TEDカンファランスの再放送でBunker Royというインドの社会活動家の話を見た。前にも感動したのだが、今回も再見してやはり考えるところがあった。
Royはインドの貧困な村人の生活を改善することを試みている。そこで基本は飲み水の確保とエネルギーの自給である。雨水を地下に多量に貯める設備をつくっており、4~5年間の渇水に耐えることができるという。
また、エネルギーは太陽光パネルを使って電気を確保しているという。その太陽光パネルを設置している技師は50歳代の女性である。男性はcertificate(証明書)をほしがるが、女性にはそういうところがないという。男性はcertificateをもって都会に出ていき、そこで働く方を選ぶ傾向にある。
村を緑化するために学者に聞いたが、この辺を緑化することは絶望的だと言われたが、その土地の長老に聞いて、その知恵にしたがったら、これこのように村を緑化できたと写真が見せられた。ともかく緑化は達成された。
これはしかし学問的な知識や技術が不要だということを示すのだろうか。私はそうではないと思う。そういう貧しい境遇とか環境で暮らしている人々の持つ生活の知恵を私たちがまだ十分に学んでいないということを示しているのであろう。
子どもたちは昼間は家畜の世話や何かで学校へ行く時間がない。しかし、夜なら学校に来て学ぶことができる。環境に反するのではなく、環境にあわせた学習の場を設けている。そこらあたりが場に、環境に適した活動を行うという、Royの面目躍如たるところである。
経済についても政府とか世界銀行からの財政支援を待つことはないという。金融緩和に頼らなくても生きていける。そういう方法は日本でもないのか。
食物とか医療とか介護についての話はなかったが、それらについても知りたいものだ。
だから、Royの話に感心するだけではなくて、私たちの生活にRoyの思想がどう生かすことができるのか考えるときではないか。