物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

モハメド・アリ

2016-06-14 17:07:35 | 日記
は優れた偉大なボクサーであっただけではなく、社会を改革した人として人々に末永く記憶されるだろう。

彼が活躍した時代は1960年代であって、それは私の20年代に相当する時代であった。私自身はあまりボクシングにはその当時も関心はなかったのだが、理論物理学研究所の教授だった物理学者の田地隆夫先生がアリのボクシングの試合の結果はどうなったかと気にしておられたのを思い出す。

当時、広島県の竹原市にあった研究所から大学院生のための講義に週に一度は広島市に来れるのが常であったが、その自分のセミナーがすんだときにアリのボクシングの結果を気にされていたのである。

アメリカのベトナムでの戦争が続いていたころであり、その戦争への徴兵をアリが拒否したことから、彼は刑務所に服役したり、ボクシングのチャンピオンシップをはく奪されたり、またボクシングのライセンスさえも失ったという。

それでも彼は自分の意志を曲げなかった。国全体を敵に回しての決意であった。黒人もベトナムも同じような扱いをうけているという、その思想と言明はだれにでもできるものではない。

パーキンソン病で74歳で亡くなったと聞くと、あのアリは私よりも数歳若かったんだなということを知った。

いまでこそ、アリは名誉も回復して、受けた刑罰は取り消されたという。しかし、ほとんど四面楚歌の中で一人自分の信念を貫いたその人生は誰にでもできるものではない。

彼のボクシングでの発言は「蝶のように舞い、蜂のようにさす」(Float like a butterfly, sting like a bee)
であったという。