昨日、カズオ・イシグロさんのことをブログに書いたら、アクセスが300を越した。それくらい文学好きの方がいるのかもしれない。
大体いつものときは150もアクセスがあれば、多い方である。それがその2倍以上のアクセスがあるなんて、信じられない。別に世間の関心におもねっているわけではないので、アクセスが増えること目指して、カズオ・イシグロさんのことを書いたわけではない。
私は鶴見俊輔さんの本を通じて、カズオ・イシグロの名を知ったのだが、それでも彼の小説を読んだことがない。鶴見さんなどは多分英語でイシグロの小説を読んだのだと思うが、私などは読むとしても翻訳で読むだろう。
これは物理の本にしても、苦労しながらではあるが、あまり辞書の御厄介にならずに英語の本を読むこともある。しかし、その翻訳があるならば、翻訳を読むことの方が多いかもしれない。そして、ひょっとしたら訳された日本語がわかり難いときにはじめて元の英語にあたるという怠け者である。
物理の研究者であった、もう亡くなった S さんは朝永振一郎著『量子力学』(みすず書房)を日本語の原著では読まずに、その英訳で読んだと聞いた。私など何でそんなご苦労なことをするのかと思ったりするのだが、英語の方がわかりやすいところもあるのかもしれない。
それに刺激されてということでもないのだが、これは大学を定年になってから購入した、この英訳書の第2巻を最近自分の書架から仕事場にもってきた。もっとも私の場合にはその日本語の原著もその傍においてある。
朝永の『量子力学』第1巻は文句なしの名著で数回私も読んだことがあるが。第2巻は難しくてどうも読み通せていない。それと記号がちょっと嫌でわかり難い。これを普通に変えた方が読みやすくていいと思うのだが、さすがにみすず書房もこの記号の変更は言い出せないらしい。
土屋秀夫さんという方の書いた『朝永振一郎の「量子力学」の研究』という大部な解説書まであるが、これは自費出版で、あまり一般の人に普及しているわけではない。私は東京大学から借り出して、そのコピーをもっている。