北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

航空自衛隊電子戦機YS-11E(航空総隊司令部飛行隊電子戦支援隊)

2009-03-01 21:27:53 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆電子戦訓練支援機

 先日岐阜基地で撮影した写真の中で、YS-11EAの写真があったので、本日はこの機体について少し掲載したい。当日の様子は第二北大路機関でも掲載しているので、重ねて見ていただければ幸い。

Img_9349  航空自衛隊では、人員や貨物輸送に用いていたYS-11がC-1輸送機などの導入により、数に余裕が出てきたことから一部の機体を飛行点検機や電子戦訓練支援機、そして電子情報収集を行う電子測定機などに転用され、運用されている。この種の機体は、予算上軽視されやすいのだが、航空自衛隊では、比較的早い時期から導入を開始しており、かなり遠くまで行っているようである。

Img_9359  YS-11EAは、航空総隊司令部飛行隊の電子戦支援隊に所属している機体で、電子妨害装置J/ALQ-7を搭載している。この機体の任務は、実際にレーダーサイトに対して電子妨害などの電子戦状況を作り出し、実戦的な訓練を行うことにある。EAがあれば、EBもあって、こちらは電子情報収集を行うJ/ALR-2を搭載、機体は迷彩で両方とも入間基地に展開している。

Img_9365  YS-11は、機体そのものが老朽化しているため、こちらも後継機について考えなければならない時期。有事の際に電子戦機としても運用できるEF-15、のような装備が必要なのではないか、との話を聞いたことがあるが、 当方は、C-Xが初飛行し、量産化が進めば、C-130Hが余剰となり、一部が電子戦機に改造されるのでは、と思った次第。C-Xと国家財政の状況をみると両方とも難しそうだ。

Img_9375 三菱リージョナルジェット(MRJ)が、自衛隊の運用するYS-11の後継としてあてられるとの話が出ているが、電子戦訓練支援機や、電子測定機のような、胴体部分の改修を行う機体というのは、機体そのものの開発が終了してからでなければ開発に当たることは出来ず、そこまでYS-11は大丈夫なのかな、と考えたりもする。

Img_9383  このYS-11EAは、主翼の右側付け根に、電子機器用の発電機と冷却装置などが収められた膨らみがあるのだけれども、逆光覚悟で、機体を反対側から撮るべきだった、と現地の人たちに教えてもらった。この位置では撮影不可能。逆光を覚悟して走っても間に合わないので、今回は断念するしかないのだが。

HARUNA

[本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる]

コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする