私には、心理学的なものに惹かれた時期が二回ある。一つは従兄弟に教えられて、市川亀久弥先生の創造工学に出会い、その魅力に魅せられて、工学部の専攻を管理工学にし、計量心理学や実験心理学に熱中した時期である。卒論のテーマは「非線形関数の直観的学習」であった。
もうひとつは、カトリックの信仰を深めてから、10年近く前に始めた心理療法の勉強。特にU先生のオックスフォード流「生き甲斐の心理学」は強烈で、6年前に会社を辞める一つのきっかけでもあり、今NPOで教育活動を行っている源泉である。
ただ、この二つの勉強は、一つは工学の分野。一つは心理療法や予防医学と私の中では別のもので決して繋がらなかった。
2年前くらいのことであったか、知人のAさんに「生き甲斐の心理学」を紹介したことがあった。その時の雑談の中でAさんは創造理論TRIZの話をしてくれた。そのことで、昔の創造工学のことを思い出し、従兄弟とも行き来が増えた。
そして、一昨日「図解でわかる等価変換理論」(日刊工業新聞社)を求め読んだ。その6章(技術開発に役立つ理論と手法を学ぼう)を読んでいたとき、今まで学んできた心理療法の世界と極めて似ていることに気づいた。
創造的なアイデアと、悩みの中での気づきは、ある意味で同じようなものなのである(これも等価変換理論にのっとっているのだろう)。そして、そうしたものへのアプローチ方法も当然似てくる。
自分にとって、この気づきは不思議な体感であった。
広い視点の確立は、自分にとって新たな展望を生み希望が膨らむ。
(「五感から」 9/16)
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