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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

つらい線引きに想いを寄せる!(個性の美 3/10)

2012-04-11 | 第十章「今ここでの恩寵」

 もう9年前になるが、長年勤めた外資系企業をやめ、「生き甲斐の心理学」の応用活動としてグループリビング建設をめざしたことがある。そして、真剣に公的訓練で福祉・介護の勉強をした。その中で、線引きの問題を身に染みて感じたことがあった。たとえば身障者に対する支援のための国の基準があるとする。それは、ないより良いかもしれないが、基準にてらして国のサービス(これをサービスといってよいやら?)が受けられるかが決まる。問題なのは、その基準から外れた場合である。特にボーダー線付近の方は何とも言い難いつらい経験をされるケースがある。

 こうした基準や線びきは、もう気が付かないほど世の中にはたくさんある。

 地球というイメージも、生まれてから何回もみた世界地図や地球儀のイメージがつよく。日本中心のあるイメージが自分の中に占められている。そして、最近の人口衛星や宇宙船からの地球映像を観ると、地球というのはこんな風なんだと逆に驚いたりする。

 私は学生時代、数理統計学を勉強したが、世の中の現象の多くは、基本的には分布(正規分布など)として考えられるもので、簡単に線引きできる性格をもつものは少ない。ところが、世の中は分布と線引きを混同しがちである。確かに線引きをすれば、判りやすく一刀両断で動きやすくなる(見ていても恰好がイイ)。でも線引き主義は危険と裏腹である。

 極端なケースであるが、ホロコーストのユダヤ人。ユダヤ人の定義一つで信じがたい人が亡くなった。ただ、今考えてみれば、現世人類は5-6万年前には同じアフリカを出立した種である。同じ現世人類という定義からすれば人類70億人全部がユダヤ人と言ってもよいかもしれない。適当に定義されたユダヤ人の血が1/4ならどうかとか・・・そういう定義で人の命が決められていく。

 線引きがすべて悪いとは思わない。それにより様々な恩恵が受けられるシステムが作られるからだ。私も60歳になり、いろいろ恩恵を受けることができ幸せである。ただ、線引きの負の面も知っておくことは大切。

 線引きの話題で気になるもう一つは、自己愛パースナリティ障害の特色に<対人関係が過度の理想化と蔑視の両極端の間で激しく揺れ動く>というものである。こういう傾向は誰にもあり、自分も自戒の意味でこの特色を時々思い出す。因みに、自己愛パースナリティ障害については、左にある「生き甲斐の心理学」第1章を参考にしている。ご興味のあるかたは是非アマゾン等で入手されたらと思う。

 個性の美 3/10

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