦人にポートスーダンまでの自力移動を要請したかたちではあるのですが、逆に言えばポートスーダンまではC-2輸送機を展開させている訳です。ただ、日本の場合は60名という人員規模の小ささが在った、いや2017年の時点で在留邦人は100名前後であったために万一の際の楽観要素が在ったと考えていたのだけれどもアメリカは別だ。

 アフガニスタン在留自国民移動、思い出すのは日本政府が後手に回った邦人輸送任務の事実上の失敗なのですが、今回はいかに状況の急変が早過ぎたとはいえ、アメリカ政府は大使館員70名だけを軍の特殊部隊により救出したものの、その一回だけで自国民救出に軍隊を派遣せず、国務省が勧告を出すだけという、非常に冷酷な方法を突き付けています。

 2012年ベンガジアメリカ領事館襲撃事件、学んでないな、ともうのはアメリカは2012年に騒乱状態となったリビア国内においてアメリカ領事館へ暴徒の大群が集結している状況を認識できず、結果的にリビア領事館に詰めていた政府要員と民間警備会社警備要員の多数を殺害される状況が有りました、そしてこれは後にアメリカの危機管理を問う事態に。

 クリントン候補、アメリカ大統領選においてクリントン候補がトランプ候補に敗北した一因に、ベンガジ領事館襲撃事件の時点で国務長官がクリントン候補であった、ということです。バイデンアメリカ大統領が来年度哀悼稜線へ出馬表明を行いましたが、自国民救出が人気取りでは無い事は承知しつつ、危機管理のセンスの無さを浮き彫りにしていないか、危惧するのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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