は日本語でも数十冊は発行されているだろう。もしかしたら日本語だけでも100冊は越えるかもしれない。それくらい多くの量子力学のテキストが発行されているのだが、読んで感心する本はそう多くはない。
そういう感心した本の1冊として、最近見たのは江沢 洋著「量子力学」I(裳華房)がある。IIの方はまだ読んでいないので、こちらも新機軸に富んでいるのかもわからないが、評価はまだである。
小川修三『量子力学講義ノート』の第1部の編纂の終りの段階に来ているのだが、それの書かれたところの理解のために上記の江沢の書を読んだ。目的があって読んだのだが、実は感心したところは疑問を解決するために読んだところではない。もちろんその箇所もよく書けているのだが、その後のところに感じ入った。
シュレディンガー方程式を導入したあとにそれが正しい結果を導くかということを確かめるために水素原子の問題を解くのだが、そのとき方が目的に則したとき方であり、まったく難しい話が出てこない。
そこらあたりが感じ入ったところである。もっとも水素原子の量子力学の解法としては不十分とのそしりを免れないかもしれないが、こういう方法があったのは気がつかなかった。
基底状態の状態関数を目の子で求めたり、球対称な解を求めたりする。また固有値を求めてボーアの理論を検証したりする。これは私が自由粒子解や周期解を固体物理の理解の例として採用したことと類似している。
もっともなんでも役に立たねばならないということはあまりにプラグマティックであろうか。そこらあたりは要注意であろう。
そういう感心した本の1冊として、最近見たのは江沢 洋著「量子力学」I(裳華房)がある。IIの方はまだ読んでいないので、こちらも新機軸に富んでいるのかもわからないが、評価はまだである。
小川修三『量子力学講義ノート』の第1部の編纂の終りの段階に来ているのだが、それの書かれたところの理解のために上記の江沢の書を読んだ。目的があって読んだのだが、実は感心したところは疑問を解決するために読んだところではない。もちろんその箇所もよく書けているのだが、その後のところに感じ入った。
シュレディンガー方程式を導入したあとにそれが正しい結果を導くかということを確かめるために水素原子の問題を解くのだが、そのとき方が目的に則したとき方であり、まったく難しい話が出てこない。
そこらあたりが感じ入ったところである。もっとも水素原子の量子力学の解法としては不十分とのそしりを免れないかもしれないが、こういう方法があったのは気がつかなかった。
基底状態の状態関数を目の子で求めたり、球対称な解を求めたりする。また固有値を求めてボーアの理論を検証したりする。これは私が自由粒子解や周期解を固体物理の理解の例として採用したことと類似している。
もっともなんでも役に立たねばならないということはあまりにプラグマティックであろうか。そこらあたりは要注意であろう。