カソリックの法王が2月28日に600年ぶりに生前退位されて、新しい法王を選ぶための会議が開かれるという。
この会議をコンクラーベという。どうも法王を決めるための会議が長く続くので「根競べ」だという日本語の冗談も聞かれる。
いつかドイツ語のクラスでR氏から部屋を閉め切って、つぎの法王を決めるための会議と投票をするとかだと聞いた。そのときの印象ではラテン語でコンクラーベは閉じ込めるというような意味だととった。
今朝、このコンクラーベの綴りを調べようと思って伊和辞典を引いてみたが、見当たらなかった。それで広辞苑を引いてみたら、ちゃんとあった。conclaveであった。
一度、綴りがわかったので、もう一度伊和辞典を引いてみたら、ちゃんとこの同じ綴りで出ていた。それならと思って英和辞典を引いたら、発音はちょっと違うようだが、やはり載っていた。ではと思って仏和辞典を引いてみたら、これにも載っていた。では独和辞典にもと思って引いてみたが、私のもっているいくつかの独和辞典には載っていない。
「閉める」とはイタリア語ではchiud'ereというが、フランス語ではfermerであろう。fermer la porteなら、「戸を閉める」であろう。fermer les yeuxは「目を閉じる」である。どうもconclaveを連想させるようなところはない。
ドイツ語では普通には閉めるはschliessenであり、開けるは"offnenである。もちろん、zumachenとかaufmachenともいう。こちらの方がよく使われる言葉machenに関係していて、日常用語Umgangspracheであろう。
"offnenに対応したフランス語なら、ouvreであろうか。そういえば、Au claire la lune(月の光に)というフランス語の童謡にouvre-moi ta porte, pour amour diex(ウーヴル モア タ ポルト、プール アムール デュウ)という一句があった。「後生だから、あなたの家の戸を開けてください」という意味だったろうか。
ちなみに、コンクラーベの意味を広辞苑では「ローマ教皇選挙会。枢機卿団で構成。元来、選挙期間中の干渉を防ぐために枢機卿団が閉じこもる囲いの意」とある。