Paul J. Nahin, "Inside Interesting Integrals" (Springer)である。これは定積分のやり方を書いた本であるらしい。
私にも「定積分の求め方」という書きかけの数学エッセイがあるが、これがなかなか完成しない。その構想を私ではない、電気工学者のナーインがすでにきちんと形にしたらしいのが、この冒頭にあげた本である。
こういう構想は私にはとてもよく理解ができる。このブログのどこかにも「定積分の求め方」というタイトルですでに定積分の求め方を箇条書きに書いておいた。
そういえば、この著者ナーインは『虚数の話』(青土社)とか『オイラー博士の素敵な数式』(日本評論社)を出している(注1)。
『虚数の話』のほうは訳がおかしいとのことだが、それでも私が「数学・物理通信」5巻3号のエッセイ「虚数とカルダノの公式」に書いた虚数の世間的な認知は3次方程式の解でようやく行われたという話も入っているらしい(注2)。
私はナーインとは独立にいろいろな構想をもったのだが、ナーインはそれをすでに形ある本として書いてあるらしい。これはナーインも私も数学者ではないことがその大きな理由であろう。
(注1)『オイラー博士の素敵な数式』はそのタイトルからの想像に反して、テーマとしてはフーリエ変換を取り扱ったものだという。購入されるときは注意をされたほうがいい。内容を知ったうえで購入されるなら、それはまったく問題ないのだが。
(注2)「数学・物理通信」はインターネット検索すれば、すぐに名古屋大学の谷村先生のサイトにたどり着ける。いつでも閲読可能である。ちなみにこのサーキュラー「数学・物理通信」の編集発行人は私(aoyama)である。