北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成二十五年度六月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2013.06.23)

2013-06-20 23:30:43 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 行事予定を掲載しつつ、台風が接近する中、今回紹介する行事の実施は台風とは関係ないのかな、と思う今日この頃、如何お過ごしでしょうか。

Gimg_9127 今週末の自衛隊行事ですが、東北南部の山形、宮城、福島という三県を防衛警備管区とし、東日本大震災及び福島第一原発事故の矢面に立った神町駐屯地の第6師団が創設記念行事を行います。本年は、第6師団創設51周年にあたり神町駐屯地創設57周年を迎えます。

Ghimg_2896 第6師団は、北部方面隊の第2師団と並び、陸上自衛隊のC4ISR実験師団として将来戦闘へ向けての運用研究を担当する師団であり、本土師団や旅団の将来装備体系や運用体系を先んじて研究している部隊、震災対処と共にこうした視点からも注目の行事と言えるでしょう。

Gimg_0799 北部方面隊管区では第27普通科連隊と第342施設中隊の駐屯する釧路駐屯地祭が行われます。第27普通科連隊は第5旅団隷下、第342施設中隊は北部方面施設隊第12施設群隷下の部隊で、陸上自衛隊最大規模の演習場である矢臼別演習場の近くに駐屯地はあります。

Ghimg_2344 第27普通科連隊は、北部方面隊の他の普通科連隊と同じく、一部中隊を装輪装甲車により装甲化した機械化連隊で、一方、連隊を構成する普通科中隊の一部を分散配置し、北方領土を睨む道東地区の防衛警備に当たっています。なお、本年は駐屯地創設60周年にあたるもよう。

Gimg_1785 島松駐屯地祭、島松駐屯地には北部方面後方支援隊本部、北海道補給処本処、第1高射特科群隷下の第303高射中隊及び第304高射中隊のホークミサイルなどが駐屯しています。後方支援部隊の駐屯地ではありますが、装備品展示のほかにホークミサイルによる訓練展示も行われたことがあるようで、自衛隊行事は見たいが、釧路はちと遠い、という方には、一つお勧めの行事と言えるやもしれません。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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防衛産業、上位三社は三菱重工・日本電気・川崎重工で中央調達実績は6833件

2013-06-19 22:10:17 | 国際・政治

◆日本電気製、野外通信システム14式を調達

 朝雲新聞が平成24年度防衛省中央調達実績を発表しました、これによれば防衛産業は、三菱重工、日本電気、川崎重工が上位三社を占めた、とのこと。

Img_4423 防衛産業、と言いますと戦車やイージス艦に戦闘機を生産する三菱重工、そして続いて川崎重工が、という印象が強かったのですが、平成24年度の調達に限って述べるならば、川崎重工よりも日本電気がその中心を担い、三菱重工に次いで第二位の取引額を有していました。

Simg_9989 主要調達を俯瞰しますと、陸幕では、野外通信システムが日本電気より14式が877億円、10式戦車が13両三菱重工より111億円、99式自走榴弾砲が日本製鋼所より6両43億円、CH-47JAが川崎重工より3機135億円、UH-60JAが三菱重工より2機47億円と続きます。

Gimg_6392 AH-64Dは一機富士重工より31億円、対空戦闘指揮統制システムが三菱重工より一セット51億円、03式中距離地対空誘導弾二セット293億円、1式地対空短距離誘導弾二セット東芝より95億円、87式対戦車誘導弾一式41億円を川崎重工から、中距離多目的誘導弾1セットを43億円で川崎重工から。

Kuramaimg_9102_1 海上自衛隊は、19500t型22DDH一隻がジャパンマリンユナイテッドより740億円、イージス艦へのミサイル防衛能力付与改修契約が米海軍床より一式を341億円、潜水艦2900t型一隻が308億円を川崎重工と富士重工が、P-1哨戒機用エンジン3セットがIHIより33億円で契約となりました。

Img_4033 加えて、海上自衛隊との契約ではMCH-101掃海輸送ヘリコプター3機を川崎重工と142億円で、哨戒ヘリコプターSH-60K7機を197億円で三菱重工及びIHIと、12式魚雷一式を三菱重工と121億円で、シースパローミサイルRIM-162を一式95億円で、それぞれ契約しています。

Nimg_0353 航空自衛隊ではF-35A戦闘機一式が米空軍省と569億円、C-2輸送機が川崎重工と2機が287億円で、救難ヘリコプターUH-60Jが二機を三菱重工が30億円で、地対空ミサイルペトリオットが三式を三菱重工と773億円で、99式地対空誘導弾B一式を57億円で、レーダーセットAN/APG63V1が一式95億円で三菱電機と契約した、とのこと。

Img_9151a 技術研究本部は03式中距離地対空誘導弾開発費に一式110億円を三菱重工と、XASM-3空対艦誘導弾を三菱重工と一式89億円で、新電子戦システム一式を三菱電機と69億円で契約し、防大より8億円、防衛医大より16億円、内局より110億円の契約が交わされています。

Img_7403h 防衛装備品の契約は全体では6833件と前年度よりも1871件減少したとのことですが、金額は全体で1兆5287億円と前年度比では572億円増額されています。全体では電子関連装備品の契約が相当大きな比重を占めています。

Gimg_2946 師団通信システムは一挙に全師団と旅団に当たる14式が調達され、877億円と戦車100両分にあたる費用です。情報共有が協同交戦能力を以て全体の能力と高めると共に、その整備費用が相当おおきいことを端的に示しているといえるでしょう。

Img_1285 その費用面では、19500t型護衛艦やF-35A戦闘機五機の取得費用よりも大きく、逆にその費用対効果の高さも垣間見えるようです。なお、本文に一式とあるものは必ずしも一セットを示すものではなく、同種の装備を一式としたものとなっています。

Nimg_8194_1 実は防衛装備品は我が国を防衛する陸海空防衛という装備体系、システムの一要素を個々の装備品が構成しているもので、これらを連携させる通信システムや共同交戦能力が装備品の能力発揮と全体の能力を大きく左右させるため、此処の装備品単体の能力検証は必ずしも全体の能力を反映するものではなく、防衛装備品に関する検証と研究を行う上での大きな留意点となっていることを忘れてはなりません。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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パシフィックパートナーシップ2013へ“友愛ボート”護衛艦やまぎり以下陸海空部隊が派遣中

2013-06-18 23:55:29 | 国際・政治

◆航空自衛隊からはKC-767派遣、NPO11名も参加

 防衛省は6月12日から7月6日までの期間、パシフィックパートナーシップ2013へ部隊を派遣中です。

Img_7331 今回のパシフィックパートナーシップ2013へは、海上自衛隊より護衛艦やまぎり、及びその艦載機としてSH-60J哨戒ヘリコプターが一機、航空自衛隊よりKC-767空中給油輸送機一機が派遣され、陸海空自衛隊より医療関係要員が調整員含め40名参加、250名規模の部隊参加となっています。

Mimg_6687 加えて、NPOからの参加としてはNPO法人国際緊急医療衛生支援機構より10名が、NPO法人アムダから1名が参加しています。パシフィックパートナーシップへは参加開始当初からNPO参加が防衛省により広く募集されており、実務経験などで応募資格を満たすNPOが今回も参加しました。

Img_1356 ドーンブリッツ日米合同訓練や、ワシントン州にて実施されている日米共同指揮所訓練ヤマサクラ、先日房総沖で行われた日豪共同訓練など、様々な訓練が行われているところではありますが、本年もパシフィックパートナーシップへの参加が行われていることも忘れてはなりません。

Img_0770 パシフィックパートナーシップとは、2007年より米軍が開始した多国間訓練で、各国の軍事機構のみならず、政府関係者、国際機関、NPOなどの民間団体が参加し、各国の連携強化と大規模災害への共同対処能力を強化するための訓練です。我が国では、参加当時、友愛ボートと呼ばれていたのをご記憶の方が多いのではないでしょうか。

Img_0679 今回は、トンガ王国とパプアニューギニアにおいて実施され、訓練期間は6月12日から7月6日まで、両国を6月12日から22日までの期間をトンガ王国、6月25日から7月6日までの期間をパプアニューギニアにおいて医療支援活動や民間交流任務等をちゅうしんとした訓練を実施します。

Img_3656f 訓練は、過去の参加実績を見てみますと会場設営と歯科診療や内科診療といった実任務に準じた行動、公衆衛生教育や文化交流が行われ、このほか東日本大震災後では東日本大震災に関する自衛隊の対応などが展示され、文化交流では催事やスポーツ交流が行われました。

Mimg_4137 友愛ボートとして鳩山内閣時代に鳴り物入りで開始されたパシフィックパートナーシップは、派遣艦艇こそ、かつての輸送艦に対し護衛艦となり、このため同乗できるNPO要員の数にも限りが出てきていますが、これは聞くところによれば、NPOからは2010年に4団体22名、2011年参加無し、2012年は19名と、輸送艦が必要なほどの参加資格を持つ団体の応募がないため、とのこと。

Img_9849a 鳩山内閣時代以前にも開始当初から数名の要員を派遣していたのですが、部隊として参加を行ったのは2010年からです。訓練参加表明当時は、時の鳩山総理の不規則な言動と友愛ボートという不可思議な呼称から、単に有象無象の実務経験や能力のない自称NPOが海外旅行の方便に使われるのではないか、と一部で危惧する声もありました。

Fimg_5899 こうした危惧は当方も実のところ同様の不安を抱えていたのですが、この訓練への参加は、国際平和維持活動において同列に活動するNPOと自衛隊との連携の基盤を演練し、東南アジア地域や環太平洋地域における軍民協力下での国際貢献任務への重要な態勢固めへの訓練となり、今に至ります。

Mimg_1594 なお、2011年の訓練参加は、東日本大震災災害派遣により参加規模を大きく縮小し実施していますが、2010年と2012年の訓練参加へは輸送艦おおすみ型を派遣しています。今回は護衛艦による参加となりますが、医療部隊の装備をどう搭載しているか、等護衛艦にも相応の災害対処能力が求められる昨今、興味が湧くところです。

北大路機関:はるな

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浜松基地航空祭2012詳報① 快晴に恵まれた航空自衛隊発祥の地浜松基地の航空祭

2013-06-17 23:05:18 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆第一航空団展開する航空自衛隊発祥の基地

 浜松基地、静岡県の出世城浜松城よりやや北に所在する航空自衛隊基地です。今回から航空自衛隊行事詳報紹介として、2012年11月18日に行われたこの浜松基地航空祭を掲載しましょう。

Hmimg_2946 浜松基地航空祭エアフェスタ浜松、浜松基地はJR東海道本線と東海道新幹線浜松駅から、北へ5kmの場所にあります。この浜松基地へは路線バスで行くことが出来ますが、航空祭では浜松駅からシャトルバスを利用して基地まで移動します、この日は浜松駅に0745時に到着、0749時にシャトルバスの長蛇の列に並んだのですが、0756時には乗車でき、0818時に基地へ入場、0824時に降車しました。

Hmimg_2643 航空自衛隊発祥の地、浜松基地は1954年7月1日に行われた航空自衛隊発足記念式典の会場となり、当時は連絡機と練習機のみながら、第二次大戦を戦い抜いた精鋭が集い、見事な編隊飛行を行った記録写真が残されています。つまり、こうしたことから、ここ浜松基地は航空自衛隊発祥の地、といえるわけですね。

Hmimg_2633 現在の浜松基地は、航空自衛隊教育訓練体系の総本山、航空教育集団司令部が展開し、司令部とともに第一航空団、第一術科学校、第二術科学校、教材整備隊、高射教導隊が展開、また航空総隊隷下で早期警戒機を運用する警戒航空隊司令部と飛行警戒管制隊が展開している基地です。

Hmimg_2640 基地へ入ると共に聞こえていた金属音の正体、二機のT-4練習機が編隊を組み、エンジン音を響かせつつ天候偵察へ離陸してゆきます。時計を見れば0830時、いよいよ航空祭が始まるわけです。さて、実はこの浜松基地航空祭ですが、新幹線ひかり号利用で、東京からも京都からも一時間半、名古屋からは名鉄線とJR線利用で一時間半、東名高速と新東名高速の開通で凄く便利になりました。

Hmimg_2745 これはなにを意味するか、簡単です、物凄く混雑する航空祭なのです。日本最大の入場者を誇る航空祭は池袋から西武線で一本の入間基地航空祭ですが、それに次いで混雑する航空祭は、この浜松基地航空祭か、岐阜基地航空祭、つまり急いで撮影位置を確保しなければ滑走路を離陸する勇壮な様子が見れない。

Hmimg_2625 空腹感を感じ、当面の口糧を入手する、これを早いうちに実施しないと、ものの十分十五分でこの長大な出店街も全て長蛇の列で覆われます。さあ、モリモリ食べて元気に撮ろう!、つか車両展開で夜明け前に到達しているはずという、現地合流予定のあいつはどこだあ。

Hmimg_2767 T-4,地上展示機を、多少空腹感がまぎれるとともに撮影開始です。地上展示機も混み始めると観衆の大海に浮かぶ小島の如く、撮影しにくくなるので、朝一で撮影するか、航空祭終了間際に撮影するのか、ということになるので、それならば早いうちにとってしまおう、ということとしたところ。

Hmimg_2753 ブルーインパルスのT-4と、奥にはE-767早期警戒管制機、このブルーインパルスは現在松島基地の第四航空団に所属していますが、発足したのはここ浜松基地で、当初は決して新しいとは言えない亜音速の昼間戦闘機F-86を以て如何に最新鋭機を相手に抑止力を維持するか、という戦技研究班として、実戦部隊を支える技術を研究していました。

Hmimg_2649 それにしてもいい天気だ、この日は十一月十八日、十月までは秋とは名ばかりの蒸し暑さが続き、残暑じゃないという印象でしたが十一月となればもう冬のはずなのに心地よい秋風が身を包む絶好の外出日和で、映える青空の写真通りというべき良い一日の始まりでした、人多かったけど。

Hmimg_2704 F-15,術科学校の教材で地上展示に展開していました。ちなみに、ここ浜松基地、会場は混雑するのですが横に非常に長く開城が確保されているので、最前列を確保したい場合には、空いている方角へ、横へ横へ、芝生の奥にある臨時駐車場の方へ向かってゆくと、なんとか最前列を確保できる。

Hmimg_2706 AAM-5空対空ミサイルが搭載されています、白いこの短射程ミサイルは短射程といいつつ射程は30kmから50kmに達し、従来の中射程ミサイルに相当するほか、非常に高い機動性を有し、現在第一線の最新鋭戦闘機であっても、回避行動によるミサイルの追尾からの離脱が出来ないという2004年制式化の最新空対空ミサイル、下の青いミサイルはAIM-7中射程空対空ミサイル、射程70kmで戦闘機がレーダーで誘導しマッハ4で目標へ向かう。

Hmimg_2680 F-2支援戦闘機、こちらも教材です。F-15は敵戦闘機を排除する要撃戦闘機で制空戦闘機ですから空に溶け込む塗装ですが、F-2は超低空から日本へ接近する艦隊を撃破する支援戦闘kという事もあり、海洋に溶け込む迷彩を施しているのが分かります。そして翼にはAAM-3空対空ミサイルなど、様々な装備がみえますね。

Hmimg_2677 GCS-1赤外線誘導爆弾、F-2は四発のASM-3空対艦ミサイルを搭載し敵艦隊を攻撃しますが、敵艦の機能をミサイルで麻痺させたのち、燃えている敵艦に止めを刺すのがGCS-1です。赤外線誘導爆弾、つまり投下しますと熱源へ向かって落下するので、洋上の艦艇へ高高度から投射すると、そのまま艦艇に命中します。改良型として滑空用翼を装備し、射程を延ばしたものもあります。

Hmimg_2685 JDAM,航空自衛隊が導入したGPS誘導爆弾で、地上目標へ精密誘導を行います。改良型にはレーザー誘導対応のものもあり、出撃前に目標情報が判明しているときには高高度からGPS座標へ投射、目標をその場で発見した際にはレーザー誘導で即座に無力化することも出来ます。アメリカ製で、この装備の導入により、策源地攻撃という選択肢が現実的に模索できるようになりました。この調子で次回も飛行展示まで地上展示を見てゆくこととしましょう。

北大路機関:はるな

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防衛装備庁創設を検討、陸海空自衛隊装備品調達の一元化と効率化を目指す

2013-06-16 23:54:26 | 防衛・安全保障

◆統幕の外局とした方が理想ではないか?

 毎日新聞の報道によれば、防衛省は防衛装備品の調達を一元化する観点から、防衛省に防衛装備庁を独立させる構想がある、とのこと。

Uimg_3576 これは、防衛装備品の調達を行う二兆円規模の予算を一括して扱い、現状の陸海空自衛隊が独自に要求した装備品を防衛省内局が予算として編成し、この予算に基づいて大臣装備施設本部が防衛産業との間で契約を行う形を装備品の共通化や施設の統合化という方向へ改める、というかたち。

Yimg_5348 記事では具体的な例として通信システム等について、通信という同じ分野でありながら、陸海空別々のシステムを有している点など、自衛隊の統合運用を行う上で支障となっている部分を払拭する意味でも重要性がある、と説明されていました。

Simg_7354 ただ、例として挙げられている通信システムについては、そもそも師団通信システムや海幕情報システムなどを挙げれば活動範囲が根本から異なり、求められる運用体系から短波か超短波かなど通信の前提部分も任務により異なるため、一概に通信システムを一元化していいものなのか、根本の部分で統合化しても、末端部分は別個のものになり、相互互換性には限界がある、とおもいます。

Timg_9770_2 一方で、これは例えば回転翼機用エンジンなどで共通化を行えば、装備調達を合理化でき、機体価格を下げることで限られた予算にて最大限の装備を調達できる、という利点があります。共通化できる部分を少しでも増やすことで、同時に最小限の予算でも維持できる防衛産業の規模も大きくなるかもしれない。

Timg_2816 ただし、これも両刃の剣で、無理に共通化できない部分を共通化しようとすれば帯に短し襷に長しという装備となってしまう可能性があります。即ち、共通化したつもりが、かえって大袈裟な装備となってしまい、予算面で圧迫してしまうかもしれない。

Pimg_6519 共通化は必要ならば自然に成立するものです。例えば航空機で、かつてV-107ヘリコプターなどは陸上自衛隊に輸送用と海上自衛隊に掃海用と航空自衛隊が救難用に使用していますしUH-60なども陸海空自衛隊で共通しています、必要ならば共通化される、ということ。

Uimg_4714 一長一短あるもの、目的と手段の相違を考えれば結果として共通化できるものは基本共通化しているのですから、別個に行う、という事で独立した省庁を防衛省の下に創設するよりは、陸海空自衛隊での装備調達を統幕会議の外局として統合化する方法を模索してはどうか、とも。

Timg_9279 一方で、防衛産業と防衛装備調達を考えた場合、生産ライン維持を真剣に考え、併せて予算を確実に確保し、契約を確実に履行する仕組みの方が、効率化と言いつつも防衛産業そのものの体力というものが持続できず、破綻してしまう可能性がありますので、こちらを忘れてはなりません。

Jimg_1026 こうなりますと、契約の履行という面では予算の面で防衛省と財務省という今の構図を、アメリカ政府が確定し国防総省へ命令し財務省が履行する根拠となる国防権限法のような政府が防衛権限法のような法律を画定しこれを元に防衛省が予算を選定し財務省に要求する、という、まさに政治主導の手法で、政府と財務省、政府と防衛省、が必要なのではないでしょうか。

Simg_9696 防衛装備品を一括して調達する場合には、前述の通り防衛予算の二兆円を防衛装備庁が一括して行う事となるのですから、一軒合理的に見えるのですが、装備品を必要としているのは防衛装備庁ではなく陸海空自衛隊であることに変わりはないわけで、必要順位の選定を行う部分も財務省と折衝する以前に内部での折衝が必要となってしまう。

Simg_9983 それよりも、防衛権限法にあたるような政治決定として内閣と国防会議が了承した防衛計画の大綱、これに定められた主要部隊や装備定数の別表を元に、耐用年数で必要数を割った調達数を装備することが、必要となるはずであり、これは防衛計画の大綱に基づく装備数を政治決定として政治が防衛省へ整備を命じる構図とすれば、装備庁の創設は必要ないのではないように考えるところ。

Img_45118 即ち、我が国は文民統制を行う民主国家であり、自衛隊に任務を付与するのは政治です、そして政治が任務を増加させ、必要となる部隊と装備が増大するのですから、これを実現させる装備調達の要請は財務省が応えるのではなく政治の責任において行われるべきです。こうした態勢が構築される前提で、装備調達の効率化はあり得るわけで、それ以前に無理を押し通す方便として装備庁を求めるのならば、結果は望まれない方向に進むのではないでしょうか。

北大路機関:はるな

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はつゆき型護衛艦除籍艦の特設巡視船転用計画、海上保安庁が断念

2013-06-15 23:40:09 | 国際・政治

◆複雑な巡視船への改造と乗員訓練が理由

 NHK報道等によれば、昨年末より報じられた除籍護衛艦の海上保安庁巡視船への転用が断念された、とのこと。

Mimg_6600 海上保安庁は、尖閣諸島警備の長期化に伴い、大型巡視船の実任務と補給に整備という運用計画の循環体系が大きく限界に近づき、他方巡視船を増勢するにも二年以上の建造期間を要することから、暫定的な代替案として、海上自衛隊が除籍した護衛艦の巡視船転用を模索してきました。

Kimg_8180_1 一方、海上保安庁の巡視船は大型船舶が警備救難任務を行っているのに対し、海上自衛隊の護衛艦は戦闘を念頭に計画されているため、一か所二か所を破壊されても全体の機能を喪失しないよう、機能を分散し複合化しているため、操舵一つとっても必要な人員などが全く異なります。

Img_9032 そして、長距離巡航を念頭に置く巡視船と戦術機動を念頭に置く護衛艦とで機関方式の要求性能の違い、このほか、船体への防御の思想などにも巡視船と護衛艦には根本的な違いがあるため、護衛艦を巡視船へ転用するには、必要な改造に数カ月以上を要し、乗員の訓練も数カ月以上を要するものでした。

Jimg_4492 この実情は、一人前の護衛艦乗員を養成する期間の長さを考えれば想像できます。他方、海上自衛隊から海上保安庁へ出向できれば多少この問題を解決できるのですが、除籍艦の乗員は新造艦へ異動しますし、海上自衛隊も定員が十分確保されていないため、捻出すれば護衛艦の稼働率に影響が出てしまうため出来ません。

Jimg_8628  そして、護衛艦並の巡視船を、中古護衛艦の取得という形で導入した場合、整備補給をどうするのか、という点が、海上保安庁の根本的な問題として残ります。海上保安庁は海上自衛隊の基地にあるような整備補給施設や造修設備を有していません。このまま単に艦船だけ導入しても、整備補給の関係上海上自衛隊の基地を離れることが出来なくなり、この点も解決策がありませんでした。

 

Caimg_3599 この場合、海上自衛隊退職者で護衛艦乗り組み経験者を海上保安官として雇用する方法、海上保安官を海上自衛隊の各術科学校へ入校させ護衛艦の運用に関する技術習得を行う方法、護衛艦を海上保安庁でも運用可能な巡視船に準じた機関や船内構造へ改修する方法、などが考えられるところ。

Img_2723 しかし、退職者だけで護衛艦一隻分を集め短期間で教育する事は不可能、海上保安官を海上自衛隊へ出向させ訓練を行う場合でも数年を要する、護衛艦を完全な巡視船へ改造する場合は根本から構造が異なるため新造と同程度の費用と時間を要するため、どれも現実とは言えないでしょう。

Kimg_8684_1 元々は巡視船を建造する時間として必要な二年程度の期間を補うために提案された手法なのですから、その対処方法に数年を要するようでは、その間に巡視船を建造すればよい、という事になり、護衛艦を無理に巡視船へ改造する意味はありません、こうした実情が冷静に判断されたところと考えます。

Himg_9321 個人的には、どうしても、という方法ならば考えられるものはあります。例えば海上自衛隊の交通船などは巡視船と同程度の運用能力と整備機能を以て実施できますので、老朽交通船を譲渡して巡視艇の枠を空け、その巡視艇が巡視船の任務を補う事で大型巡視船の運用能力を補う、ということです。
Img_7485 ただ、海上保安庁の警備取締船数は海上法執行機関としては数も大きさも世界最大で、加えて日本の造船能力を考えるならば、代替船は色々とありますので、正攻法で巡視船を建造し、必要な数を揃える、という手段の方が、遠回りに見えて実は最短の手段なのかもしれません。

Img_2690 なお、この提案は昨年の衆院選以前に現与党で当時の野党から提案された手法でもあり、実のところ真面目に検討する以前に、という問題なのではないかな、という水準の内容と思っていたのですが、真剣に検討した、ということには少々驚きました。他方、除籍護衛艦は標的艦転用、もしくは解体となるようです。

北大路機関:はるな

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平成二十五年度六月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2013.06.16)

2013-06-14 23:26:06 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 梅雨と聞きつつなかなか梅雨前線が仕事せず、紫陽花も手持無沙汰な一方、沖縄は梅雨明けという今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか。

Gimg_1316 今週末の自衛隊関連行事ですが、最北の普通科連隊、日本最強の雪上部隊と呼ばれる名寄の第3普通科連隊が名寄市を舞台に60周年記念行事を行います。装甲車には毘沙門天の毘が描かれ、掲げつつイラク派遣の第一陣を飾った部隊で、日曜日は駐屯地ではなく名寄駅前にて市街パレードや訓練展示を含めた式典を行う。

Bimg_1034 この名寄駐屯地は最北の駐屯地で、以北は分屯地のみ、第3普通科連隊の他、有事の際に連隊戦闘団を組む時間を最小化するために旭川第2特科連隊より第2大隊が駐屯、道北への空爆へ備え第1高射特科団より第4高射特科群のホークミサイル部隊が駐屯、道北へ上陸するソ連軍(現ロシア軍)を警戒し即座の情報収集を行う第2偵察隊などが駐屯しています。

Gimg_9356 そして第25普通科連隊の遠軽駐屯地祭、第26普通科連隊の留萌駐屯地祭と、道北の普通科連隊行事が百花繚乱というところ、日曜日の旭川駐屯地祭第2師団創設記念行事にて登場した第2師団隷下の三個普通科連隊全てが今週末、一挙に創設記念行事を行うかたち。

Gimg_9378 名寄駐屯地祭、遠軽駐屯地祭、留萌駐屯地祭、どれも陸上自衛隊の将来戦闘を形作る基幹連隊指揮統制システムを導入したC4ISR化実験部隊であり、併せて一個中隊を96式装輪装甲車により装甲化した半装甲化普通科連隊です。それにしても、一個師団の全普通科連隊が同日に行事とは、こちらでは、なかなかない。

Gimg_17440 苗穂分屯地創設記念行事、装備品展示が中心の行事で、札幌市の苗穂駅ちかくにある駐屯地で、近くに或る島松駐屯地の分屯地となっています。駐屯しているのは北海道補給処苗穂支処、基地通信中隊派遣隊と千歳基地の分屯基地である航空自衛隊の第一補給処支処が並ぶところ。

Gimg_8535 岩手駐屯地創設記念行事、第9師団の火力戦闘部隊と機動打撃部隊の駐屯地で、第9戦車大隊、第9特科連隊、第9高射特科大隊、第10施設群第387施設中隊、東北方面後方支援隊東北方面輸送隊などが駐屯しています。74式戦車とFH-70榴弾砲を中心とした記念式典、式典の規模としては第2師団隷下の普通科部隊よりも、この岩手駐屯地祭のほうが大きい、と言えるやもしれません。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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北大路機関特集『舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報』特集全十二回総集編

2013-06-13 22:35:24 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事

舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報

 舞鶴地方隊展示訓練詳報は前回の第12回を以て完結しました。十二回にわたる特集へお付き合いいただきありがとうございます、今回はその総集編をお送りしましょう。

◆舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報① 日本海へ!イージス艦ちょうかい舞鶴基地出港

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2013-01-15
舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報① 日本海へ!イージス艦ちょうかい舞鶴基地出港
◆東日本大震災を乗り越えて
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◆舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報② 舞鶴湾の狭水道を通りイージス艦は若狭湾へ

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2013-01-24
舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報② 舞鶴湾の狭水道を通りイージス艦は若狭湾へ
◆ちょうかい、絵葉書のような美しい風景を進む
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◆舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報③ 海上自衛隊展示訓練実施部隊、日本海へ出る

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2013-02-04
舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報③ 海上自衛隊展示訓練実施部隊、日本海へ出る
◆ちょうかい前方に日本海の水平線が広がる
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◆舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報④ 観閲式、舞鶴地方総監佐々木孝宣海将へ敬礼

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2013-02-16
舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報④ 観閲式、舞鶴地方総監佐々木孝宣海将へ敬礼
◆日本海を往く舞鶴展示訓練観閲式
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◆舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑤ 観閲飛行に向け展示訓練参加部隊一斉回頭

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2013-02-26
舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑤ 観閲飛行に向け展示訓練参加部隊一斉回頭
◆舞鶴地方隊の艦艇勢揃い
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◆舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑥ 航空部隊の観閲飛行、SH-60編隊とP-3C哨戒機

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2013-03-09
舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑥ 航空部隊の観閲飛行、SH-60編隊とP-3C哨戒機
◆航空集団の精鋭、航空部隊の飛行
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◆舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑦ 哨戒ヘリコプター飛行展示とミサイル艇機動展示

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2013-03-25
舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑦ 哨戒ヘリコプター飛行展示とミサイル艇機動展示
◆空から海から、日本海を守る
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◆舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑧ IRフレア発射!、ミサイル艇&哨戒ヘリコプター

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2013-04-03
舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑧ IRフレア発射!、ミサイル艇&哨戒ヘリコプター
◆大空に炸裂する焔!巻き上がる海面の白煙
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◆舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑨ 艦隊行動と艦隊陣形の洋上展示

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2013-04-17
舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑨ 艦隊行動と艦隊陣形の洋上展示
◆そつなくこなす船乗りと水上戦の意外と難しい基本
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◆舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑩ SH-60機動飛行を経て進路一路舞鶴基地へ

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2013-04-30
舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑩ SH-60機動飛行を経て進路一路舞鶴基地へ
◆舞鶴展示訓練ヘリコプター機動飛行
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◆舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑪ 展示訓練参加部隊、舞鶴基地へ続々帰港

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2013-05-16
舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑪ 展示訓練参加部隊、舞鶴基地へ続々帰港
◆舞鶴基地へ帰ってきた!
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◆舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑫ 舞鶴基地と舞鶴港の夜飾る護衛艦電灯艦飾

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2013-06-01
舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報⑫ 舞鶴基地と舞鶴港の夜飾る護衛艦電灯艦飾
◆電灯艦飾、それは海に浮かぶ光の城塞
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◆舞鶴展示訓練、今年正月明けより詳報の掲載を開始し、今回ようやく完結いたしました。日本海は対岸に北朝鮮を睨む重要海域で、併せて若狭湾や新潟など我が国原子力発電の中枢が並ぶ重要地域に隣接しています。その海の防衛にあたる海上自衛隊の展示訓練紹介写真を通じて、その時に備えることでその瞬間を抑止する仲間がいる、という現実を知っていただければ幸いです。なお、舞鶴地方隊HPには、今年度の舞鶴展示訓練乗艦抽選の募集が発表されていました、ご興味の湧かれた方は是非舞鶴へ、どうぞ。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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第4師団創設58周年 福岡駐屯地創設62周年記念行事詳報⑩ 決着をつける普通科の突撃

2013-06-12 23:53:10 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆土地の奪取奪還、変わり得ぬ戦闘の本質と決着

 戦闘の本質とは何か、それは土地の収奪を介してのあらゆる戦闘及び政治要求への帰結に他なりません。

Fimg_6456_1 福岡駐屯地祭、訓練展示模擬戦。情報収集に始まり特科部隊の火力制圧、戦車部隊による対戦車戦闘を経て、いよいよ戦闘に決着をつける瞬間が近づいてきます、それは奪取された土地の奪還、全ての戦闘行動はこの最終目的のために展開されるといって過言ではないでしょう。

Fimg_6460_1 突撃、軽装甲機動車による普通科部隊の迅速な展開、長い日本列島に続く狭隘で起伏に富み、都市部と農村に高山地帯が入り乱れる国土を縦横無尽に走り回るべく導入された小型装甲車がMINIMI分隊機銃を目標に定め装甲を盾としつつ俊足で前進してゆく。

Fimg_6681 普通科と機甲科の協同、我が方が陣地より展開するこの瞬間が最も危険な瞬間で、我が方の普通科部隊の突撃に対し敵部隊の突撃破砕射撃を警戒し、74式戦車は、その高度な光学監視装置を活かし脅威を先んじて監視し、発見すれば直接照準により即座な排除を行うべく鋭い監視の目を緩めない。

Fimg_6464_1 軽装甲機動車にて敵前へ展開した普通科部隊は時機を見定め降車戦闘へと移行します。軽装甲機動車は操縦手を含め降車戦闘へ展開するため、この直後から機動力は徒歩に限定されてしまう。車上からはMINIMI分隊機銃手が降車隊員を掩護するために残り、射撃を加えてゆきます。

Fimg_6676 戦車発砲、大気を引っ叩く様な衝撃と共に刹那遅れ轟音が這い寄る、戦車が射撃するとの放送が為されたはずだが、降車戦闘を集中して追う視線の先に中々気づかない。これは降車戦闘を行うべく軽装甲機動車が足を止めた瞬間に乗じた敵の反撃への兆候を確認し、機敏に105mm砲の射撃を加えたもの。

Fimg_6469_1 併せて普通科隊員も降車するや否や即座に89式小銃にて軽装甲機動車の扉を盾に油断なく脅威を排除してゆく。軽装甲機動車は7.62mm小銃弾などへの耐弾性能を有しているため、重火器さえ先制し封じてしまえば心強い盾となってくれる。

Fimg_6423_1 戦車の連続射撃は続きます、105mm砲はイギリスL-7系ライフル砲で、射程などの面で現用戦車砲よりも大きな威力を発揮、現用の120mm砲第四次中東戦争では湾岸戦争やイラク戦争で4km前後の目標に対し米軍が使用し効果を上げていますが、7km先の敵戦車をイスラエル軍が撃破した事例があります。

Fimg_6468_1 軽装甲機動車からの89式小銃とMINIMI分隊機銃の射撃も続きます。軽装甲機動車はMINIMI分隊機銃を搭載するほか、01式軽対戦車誘導弾を機動運用する車両としても活躍しますが、今回の訓練展示には人員輸送用として専ら使用されていました。

Fimg_6404 特科部隊のFH-70榴弾砲が次々攻撃準備射撃を行います。二門の火砲は短時間の効力射能力に優れたFH-70の能力を最大限発揮、155mm砲弾が敵陣地の防御機能を叩き潰し、我が方の行動を有利とします。最終弾落下が、突撃の時機、こののちは我が方の突撃を阻害するため射撃できません。

Fimg_6475_1 最終弾落下ッ!、戦機は熟した、一斉に隊員が小銃を手に駈け出してゆきます。戦闘防弾チョッキをはじめ完全装備の普通科隊員はかなりの重量の装備を着込むのですが、どれも生き延び撃破するために不可欠なもの、この瞬間から目的を達するまでの瞬間、瞬発力を維持できるよう強靭な肉体を構築してゆく、とのこと。

Fimg_6691 AH-1S対戦車ヘリコプターが特科部隊の火力支援に続いて上空から支援を行う、特科部隊の攻撃準備射撃終了とともに展開される普通科部隊の突撃に合わせ航空部隊が支援へ展開する、この瞬間の連携が失われれば、それは突撃の失敗や損耗率に跳ね返るため、連携の重要性は死活的と言えるほどに大きい。

Fimg_6380 TOW対戦車ミサイルにより3.75km先の戦車を撃破する対戦車ヘリコプターAH-1Sですが、同時に70mmロケット弾と視線同調式20mm機関砲を搭載し、正確な航空支援を行う事も出来ます。理想は支援戦闘機の近接航空支援を受ける事ですが、航空自衛隊と連携する前線航空統制員が不足しており、やはりヘリコプターという自前の支援に頼る部分が大きい、というわけです。

Fimg_6478_1 普通科部隊が戦闘に決着を点ける、とは、土地を占領した敵部隊に直接銃火を叩き込み、銃剣を突き刺し、徒手で以て泣き叫ぶ敵も両手を挙げた敵も、兎も角敵の生死を問わず陣地から引き摺りだすことによってしか為し得ないものであり、これは戦車にも火砲にも出来ない任務である、ということ。

Fimg_6675 戦車もこの瞬間からは主砲の対戦車戦闘力と同軸の連装銃の薙射の威力を封じられます、そういうもの戦車砲弾で対戦車用の徹甲弾には極超音速を発揮するための被筒を有しており、これが射撃後に分離することから戦車より前の人員へは生命の危険が生じるから。

Fimg_6502_1 戦車はこの為、突撃する普通科隊員とともに並走して進んでゆきます。実際の戦闘であれば、攻撃と同時に相手の陣地前に構築された地雷原や防御用障害物を除去するべく施設科部隊が支援します。今回の想定は、仮設敵が陣地占領と共に防御戦闘を展開したため、相手に堅牢な陣地構築の時間を与えなかった、のでしょう。

Fimg_6389 突撃を支援する96式装輪装甲車の12.7mm重機関銃、装甲車の不足が本土師団の難点であり、戦車大隊や後方支援連隊戦車直接支援隊の車両に協同する普通科隊員が乗車しています。射撃支援、親指ほどの弾薬を連射する12.7mm機銃の威力と射程は大きく、軽装甲車位ならば破壊してしまうほど。

Fimg_6514_1 MINIMI分隊機銃の支援射撃は続く、射手は弾幕が我が方の突撃を阻害しないよう、射撃訓練を積んでいる。なお、この状態で対戦車火器が残れば退避できず、後続の装甲車用の通路を空けて停車しなければならない、少々不便で、遠隔操作銃塔RWSの開発が進んでいます。これは元々軽装甲機動車が乗車戦闘のみを考えていた背系の名残り。

Fimg_6508_1 仮設敵陣地前に展開し、89式小銃による掃射を行う普通科隊員、連射の反動に銃身を持ち上げられ照準に支障を来さないよう下から突き上げるように短い点射や薙射を繰り返します。仮設敵からの反撃は滞り、我が方の突撃は成功したようです。生き残った想定の敵は敗走するか、降伏するか。

Fimg_6510_1 掃討を終えつつも、素早く小銃の弾倉を取り換え、警戒を続けます、状況終了。我が方は陣地を奪還し、訓練展示を完了しました。空包の炸裂音が止み、余韻を残しつつの状況終了、これを以てこの会場での式典と訓練展示はすべて終了しました。こののち、福岡駐屯地祭は装備品展示などへ移ってゆきます。こちらは次回の紹介としましょう。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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北海道 北鎮第2師団創設記念旭川駐屯地祭・第2航空団千歳基地撮影紀行

2013-06-11 23:47:34 | 防衛・安全保障

◆北海道防衛最前線の精鋭

 旭川駐屯地祭と第2航空団の撮影へ北海道に展開してきました。本日多忙につき、速報にて。

Himg_0049 第2師団、北鎮師団として道北は旧軍以来の軍都旭川に師団司令部を置く師団で、戦車連隊と三個普通科連隊に特科連隊を中心とした機甲師団を除けば最強の師団と位置付けられ、将来戦に対応する情報優勢確保に向けたC4ISR実験師団として最新の装備と戦術運用を与えられ求められる師団です。

Himg_0855 師団は高度に機械化され、併せて冷戦時代にはソ連にもっとも近い最北の師団でもあったことから、練度と士気も非常に高く、陸上自衛隊イラク派遣任務では第一次派遣部隊として96式装輪装甲車へ毘沙門天の毘を大きく描いた名寄駐屯地第3普通科連隊より派遣されたことをご記憶の方も多いでしょう。

Himg_1116 C4ISR師団ではありますが、第五大隊を含む自走砲化された特科連隊や90式戦車を含む戦車連隊に、96式多目的誘導弾や87式自走高射機関砲など、重装備にふさわしい装備を持つと共に、本年は第2特科連隊にとり75式自走榴弾砲最後の年でもあり、訓練展示では発砲焔を見せつけていました。

Himg_2926 第2航空団の千歳基地、羆横顔の部隊徽章を誇示する第201飛行隊、イーグル第一の実戦部隊として編成され白羆の部隊徽章を掲げる第203飛行隊、この二個のF-15飛行隊を運用し、第2航空団はソ連軍の爆撃に備え日本最初の掩体運用飛行隊を有する広大な基地を拠点として、今なお残る脅威へ北方防空にあたる。

Himg_2197 千歳基地撮影は、実質的に今回が初めてで、航空祭でもないため撮影位置が良く分からず、いろいろと錯誤がありましたが、AAM-3を搭載したF-15や、頻繁な離発着など、精鋭部隊を求められ、それに応えるべく限界に挑む飛行隊の一端を見ることが出来ました。

Himg_3061 夕陽と千歳救難隊のUH-60J,新千歳空港は札幌市街地から30kmの距離を隔てていますが、広大な北海道を印象付ける一枚です。夕陽を背景にF-15の離陸を、と思っていたのですが来たのは着陸のみ、しかし、前回の南千歳駅からの数枚ではなく、今回初めて基地の日常風景を見ることが出来ました。千歳に旭川、観て歩きますと、やはり、北海道の防衛は、万全、という印象を受けたところです。

北大路機関:はるな

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