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【京都幕間旅情】光明院,キングコング公開90周年-東福寺塔頭は不思議な芸術品に包まれている

2023-11-02 07:00:06 | 写真
■ゴジラでなく狛犬
 狛犬の巨大な襖絵がゴジラに見えてくる新作公開前夜というか前日の今日この頃です。

 臨済宗の寺院でゴジラ。学校でアイドル、というラブライブが既に日本では一種の文化として定着しNHKでさえラジオを含めて放送しているくらいですので、東福寺塔頭、光明院に怪獣にしか見えないものの展示があっても不思議ではないのかもしれません。

 ゴジラマイナスワン、しかしアルファでありオメガだ、とされる1954年のゴジラよりも前に遡るとは、ちょっと発想を頑張ってみたなあ、と考えるものです。いや、近未来にゴジラが出るという描写は怪獣忠臣蔵、改め、怪獣総進撃、にて描かれたテーマですが。

 江戸に現れたキングコング、過去にさかのぼる怪獣映画といえばこれか。日本特撮映画の原点の一つともいわれる映画ながら、発表が1938年で制作した全勝キネマは倒産、映像が残っておらずポスターだけが現存する作品なのですが、あのころの日本映画は凄い。

 キングコング公開90周年、そう2023年というのは1933年にアメリカでキングコングが公開されて90周年という節目の年でして、ゴジラマイナスワンはゴジラ公開が1954年ですし、何故2024年まで待てなかったのかなあ、という気がしないでもない、そして。

 和製キングコング公開90周年、実は日本はアメリカでキングコング公開のその年にパクッて和製キングコングを、日本配給会社がモメている最中にヤッてしまっているのですね。しかも着ぐるみ版キングコングはアメリカが1976年ですので遥かに先を行ったわけ。

 日本映画、凄いというか逞しい、和製というのは劇中で、キングコングアメリカの名声にアヤカッて劇場で見世物として上映いや上演し、大好評の最中に恋騒動が巻き起こり、キングコング着ぐるみを着たまま役者が東京を走り回り、キングコングだと大騒ぎになる。

 パニック超大作というか、街中がパニックになる超大作という、今風に言えばキングコング東京に現る、という感じか。権利関係が大変なのかもしれませんが1933年の話題なのですから敢えてNHKあたりで、和製キングコングリメイクを期待してしまうなあ。

 ハワイマレー沖海戦、1954年ゴジラは戦時中の特撮映画を手掛け、その関係でなぜか公職追放になった円谷英二御大と、本多猪四郎御大、クロサワ映画陰の立役者という本多監督がメガホンをとった作品ですが、考えればようやく日本はキングコングを脱却する。

 ゴジラとともに、ゴジラの逆襲が翌年公開されますと、しかしいったん日本はゴジラを卒業し、空の大怪獣ラドンに大怪獣バラン、地球防衛軍ではモゲラ、ゴジラは1962年にキングコング対ゴジラで帰ってきますが、前年1961年にはモスラも誕生しています。

 モスラの次にゴジラが帰ってきたわけですが、ゴジラ復活の二年後に宇宙怪獣ドゴラを発表、日本映画はゴジラに依存せず、大映はガメラ、松竹はギララ、日活はガッパ、と独自路線を行きました。ガメラ以外はシリーズ化される事はなかったのですけれどもね。

 怪獣は、ただ、過去のものとなったのかと問われれば今放映中のアニメ聖剣学院の魔剣使いではヴォイド、私の推しは悪役令嬢。ではTAIM、聖女の魔力は万能ですでは安直ながら魔物、日本では定期的に怪獣にカテゴライズされる新しい存在は連綿と量産が続く。

 映画はゴジラ頼りである、のだけれども何かこう昔のように、新怪獣と書こうとして誤変換で深海獣とでるのだから、SFの古典山椒魚戦争と艦隊これくしょん艦これを合わせたような作品でもいいから、新怪獣がわっと沸かせてほしいと思う今日この頃です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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