昨日、再生可能エネルギーについてのドイツ大阪神戸総領事の講演を松山市のコムズで聞いた。ドイツでは再生可能エネルギーによる発電のうちで風力発電が30%とかなりの割合を占めていることを知った。
ドイツは日本と比べれば、高緯度に位置するので多分風が日本よりは一般的に言って強いからであろう。それに比して日本では太陽光発電の可能性がドイツよりもはるかに大きいのではないかという講演での指摘はまったく正しいと思われる。
だが、要するにこれはそういう政策を国がとるかどうかにかかわっている。そういう政策を国は取って来なかった。そして今原発が止まっているという段階で電力の価格が上がるという事態になっている。これは国の政策の悪さの表れだと思うのだが、それが政治には反映されていない。
ドイツにとってチェルノブイリ原発の事故は他国の原発といえどもその放射線被害は国境などは関係がなく、被害を受けるのだという1986年の経験はとても大きい。
チェルノブイリ原発の事故のとき、日本の電力業界で言われたことは日本の原発はまったくチェルノブイリとはまったく違ったタイプの原発であるので、日本ではこのような事故は起きないということだった。
その当時、世の心ある識者からはそんなことはないはずで、事故はどの原発にでも同様に起こるという警告が発せられていたが、そんなことはまったく顧慮されなかった。政策のミスというか過ちだが、そんなことは当時の政府も現在の政府も頬かむりしたままである。
誰も責任を取らない無責任体制である。そして、東電の副社長をしていた人の発言として、聞くに値したのは高木仁三郎氏の意見ぐらいであったという傲慢な述懐が津波で福島第一原発が事故を起こした後で新聞に出たのを覚えている。
そんなことはなかったはずだ。日本の中でも10人以上の方々が原発の危険性を大いに訴えていたはずなのに。それらの方は発言はなかったことにされている。
もちろん、かなり程度の低い発言をされた方も中にはあったかも知れいないが、それはほんの一部の人であり、数十人の識者の中の大多数はまっとうな発言をされていたと思う。
それはともかく太陽光発電は日本では地熱発電とともに大いに可能性がある分野であろう。風力発電についても洋上発電が有望視されており、ここに開発の余地があると思われる。
それと昨日の講演で聞いたところではこの再生可能エネルギー関連事業で数十万人の雇用が生まれるということである。ドイツでは確か約36万人の雇用が創生されたということであった。