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【京都発幕間旅情】彦根城,師走は年末年始へ正月飾りと鏡もち奉じられた十二現存天守閣の彦根城天守をめぐる

2023-12-27 07:00:25 | 旅行記
■彦根城天守閣の正月飾り
 お正月の準備を終えた天守閣というものをみあげるのはこの季節ゆえの特別な情景といえるのかもしれませんよね。

 天守閣、彦根城は現存12天守閣の一つなのですが、この天守閣の美しさは一通りでは説明できません、こういうのも見る角度によって全く異なる天守閣の情景なのですね。東側から、つまり江戸というか東京の方角からみますと、ほっそりとした角の無い優しさ。

 大坂方面を睨む天守閣は、石垣が鋭く突き出ているような構造となっていまして、もう一つ重要な経路となる琵琶湖の方角へも、明らかに優しさとは真逆のものをくくりつけるように突き出しているという。ここまで計算して造形を仕上げたのかが、ちょっと興味深い。

 彦根城天守閣を一周廻るだけで、特に山頂の天守閣をぐるりとまわるのと、城郭を外堀から見上げるのとも全く異なる印象を突き付けられるものでして、城郭、建築工学などからみるだけではなく、心理的な突き付ける印象で、また見え方が変わってくるようにおもう。

 正月準備の天守閣に入りました。不思議なのですが、いまの季節は天守閣に長い通路を通るのではなくいきなり基部に入ることとなる。松本城のように耐震上の問題が在ったのか、繁忙期なので見学者をショートカットさせるつもりなのか。それ程混雑は無かったけれど。

 鏡もち、ああいうのを鏡開きというのだろうなあ、という程に大きく硬くなった後は割れそうな印象で、そして上には蜜柑なんてものを載せるのではなく多数のスルメイカとコンブの大判、基部には干し柿が、そう鏡なのでわれるという事なのか偶数分ならんでいた。

 天守閣の一階部分は、そう、一応石垣の中の急な階段の先にあるのですけれども、広々としている印象でした。そしてその先に二階部分と最上階がひろがるのですが、天守閣、江戸時代には平時の武器庫という位置づけであったようで日常生活の場ではなかった、と。

 一階部分は金網の先に彦根市街が見えました。けれども、この天守閣は一階部分が広いだけで二階部分からは急激に狭くなるという。もっとも、天守閣が大きくなったのは近世、中世の天守閣は望楼の役割が在った為に、中の容積は近世の天守閣よりも狭かったという。

 現存天守閣を視た上で復元天守閣をみますと、思い切って大坂城のようにエレベータと歴史資料館としているものはべつとして、いま、名古屋城が木造天守閣を再建しようとしている現状で問題となっているバリアフリー確保の問題、これは絶対両立しえないよなあ。

 バリアフリーのためにエレベータを、というのはちょっと、考証通りの再建には無理だろうというもので、今は無き安土城や豊臣秀吉時代の大坂城ならばエレベータを有していたともいわれるものの、車いすのまま乗れるエレベータは有得ないだろう、と思うのですね。

 潜水艦や戦車がバリアフリーでないように、城郭を再現する際にバリアフリーを求めるのは不可能でしょう、それは愛宕神社の本宮までリフトを通せとか、金毘羅山にエレベータを設置しろ、というのに等しいもので。ただ、ハンディある人に閉ざすべきとは思わない。

 強力といいますか、金毘羅山はつい最近まで籠で上まで人力で運んでもらう有料サービスがあったといいまして、例えば正確に再現したとしても、ウインチで本人だけ上に階段を運ぶことは出来るのかな、と思うのです。もちろん上る際には本人の努力も必要だけれど。

 今回の登城、実は天守閣まで登る予定はなかったのでかなりのカメラ機材をカメラバッグに収めていた為、重く見動きは大変でした、けれどもそのために天守閣の階段を上るのも降りるのも一苦労でしたけれども、努力が有れば何とかなるということを少し示せました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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