巡礼とは世界のいたるところにある。
イスラム教でもキリスト教でもはたまた仏教でも巡礼はある。フランス語ではpelerinageとか言うし、ドイツ語でもPilgerschaftとかPilgerfahrtという。巡礼者はフランス語で、un pelerin, une pelerineとかドイツ語ではPilger, Pilgerinとかいう。
四国遍路は世界無形文化遺産に登録したいとかそういう動きがあるが、まだ登録されたとは聞いていない。最近ではヨーロッパ人が四国遍路で歩いていたりするようだが、まだ私自身はそういう人を目撃したことはない。
私の故郷の I 市の実家の前を菜の花が咲く、春になるとチリンチリンと鈴を鳴らしてお遍路さんが通ったものである。最近では歩き遍路の方は少なくなったが、それでもときどきは見かける。
私がそこに行ったことがあるわけではないが、スペインのサンチアゴ・コンポステイラは昔からの巡礼地として有名である。フランスのモン・サンミシェルとかもそういう巡礼地なのかもしれない。
妻が今朝私に話してくれたところでは、封建時代の江戸時代ですら、さすがにお参りにいくとか巡礼に出るということにはあまり反対できなかったらしい。だから、現在なら、いわゆる「気晴らし」(フランス語ならdivertissment)に出かけるために巡礼に出ることもあったらしい(注)。
それにしても1回で十分なはずだのに何回も巡礼に出かける心理はどういうものだろうか。その辺はよくわからないが、ひょとしたら、一度読んだ本を読む返すようなものなのだろうか。
(注)私はあまりよくは知らないのだが、モーツアルトの曲にDivertissment(ディヴェルティスマン)というのがあるらしい。これはひょっとしたら、フランス語ではなくて、イタリア語かも知れない。